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陶器の町・サント・ステファノ

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

日曜日から夏時間が終わって日暮れが早くなり、月曜日から行動規制がかかり、火曜日の今朝は雨。 「出かけるなよ」と言われているような感じです(笑)。

今回はシチリアの「陶器の町」をご案内。 Santo Stefano di Cammarataという町です。 丁度パレルモとメッシーナの間、厳密には少々パレルモ寄りです。 そう、月頭にメッシーナへ行った帰り道に寄り道しました。 

パレルモとメッシーナを結ぶ高速道路は、三角形のシチリアの1番北側を海沿いに走ります、つまりずっと海を見ながら走れます。 実は最初からここへ行く予定で、最初は粋に寄ろうかと思ったのですが別の所で用事が入ったので、寄っているとお昼前にメッシーナ へ到着できないので帰りにした次第です。 メッシーナで朝食を終えたら出発。

シチリアの陶器の町といえば「カルタジローネ」が最も有名だと思いますが、そこのものとは色合いに違いがあり、普段使いに良いものが結構あります。 カルタジローネは街のあちこちに陶器で装飾されていて、特に階段が有名でありますが、ここはずっと地味。

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日曜日なのにお店は開いています。

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この人の顔の陶器、頭の部分に植物を植えるいわゆる植木鉢として使えます。 そのまま飾りとして置いても良いのですけど。 これはテスタ・ディ・トゥルコ(トルコ人の頭)、もしくはテスタ・ディ・モーロ(肌の黒い人の頭)と呼ばれていて、言われは幾つか存在します。

シチリアがアラブ人支配下にあった9世紀頃、肌の黒い1人の男性とシチリア人の女性が恋に落ちた。 親の反対を退けて結婚したけれど、彼には祖国に奥さんと子供がいる事が判明。 激怒した彼女が彼の首をはねた。 それでも彼の事を愛していた彼女は、彼の頭にバジリコを植えたらよく育った・・・。 

別のバージョンでは彼の頭をはねたのは彼女のお父さんだとかお兄さんだったとか・・・。 

どちらにしても物騒な話であります。 私はこう言うデコラティブな物はあまり好みではないのですが、シチリア人は好きな人が多いようです。 実際に自宅に飾っている人も多いですから。

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もう一つ伝統的な装飾品としてはこちら。 松を型どっています。 これは家の外、つまり玄関の外に置いた場合は「歓迎」を表すそうです。 シチリアの街中を歩いていると目にする事があります。 家の中に置いた場合は意味が変わり、「家族愛」的な事を表すのですって。 一つ一つの粒が、下から上へ行く程小さくなっていますよね? 家族の中で、大きな者が小さな者を支えると言う意味があると聞きました。

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トリナクリアと言う、シチリア島のシンボルも勿論ありました。 どこにでもあるのですけどね。 3本の足がシチリア島の3つの岬を表していると言われています。 真ん中の女性はメドゥーザ、髪の毛が蛇でできている物が多いですが、これは違うみたいですね。 このシンボルマーク、なんと2500年前にギリシャ人が発案したのですよ。 当時はもっとシンプルで、メドゥーザはいませんでしたが。 

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こんなに可愛い物も。 シチリアのあちこちで目にする、「うちわサボテン」がモチーフになっています。 最近これが流行っているようです。 右側はザクロがモチーフ、これもよく使われます。 ザクロには「一つ一つの粒が信仰で、外側の皮がそれを守るように包む」つまり信者を神様が守っていると言う、宗教的な意味もあります。 そして勿論レモンやオレンジと言った定番のデザインも沢山。

最後にここへ来たのは10年以上前で、偶然とっても美味しいトラットリアでランチをしました。 いつか又そこへ行きたいと思いながら、こんなに長い時間が立ってしまったと言う事です。 ところが! そのお店はその日貸し切りでした・・・、残念。 でもこれで又行く理由ができたと言う事で。 後10年は待ちたくないので、来年あたりに計画したいと思っています。 来年はコロナが収まっている事を願って。


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