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置き去りだった志を・・・


長男が生まれて7年。

この7年間、惰性で生きてきた。

初めての妊娠・出産、夜中の授乳、布おむつライフ・・・
何から何まで初めてのことで、
常に寝不足でフラフラ。

大変な事ばっかりだけど、
子供が可愛くて、
彼中心に世界ができていった。

どこに行くにも一緒だし、
夜寝ていても、いつ起きるかわからないから
24時間体制。

自分のことなんて考える暇もない。
考えるとしたら、彼のためのおっぱいのコンディションと
それができる元である、食べ物のことくらい。


彼が生まれる8ヶ月前に始めた石徹白洋品店は
子供が生まれてからも続けられる範囲で
続けようと思っていたから、
おんぶしながらたつけを縫ったり、
お店やギャラリーを整えたり
ぼちぼち続けてきた。

だから、自分のことは当然置き去りだったし、
石徹白洋品店を始めた時の志とか
コンセプトとか、方向性とか、未来図とか
改めて考える暇なんて全くない!
(始めた当初のまま・・・というのは
悪いことではないと思うけど・・・
更新できてなさすぎ。。。)

とにかく日々生きる、生き延びることが目標な毎日。

これに次男が加わり、三男が加わり、
日常はより荒れていった。

部屋が汚くても死なないから大丈夫、
くらいの心構えがないと
男児たちの子育ては無理・・・と開き直って、
生きていくためにご飯を作り、
食器を洗い、洗濯をして、
可能であれば掃除機をかけて、
あ、もう授乳時間!?なんて毎日を何年か過ごしてきた。

三男の授乳が終わって、
大好きなお酒が飲める〜と
毎晩のように疲れた体にアルコールを注入して、
それまでの鬱憤を晴らす日々。

お酒を飲むとニヤニヤ楽しくなって、
次にふわーっと眠たくなる私は、
子供たちと10時間以上眠る日も。
(とはいえ、三男は夜泣きが3ヶ月ほど前まで
ひどかったから、眠り続けることができるのも
ここ2ヶ月ほどの話・・・)

子供がいる前の生活を思うと、
ああ、私、心身ともに
ずいぶん疲れ果てて、
荒んでいたんだなあ、
頑張ってたなあ、と
授乳終了後の数ヶ月の毎日晩酌欲求の
異常な精神状態を思うと、
よしよしと褒めてあげたくなる。
(今は毎日飲まなくても、
ノンアルの石徹白の真水でも十分癒される)

そんなわけで、子育てライフ前に
いろいろと考えていたことは
何年も置き去りのまま、
ここまで来てしまっています。

そもそも、服づくりを始めようと思ったのは
暮らしに欠かせない「衣食住」の「衣」が
現在、手の届かないところで
背景の見えないところで
作られているので、それを取り戻していきたい、
と考えたから。

地域の中(あるいは「日本」と置き換えても)で
衣食住・エネルギー・福祉はある程度自給しないと、
地域の外にお金も人も出て行ってしまって、
持続的な暮らしが成り立たなくなる・・・という危機感が
あったから。
(すでに日本全体で考えても、成り立っていない・・・)

衣食住・エネルギー・福祉の、
エネルギーの部分は、
石徹白に来た当初から取り組み始め、
今や、石徹白内で小水力発電所ができ
石徹白のエネルギーはある程度自給され、
その管理のための雇用も生まれている。(すごいこと)

「住」は先発隊がたくさんいらっしゃって、
国産材・県産材利用の住宅建設や
うちの工房のように、古材と地域材ミックスでの
伝統工法による新築も不可能ではないことがわかった。
(町でやろうとするとかなりハードルが高いけど。)

「食」も、石徹白にはサユールいとしろさんという
自然栽培の方や、そもそも石徹白では
たくさんの人が自給的な農を当たり前のように
営んでいて、私も、その「石徹白的」な暮らしが
実践できるように、ぼちぼちと大豆を植えたりしている。

では「衣」は・・・
一番手近なようで、なかなかない・・・。

深堀すればするほど、
ファッション業界に突っ込んでいけばいくほど
いろんな取り組みがあるんだけれど、

石徹白という地域で伝えられてきた農作業着に
あまりにも素晴らしい日本の和裁の知恵が詰まっているから
それをまずは形にしていく・・・というのが
ここに住んでいる私のミッションになっています。
(そして、染めは、できるだけ近くにある植物から
色をいただくこと)


そして、もっともっと細かいことなんだけど、例えば、
コンポストを使った生活にしてゴミを削減するとか、
紙おむつは使わないとか(三男で断念)、
家の電気を小水力の独立電源にするとか、
遠距離の移動はできるだけ公共交通でして石油を使わないとか
100%薪ストーブにして灯油を使わないようにするとか・・・

実現しよう!と夫と話したりしていたことも
たくさんあるのに、なかなかできていないのが現実。

子供がいるのを理由にするんなら、
逆に、子供の将来を思って、やりたいはずのことなのに
日常のワチャワチャに思考がストップし
結果、惰性によるライフスタイルを続けてきた。

惰性で生き続けてはいけない!と
最近はちょっと思えるようになって、
それが直近7年にはなかった心持ちであり
私も少しは余裕が出てきて、
考える頭が復活してきたのかも・・と思うのです。
(それによってか、正月休みはひたすら掃除を
しよう!と思って、何年か分の自宅の掃除ができた!)

暮らしの中の小さなことたちの積み重ねが
大きな社会を構成していくに違いないから、
そういう些細な「志」も、
そして、石徹白洋品店をどうしていきたいか、
というちょっと大きな「志」も
両方とも、
改めて考えて行って、
一つ一つ形にしていきたいと思います。

こんなに長い間、真剣にそういうことを
頭の中心に置ける時間を取れなかったのは
これまでない!と思えるほど
子育て初期というのは、負荷がかかる時期・・・
(経験してみて初めてわかった。世の中のお母さんたちはすごい!)

でも、それによる学びはかけがえのないものだし
子供の存在によって、私自身も変わったという意味では
ありがたいことばかり。

子供のために、
この地域で、
私ができることを
小さくても積み重ねていくことを
大きな視野を持って、改めて始めたいと思います。
(子供のために、というのは、私のために、とイコールと
私には思える)

無理なく、楽しく、私らしくできることから、
まずは一つだけでも始めよう。

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