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起業前に日本縦断の旅をして思ったこと #47都道府県制覇

 株式会社カエカ代表 / スピーチライターの千葉佳織です。
先月ははじめて投稿したnoteを、多くの方に読んでいただきました。ありがとうございます。

 私、千葉佳織は、新卒でDeNAに入社し、小説投稿サイトの企画、新卒採用部人事を経て、2019年12月に株式会社カエカ(kaeka Inc.)を設立しました。会社の代表として現在は仲間とともにスピーチライティングやトレーニング事業を行なっています。

 今回は、2019年中に行った旅の記録です。私は前職の最終出社後、残った会社の有給を1ヶ月使って「日本縦断の旅」に出かけていました。北海道から鹿児島まで、あらゆる交通手段を使って1ヶ月弱で巡りました。このnoteでは、日本縦断の計画の立て方、日本の観光地紹介、47都道府県制覇してみて感じたこと(自分探しの旅が本当に実現するのか)など触れていきます。

要点のみ知りたい方や、千葉の声で内容が聞きたい方はこちらの音声noteを聞いてみてください!(制作:EARS)

なぜ日本縦断しようと思ったのか

 大学時代に全国各地のテレビ局のアナウンサー試験を受けていたため、ひとりで飛行機や新幹線に乗って日本のあちこちを訪れる生活をしていました。(詳細は前回のnoteに)
 現地で面接を受ける時は、その県の魅力について聞かれたり、カメラテストで県にまつわるフリートークをするため、はやめに現地に入ってひとりで観光地やご当地グルメなどに触れて話すネタをつくっていたんです。それをやっているうちにひとり観光にハマってしまいました。そのお陰もあり、行ったことがない都道府県は残り10県。将来やりたいことリストに「日本列島縦断・47都道府県制覇」と書いていたため、このタイミングがベストだ!と判断しました。 

 もうひとつあるとすると「日本全国にしっかり行き届くビジネスにするためには、自分の目で日本の現状を細部まで知りたい」と思ったからです。

日本縦断(47都道府県制覇)のマイルール

・その土地の駅に降り立ち、目的を持って行動する=「滞在した」
※電車やバスなどで通過する場合はカウントできない
・期間は2019年9月~10月の会社退職有給期間
・2019年8月時点で 37 / 47 都道府県に行ったことがあったため、47都道府県制覇することを目的として、行ったことのない10都道府県を中心に回る。

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日本縦断の準備の仕方

①予算を決める
 このあと起業することもあり正直あまりお金をかけたくない。しかし今しかできない……などと葛藤し、予算は「30万円」に設定しました。実際達成できたかどうかは後ほど。

②宿を決める
 私は「その日に宿泊場所を決める」という過酷なことはできないタイプなので、事前にすべての宿を予約して向かいました。じゃらんで検索して、3000~5000円の宿に絞って宿泊。1宿泊5~10分くらいのペースで決めていきました。目標予算内で収めるために、ビジネスホテルが7割、ゲストハウスが2割、カプセルホテルが1割の生活でした。

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簡易的なシートでお恥ずかしいのですが、こんな感じで管理しました。

 ②の「宿を決める」作業、かなり疲れます。順番に近い県をひとつひとつ訪れるのではなく「行ったことのない都道府県に行く」動きだったので、奈良→徳島、島根→佐賀など、何の交通手段で移動できるのかわからないものが出てきます。次の目的地に何で向かうことができるか調べ(バスはある?鈍行で行ける?新幹線?)その時間を加味して宿泊場所の調整をする、という(笑)根気よくやればなんとかなります!

今回行った都道府県紹介

 私が一眼レフで撮った写真とともに、とても簡単にやったことを紹介します。ひとつひとつエピソードを紹介すると読み疲れてしまうと思うので写真メインで!写真の選定も私の独断なので、魅力が伝わり切らなかったらごめんなさい。(カメラはCanon kissX9、初心者でも使い勝手が良いカメラです!)

01:利尻島(北海道)

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羽田→利尻【飛行機】
北海道の北に位置する利尻島。羽田から直行便が出ています。白い恋人のパッケージに描かれている山のモチーフとなった「利尻山」があります。「富士野園地」「夕日ヶ丘展望台」「オトタマリ沼」など自然が楽しめる観光地もたくさん。駅前で食べた4,500円のウニ丼が素晴らしく美味しかった。

02:礼文島(北海道)

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利尻→礼文【フェリー】
星観荘というユースホステル形式の民宿に二泊宿泊。宿泊者が半分以上がひとりで訪れていて、みんなで明日の観光先を決めたり、夕日や星や朝日を一緒に見て、忘れられない思い出になりました。礼文島はトレッキングコースが面白く、私は「桃岩コース(約4時間歩くコース)」を選択。山の登り降りは体力が必要でしたが、左右に海が広がり、珍しい花が咲いている光景を見ながら歩くことができて楽しかったです。ウニパスタも食べました。

