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西洋占星術オタクのレモネードスタンド

2024年7月29日のツイートまとめ。発端は、よそさまの「「事務職で働きたいけど何をしてるんですか?」「何が出来ると良いですか?」って聞かれる度に『同人誌を作って売れ』って回答してるんだけど、企画・制作・材質選定・発注・スケジュール管理・販売促進・販売管理・売上処理・原価計算・委託先管理・商品発送などの全てが経験出来るから」というツイートを見た当番(本業が経理系事務員)が「違ぇねぇ!!」と大笑いして以下のようなツイートをしたこと。

RP数伸びちゃったよ……なんでだよ……

同人誌作って売った経験者、かつ事務員経験者と思しき人たちからは「それな!」と、一部の方々からは「日本オタクのレモネードスタンドハードルが高すぎでは」と反応が来ましたわ。以下、まとめ。

「アメリカの小学生は夏休みにレモネードスタンドを開いて小商いとそれに必要な実務の基本を学ぶ」みたいなアレが日本だと「同人誌作って即売会に出て小商いとそれに必要な実務の基本を学ぶ」になる。同人誌作りは日本のオタクのレモネードスタンドだったのだ……

実際、いいと思うんだよ同人誌作ってイベント出るの、小商いのための色んな実務を小規模に経験できて。あとは「体を壊さないスケジューリング」と「納期を守る」を両立させ「儲けを出す」「全てを正しく記録し保管する」ができれば(そこができないんだよォ! って人がいることは当番も重々承知)。

同人誌出してイベント出ることはできても無茶苦茶なスケジューリングで原稿やってゴクドー入稿で採算度外視健康度外視という人がいるのは重々承知……そういうタイプもそれはそれである意味ワーカホリックの才能はあると思う……

RP数、当番比でちょっと伸びたな……当番のオタクレモネードスタンド(同人誌通販ページ)貼っておくね……

当番は西洋占星術オタクです。西洋占星術初心者用の自習テキストを売っています。「同人誌」って必ずしも「漫画の本」とは限らないんだぜ。技術同人誌も同人誌なのよ。

RP数が伸びて、妙な引用がつくようになったな。いくつかの反応にお返しすると

「まず原稿作るとこがいちばん大変やんか」→そうだね!そこに異論はないよ!

「まず画力が必要」→同人誌ってな、漫画や画集だけじゃないんだ。小説・テキスト系同人誌ってのもあるんだ。写真集とかもあるんよ。まあ文章力や撮影技術は要るよな!

「レモネードスタンドはチャリティ。ただの利己ではなく利他の精神」→それはレモネードスタンドが「小学生でもお金を稼げるスモールビジネス(小商い)」としてポピュラーだったところに近年「その売上はチャリティへ回す」がくっついてきた形。このツリーでは「実務を小さく経験する」の話をしている。

「二次創作は利益を出しちゃいかんから(以下略)」→二次創作は版権者が別に存在するから利益が出ないようにする、はまあ真だとして。「出す同人誌が『二次創作ではない』場合には『利益を出してはいかん』という縛りはない」のよ。「二次創作同人誌だけが同人誌」ではないんよ。元ツイートの人も当番も「同人誌作ってイベントに出ろ、事務の基本を体験できる」と言っているだけで「『二次創作の』同人誌を作れ」と限定してはおらんのよ。まあ、仮に二次創作の同人誌を作ってイベントに出た場合でも事務の基本は体験できる。なぜかというと「二次創作同人誌だから『利益を出さないように』する」ということは制作費と参加費と交通費(ひっくるめて経費)を計算して、売上予測を立てて「売上から経費を引いたら赤字になる」ように調整をかけるわけでしょう。二次創作ではない小商いであれば、そこのところを「引いたら黒字になり、それで生活する」が成立するように値付けを変える。「差し引き赤字になるような値付けで商う」という経験があるならば、それは「黒字になるような値付けで商う」という実務の下地になりうる、OK?

