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初めてのデートで食べてはいけない物

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

長年イタリアに住んでいると、日々当然のようにパスタやピッツァを食べることになります。 イタリア料理が普段の食事で、たとえいつもよりも高級店へ行ったとしても日常の食事の延長線。 「あの店のアレが食べたい」というのはありますが、外食でインド料理や地中海料理を食べに行く時の方がテンションが上がります。 日本で「地中海料理」というと私の住んでいるシチリアやスペイン、南仏の料理ことを指すようですが、一般的には地中海沿岸の国の料理、レバノン、シリア、イスラエル、そしてギリシャなど。 トルコ料理も似たような物が沢山あります。

話は少々変わりますが、私の学生時代、高校生頃にはやっていた雑誌諸々は「マニュアル系」の物が沢山ありました。 男性向けでは「初めてのデートコース」的な物が多く、男の子達はそれらを読んで頭を悩ませていたのでしょうね。 一口にデートと言ってもアウトドア派、ドライブコース、都内でのデートなどなど、ジャンルも沢山。 女の子向けの雑誌ではどんなコーディネートが好感をもたれるかとか、食事をご馳走になった時に可愛いお礼の言い方だとか、はたまたどのタイミングでトイレへ行けば良いのかまで。 笑えます。

そんな中に「初めてのデートで食べてはいけない物」と言うのがあり、割と頻繁に出てきたのがスパゲッティとピザ。 当時はパスタという呼び方は存在しなく、そしてパスタ自体の種類も少なかった日本ですから、ほぼ間違いなくスパゲッティでした。

何故この2つがいけないのかと言うと、ズバリ「食べるのが難しいから」ということ。 スパゲッティは上手く巻かないとソースが洋服に飛ぶ可能性がある、上手く巻けていないスパゲッティの端っこがブラブラしてみっともない。 ピザはチーズが伸びるので食べにくい、大きく口を開けなくてはいけないので、初めてのデートでは避けたほうが無難。 こんな理由だったと記憶しています。

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当時は私も「そうか」と納得していました。 

高校生から大学生向けの雑誌類ですから、考えてみたら20歳前後の若者向けの話です。

それから何年も経ち、現在イタリアに暮らしていてふとこれらの雑誌のことを思い出しました。 で、こういうのはイタリアにも存在するのか?と。 つまり、初めてのデートの時に食べてはいけない物だとか、デートコースを教えてくれるマニュアル的な情報誌。 これがないんですよねぇ。 イタリアには「情報誌」というのがほぼ存在しません。 今では情報はネットで検索するのが常識でありますが、そのもっと前から存在しない。 だからイタリアの男の子は自分でデートコースを考えなくてはいけないのです。 

そしてそれよりも「スパゲッティとピッツァが駄目」だったら、最初のデートで何を食べるのだろうと考えると、パニーノしか思い付かない(笑)。 イタリアの若者、食事へ行くとしたらピッツァでしょうからね。 若者は高級レストランへは行きません、と言うか行くお金を持っていないのがほとんど。 チープなデートをしています。

スパゲッティは小さい頃から食べているから問題ないでしょうし、ピッツァはナイフとフォークで食べるので、チーズが伸びるとか、大口を開けなくてはいけないという問題は当てはまらない。 そもそもこの2つを除外したら選択肢がほぼなくなる。 最近はポケ丼やお寿司というケースも流行ってますがやはりピッツェリアへ行く人が大半です。

今でもこういう情報誌は沢山あると思いますが、避けた方が良い食べ物何ているのもあるのかしら? あるとしてもイタリア料理は定着しているから、今だったら避けるべき食べ物って何かしら?

そう言えば私自身の生まれて初めてのデートって、相手が誰だったかも何を食べたかも覚えていないわ・・・・。


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