03:稚内(北海道)

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礼文→稚内【フェリー】
「日本最北端の地」に降り立ちました。稚内駅からはバスで20分程度で到着します。その後続いて白い貝が散りばめられた道「白い道」に行こうとしたのですが、バスの本数が少なくて困り、観光客の夫婦の車に乗せてもらいました。稚内を観光する際は車を借りたほうが良いです。

04:弘前(青森)

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稚内→新千歳→青森【飛行機】
世界遺産「白神山地」へ。弘前駅からはバス直行便が出ており、移動時間はしっかりかかります(1時間くらいだったはず)。いくつか散策コースがあり、私は一番手軽な「ブナ散策コース」を選択。約45分、森の中を歩き回りました。ブナの木に生命力、葉で覆われた空に癒されました。

05:秋田(秋田)

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青森→秋田【電車】五能線
当初「乳頭温泉」に行こうと思っていたのですが、混浴が主であることを前日に知り、悲しむ。急遽行き先を変えて、秋田県立美術館へ。安藤忠雄の建築に、藤田嗣治の大壁画 「秋田の行事」が素晴らしかった。

06:石巻(宮城)

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秋田→仙台→石巻 【バス&電車】
石巻で期間限定で行われていたアートフェス「Reborn-Art Festival」に参加。この写真は草間彌生の作品。いちばん感動したのは横田セバスチャンの作品「ぽっかりあいた穴の秘密」。穴の底まで潜ると中がキラキラなんです。あの作品の中で見た光景は今でも鮮明に思い出せます。

07:裏磐梯(福島)

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仙台→裏磐梯(うらばんだい) 【電車】
諸橋近代美術館。本当に行って良かった!ダリ好きは絶対行ったほうが良い美術館。Wikipediaによると世界第4位の所蔵数、アジアで唯一のダリ常設美術館らしいです。ダリの作品が絵画も彫刻もたくさんあります。建築物も美しくて最高。

08:会津(福島)

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裏磐梯(うらばんだい)→会津 【電車】
国の重要文化財「会津さざえ堂」。二重構造のらせん階段、実際に歩いてみると当時の技術に驚かされます。会津は観光バスもルートがわかりやすく観光しやすい。時間あれば「大内宿」まで行きたかったのですが、車がないと立地的に厳しい。こちらも車観光をおすすめします。

09:水戸(茨城)

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会津→水戸 【電車】
ネモフィラで有名な「国営ひたち海浜公園」。夏から秋にかけてコキアが生い茂っています。この緑の状態から秋になると真っ赤になるらしい。ふわふわしていて可愛らしかった。

10:名古屋(愛知)

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東京→名古屋 【新幹線】
「あいちトリエンナーレ」メッセージ性のある芸術祭でした。東京にいるとメディアのざわつきしか感じられなかったけれど、実際に行ってみると違う景色が広がっています。行って大満足の芸術祭でした。

11:川原町(岐阜)

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愛知→川原町(岐阜) 【電車】
下呂温泉に行く時間の余裕がなかったため、女子旅で有名な「川原町」をぶらり旅。その日、和傘屋さんお休みだったのですが、日本縦断していることを伝えたら特別にお店を開けてくださいました。この和傘、美しいですよね。本当に雨をはじくようで、何十万という金額で取引されるらしい。

12:奈良(奈良)

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岐阜→奈良 【電車】
想像の5倍くらい鹿がいて驚いた。「東大寺」「奈良の大仏」実際に見ることができて良かった。そのあとの「奈良町のまち歩き」が楽しい!お洒落な雑貨がたくさんあって、ずっと歩いていても飽きませんでした。

13:鳴門(徳島)

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奈良→徳島(鳴門) 【電車で大阪まで出てバス】
大塚国際美術館。ここすごく面白いです!世界の名画が全てレプリカで作られて展示されています。徳島の会社・大塚グループが、陶板複製画の技術を使って美術館絵画を作成しています。実際にレプリカに触れることも、写真を撮ってSNSに投稿することもできる。好きな芸術家がまた新しく増えた機会でした。回るのに丸1日かかり、ディズニーランドに行ったような足の疲れを感じます。

14:鳥取(鳥取)

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徳島(鳴門)→兵庫→鳥取 【バス】
念願の「鳥取砂丘」。午前中は雨、午後から晴。どちらの天気も違う景色が見ることができます。こういう景色が好きなので、ひとりで体育座りをしながら約2時間くらいボケーっとしていました。「砂の美術館」もおすすめ。世界の砂彫刻アーティストが作品をつくっています。