「違う違う、同人誌は性癖・妄想を披露(以下略)」→論外その1。「同人誌」ってな、二百色あんねん。「性癖(※誤用)や妄想を開陳する同人誌」しか買ったことがない/作ったことがない人はそりゃあいるだろうが、そんな狭い視野を他人のポストに引用でご披露いただかなくても結構ですことよ。

「同人誌になぞらえるのは盗んだレモネードを売っているようなもの」→はい論外その2。これも視野が狭い系。同人誌って二百色あんねん。版権二次創作ばかりが同人誌ではない。一次創作もあれば、そもそも創作ではない同人誌もある。また、たとえ版権二次創作同人誌であったとしても、同人誌と盗作は違う。

「『私費で制作していて、基本的には同好の士に読んでもらうことを想定している本』はみんな同人誌」だぜ…… 「同人誌と言ったら版権二次創作の薄い本のこと」も「同人誌と言ったら性癖や妄想をぶちまけた薄い本のこと」も「同人誌と言ったら薄い漫画本のこと」も「同人誌の一側面ではあるが、全てではない」んだぜ……

と、漫画ではなく、版権二次創作でもなく、また一次創作というわけでもない(物語ではない)「西洋占星術がテーマのテキスト系同人誌」を書いて売っている当番は思うのでした。レシピ本から旅行記、個人的研究をまとめた本まで「漫画ではない、版権ものではない、創作ではない同人誌」も多いんだぜ。

当番がアストロ同人誌で披露しているものは、強いて言うなら星癖かな。「西洋占星術の入口は『さんすう』、出口は『こくご』」「基礎をまず掴んで、そして象徴と日常の間にかけたハシゴを繰り返し昇り降りして言語化の力を養う」をテーマに書いているので。4ハウス5天体と蟹座土星の披露ならしている。

このツリーでは「売り物が同人誌であろうがレモネードであろうが『自分で売り物を作って自分で販促して自分で売る』という小商い(スモールビジネスと呼んでも同じこと)を通じて積む実務経験は事務員業務にも役立つ」って話をしているのだが。実は当番は逆ルート。事務員の実務経験を同人誌の制作および販売活動に使ってる。

同人誌を自分で作って自分で販促して自分で売る者をやっている当番の本業は経理事務員だ。「事務員としての業務」をやるときと同じようにスケジューリングをし、原稿を書き、自分で描けない表紙のイラストは描ける人へ有償で依頼し、印刷所へ発注している。帳簿つけて確定申告して納税もしている。

つまりどういうことかって言うと「あらゆる社会経験は業務の肥やし」であるし、また「あらゆる業務経験は同人活動の肥やし」でもあるっていうことよ。「経験したことを応用する」という話。どちらが先でもいいし、どちらが素地でもいい。たとえガワは違っても、売り物を作って(用意して)商い、業を営むという骨の部分は同じ。別々のことではないのよ、人の営みは互いに繋がっているのよ。

たとえ「『利益を出してはいけない』二次創作の同人誌を出す」という活動であり、自分のお財布的には入るお金より出ていくお金が多かったとしても、お金を払って印刷製本を依頼し、運送会社に配送してもらい、同人誌を渡して誰かのお財布からお金を受け取ったならばそれは経済活動。たとえそれが「趣味の同人活動」であり、自分にとっては「遊び」であったとしても、活動の端々で印刷所のような「それを仕事として行う会社」と繋がっている。

たとえ慈善活動やボランティアで「売上から経費を差し引いた残り→利益」は全額寄付になるとしても。「誰かがお財布から直接寄付する」ではなく「何かを渡してお金を得る(そして寄付する)」であればそれはやっぱり経済活動であり、商い(ビジネス)。売り物の制作にも仕入れにもお金を支払うわけなので、それも経済活動。自分の手元にお金が残るか残らないかではなく、「自分の手元にお金を残すために商いをしている人たち」とも繋がりながらお金とモノとサービスを動かしていく「仕事」であることに変わりはない。

なお、いわゆる「雇われ」の立場である事務員の業務以外に「個人事業主」を目指す人やソロ活占い師志望者にも「同人誌作ってイベント(またはそれに類する何か)で売る」は「実務を小さく経験してみる機会」としてよろしいのではないかと当番愚考いたします。特にソロ活占い師志望のひと。同人誌を作って売った経験があるなら、ソロ活占い師としてコンテンツを作り、占いイベントに名乗りをあげ、販促宣伝を行い、売っていくことだってできるようになるはず。

逆に既にソロ活占い師として活動しているひとも、ソロ活占い師としての業務を応用していけば同人誌を作ってイベントで売ることができるのでは……? ソロ活占い師だらけの同人誌即売会イベント、あったら楽しい。並んでいるのは端から端まで、みーんな占いの同人誌。漫画もあれば小説もある。占いの解説書もある。

えっ何、占いオンリー同人誌イベント? やだ楽しい(当番さん、そんなこと書き散らしてるとソロ活占い師だらけの同人誌即売会イベント当番さんが仕切れって言われちゃいますよ)(あらヤバい)


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