15:出雲(島根)

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鳥取→島根(松江)→島根(出雲)
こちらは「稲佐の浜」。その後「出雲大社」でしっかりお願いごとをして周辺をぷらぷらしていました。雰囲気が洗練されていて、ご利益がありそうな空気感が漂っています。また島根で有名な「鯛めし」も食べたり「松江城」に行ったり、楽しめるところがたくさんありました。

16:武雄(佐賀)

出雲→福岡→佐賀 【電車】
有田焼の陶器を見に有田駅へ。台湾人のビジネスマンたちと途中仲良くなり一緒に観光しました。その後「武雄市美術館」へ移動。すごく綺麗な図書館があるんです。図書館内写真撮影禁止だったのでリンク貼ります!ここで旅の記録をつけていました。

17: 熊本(熊本)

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佐賀→熊本 【電車】
右を見ても、左を見ても、くまモンがいる。可愛い。こちらは「くまモンスクエア」のくまモンです。街並みがお洒落な熊本。古着、古本屋などのお店が並んでいて、ショッピングが楽しかった。馬刺しが美味しい。熊本城は復興にむけて工事頑張っていました。

18:知覧(鹿児島)

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熊本→鹿児島 【新幹線】
「知覧特攻平和会館」。高校生の頃、知覧の平和のスピーチコンテストに応募していたので、ずっと行きたかったところ。この日は雨が激しかったため、「桜島」に行ったもののずぶ濡れになって帰ってきました。帰りのフェリーで桜島のほうを見たら虹が出ていた。

そして鹿児島空港から羽田空港に向かい、日本縦断が終わりました。
合計22日間の旅、現地にいるお友達にたくさん会えた旅でもありました。会ってくれたみなさま、本当にありがとうございました。
これにより、過去の旅行や出張や就活も含め、47都道府県すべてを制覇することができました。

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日本縦断を終えて思う「日本という国」

①人口分布から思う「自分の暮らしている土地は当たり前ではない」感覚。

 東京の人口は1351万人です。人口が125万人以下の都道府県は15都道府県あります。東京の人口の10分の1の都道府県が日本全体の3分の1を占めているんですね。(2015年国勢調査)。実際に足を運んでみて現地の人から「仕事もないし若手がどんどん都市に行ってしまうんだ」という話を何度も聞き、鳥取でご飯食べながら調べました。

 もうひとつ別角度から見ると、日本の人口を3分割してみると
・3分の1は人口上位1~5位の県に(5都道府県)
・3分の1は人口上位6~16位の県に(11都道府県)
・3分の1は人口上位17位~47位の県に(31都道府県)
※綺麗に3分割できなかったのでアバウトな数字です。ご了承ください。

 これについてどう意見するかというよりも「同じ日本でも、育ってきた環境や土地の文化は一括りにできない」前提が必要であることを感じました。すごく当たり前のことですが「同じ日本でしょ!」と括って同じ政策や文化を浸透させたり、同じビジネスを行うことも肌感として機能しないんだろうと感じました。

②「ご当地キャラクター」が浸透している県は、勢いがある。

 例えば、熊本(くまモン)、島根(しまねっこ)、仙台(むすび丸)、奈良(しかまろ)などは観光地に多くいます。ポスター・人形・お土産用お菓子やキーホルダーなどで頻繁に彼らと目が合います。《完全に私の独断と偏見の意見です》が、ご当地キャラクターを浸透させられている県は「その方針を県や市がPRとして通せる(統一できる)環境にある」という点で、優れているのだろうと感じました。現に、行った先々はしっかり観光客も多く活性化しているように見えました。
 奈良県は奈良県キャラが「せんとくん」で、奈良市キャラが「しかまろくん」なんですね。お土産屋のベンチでこんな感じで座っていたので激戦区なのかと思って……。

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主役の座を争うキャラクターたち(妄想)

 一応キャラクターはいるものの、お土産屋のひとつの商品でしか見ることができない、浸透していない県もありました。
 とはいえ、キャラクターがないから活性化してない、というのは嘘になります。ただキャラクターの使い方がうまい県が観光に熱心な取り組みをしている事実は思います。
 その土地に訪れた時は、まずはじめにお土産屋を見ていました。どのくらい観光に力を入れているかどうか、よくわかりますよ。

③「田舎」のほうが政治の影響を感じ取りやすいのか。

 ある地域では、地元で伝統工芸をやっている人と1時間くらい雑談をしました。ある地域の居酒屋でご飯を食べている時、隣の4人組から政治への意見が聞こえてきます。交通の便が悪い、仕事がない、保育士の給料が低い、政権が……。こちらから話題を振っていないのに、話題が豊富に出てくる。
 たまたまそういう状況に遭遇しただけかもしれません。ただ、一般的に「田舎」と言われる場所こそ、政治の影響を感じ取りやすいのではないか?と感じました。「都市」は情報でごった返しており、関心も分散しています。
 もちろん都市には、多くの政治に詳しい方もたくさんいらっしゃいます。一方で、何でも揃いすぎる環境の中で、別の好きなものを見つけてそこに熱中し、政治には無関心と目を瞑ることもできる気がします。
 「田舎」と一般的に言われる場所のほうが、情報量が都市と比べて限られている点から、地域や周辺のことに関心を持つ大人は多いのではないかと感じました。

 これら①②③は《日本縦断をして見た景色をもとにしている、私個人の意見》《肌感覚をもとに書かれたもの》です。本当に事実そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。そのあたりはご理解いただいた上で、受け取っていただければと思います。

「自分探しの旅」はできるのか? 自己内省について

 「できる」か「できないか」の二択にすると、結論「できる」と思います。自己内省をするにあたり、旅先であるメリットがあるとすると「些細なことに気がつく」という点。例えば、

▼ゲストハウスにきた。私は自己紹介として何を語るのだろう。何を知ってもらいたいと思い、何を知られたくないと考えるのだろう。要するに「自分らしさ」「自分の履歴」とは何なのだろうとか。連絡先を交換しなくても、その場にいる人と仲良くなることの意味を人はどう考えているんだろう。
▼今街灯のない暗い道を歩いている。全く灯りがないので携帯のライトで先を照らしながら歩いている。怖い。どうして怖いという感情が芽生えるのだろう。それは過去の経験と、幼少期から「暗い道は危ない」と言われていたからだろう。しかし、結局30分間誰ともすれ違わなかった。「暗い道が危ない」という常識は、私の中で時間をかけてつくられてきたものなんだ。

 みたいなかんじです(笑)。こんなに些細なことは、普段、仕事に夢中だったら気づくことができないものだと思います。
 そういう気づきを毎日、旅中に書き記していました。
公にしたくないような個人的なことも含めて、人に見せないことが前提の日記を書きました。そうして最終日近く(熊本のコーヒー屋で)に、これらを見返し「どんなことに心を煩わせたり、思考する癖があるのか」パターン化していきました。

 そうすると主に5つの関心事があることがわかりました。これは、長期旅をして些細なことに気づきパターンを集めることができてはじめて、気づくことができた「自分の思考の癖」でした。普段頭を抱えていたり、人よりもこだわりが強いポイントや密かなコンプレックスも含め、自分のノートに言語化された時は、すっきりしました。

大自然が見えるところで本を読んだり、自分の思うことをつらつらと文字にして書いたりする時間はとても楽しかった。

 これは余談なのですが、22日間の旅中、一回だけZoomでMTGをしたのです。すると身体全身から訳分からないくらい熱が帯びてきて「あ、今頭動かしているんだ」となりました。それだけ仕事をしたり頭を使うということは、エネルギーを使っているんだ、と学びました。日常的に働いていると気がつけないけれど、働いている人みんな偉い。

日本縦断の内訳

金額 34万円
(交通費14万・宿泊代10万円・食費美術館入場券お土産など10万)

【日本縦断する時に気をつけること】
・絶対スニーカーを履いてください。サンダルで行って後悔しました。
・車が運転できない場合、バス移動が多いので小銭だけを入れた財布が必要です。
・予想以上に体力が必要です。体力と気力に覚悟をしてから臨んでください。

日本縦断できて良かったか

 できて本当に良かったです。自分で景色を確かめることができたこと、感動する物事に出会えたこと、自分の生まれ育った国を自分の足で努力して縦断した!という自信を纏うこともできます。どこかでいつか生きる場面がくるだろう、という感覚です。みなさまも機会があれば、ぜひやってみてください。

最後に

 今回は全く仕事に関係ない投稿でしたが、普段お仕事がだいすきでよく投稿しておりますので、これからもkaeka Inc.と千葉佳織をよろしくお願いいたします。今年の1,2月で、スピーチスクールとスピーチライブのリリースがあります。スピーチスクールは本気で話すことがうまくなりたい方に、スピーチライブは話すことが得意になりたい方はもちろん、音楽・舞台演劇・本・小説・映画などストーリーものが好きな方にぜひ届いてほしいです。千葉のnoteやSNSなどフォローいただければ幸いです。人前で話す技術が身につき、人が可能性やチャンスを掴める世界に向けて、2020年も前へ進んでいきます!

kaeka Inc. CEO 千葉 佳織



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