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手書きからパソコン執筆に変えたことで劇的に文字量が増えた時代を経て

書くことで生きていくと決心した日から、もうずいぶんと経ちます。
ありがたいことにいまも文筆業の末席におりますが、雑誌ライター時代はなんと手書き原稿でした。
あの頃、一念発起してパソコンでの執筆にトライしてなかったら……。
そう思うと結構ひやひやします笑
今日はそんな想い出。

●最初の頃は手書きだった

ライターになりたての頃、すでにパソコンが出版業界にも浸透しはじめていましたが、まだまだワープロや手書きで勤しむひとも多かった時代です。

当時のわたしは貧乏だったので、パソコンを買う余裕などなく。
ついでに明かしますと、あまりにも無謀ですが、初っぱなからフリーライターとして活動していたので、才能は微塵もなく、ただただ若さしか売りがありませんでした。
そのため、書かせてもらえる原稿は非常に少なく、ギャラも1か月で1000円程度です。

最初の1年近くは編集部が独自に出していた原稿用紙にシャーペンで手書き。編集さんはそれに赤鉛筆で修正を入れてくれるので、またべつの原稿用紙に書き直すわけです。

手書き派は、デザイナーさんにも多かった時代です。
印刷所自体、オールデジタル化するのはもう少しあと。

●「ライターとしてやっていくならパソコンが使えたほうがいい」

そう言ったのは、つき合いはじめたばかりの軍曹です。
互いにゲーム系ライターとして出会いましたが、彼のほうは業界にも深い造詣があり、才能も見込まれていました。デジタルにもめっぽう強い。

ちまちまと書いたり消したりしているわたしを見かねて、「今後も書いて仕事するために、早いうちにパソコンを覚えたほうがいい。キーボードにもマウス操作にも慣れて」と言い、一緒に住んでいた部屋にパソコンを持ち込み、特訓。

わたしはいろいろ軽率なのに、肝心なところで腰が重いところがあります笑
最近ではリノベもそうですが、未来に向けてなにかを仕掛けるということがほんとうにできなくて……。

ただ、ずっと書いていきたいとは思っていました。
雑誌の現場にもだんだんとデジタルの波が来ていたこともあり、慣れない手つきでキーボードを打っていました。
音楽はその頃すでにデータ化が始まっていたはず。
そもそもわたしがいたのはデジタルエンタメのゲーム業界です。パソコンが使えて当然なひとばかりそろっていました。

●ライターの末席から叫ぶ



フリーライターも、名前が通っていないうちはとにかくたくさん原稿を書くことが求められます。

質の高い記事を書かせるのはほかの才能豊かなライターに。
わたしみたいなのはちょっとした細かな記事。たまに誰かが飛んだときの穴埋め記事。それだって大事な仕事です。

「2時間以内に書いてほしい」「朝の入稿に間に合わせたい」、「いますぐここで書いてほしい」というような緊急クエに応えるためにも、どんどん書いてどんどん直せるデータでの原稿作成をあのとき学んでいなかったら、いま、noteも書けていなかったと思います。

数をこなすことでなんとか生き残ろう。
早め早めに返事しよう。
「やります!」というオープンな姿勢を維持しよう。
そのためにもデジタル環境を整え、どんどん使いこなせるようにしよう。

これがいまのわたしの基礎です。
できないこともあるけど、できることもある。
テキストデータ中心に使ってきたパソコンは、NECやSONYなどの国産PC、海外製もたくさん。

そのときどきで移り変わる事情もあるのですが、自分の首を絞めず、でも扉はいつでも開けておきます。
自分が息をしやすい環境で、誰かと繋がりたいなというのが最近の目標です。

パソコン、そしてスマホの台頭がなければ、物書きとしてのわたしは生き残れなかったと痛感します。
スマホはガジェットが好きな友人がドハマリしていることに影響を受けて買い求め、毎日Twitterで「わからん! なにもわからない!」と吠え、そのつど、たくさんの親切なデジタル先輩に助けてもらいました。他人様のご恩が染みる……。なにかの形でわたしも恩返しできればいいな。
その頃、個人サイトが流行していたこともあって、わたしも自分のパソコンでちまちまhtmlを打っていました。

●仕事のやり方は変わったけれど

オールデジタル化したことで仕事の環境は激変しました。
スマホも手放せません。
これを書いているのはsurface。普段はマウスコンピュータのデスクトップを愛用しています。

その反動でしょうか。近頃はアナログ手帳にはまり、いろんなノートにいろんなペンを使ってしょうもないことを書いてはシールを貼り、にこにこしています。

本も紙書籍は安心します。
いつでもどこでも買える電子書籍が台頭した点も、本好きとしてはいろいろ変わりました。

物理としての紙書籍をめくる興奮と、家にいながらにして最新刊が真夜中でも買える電子書籍の軽やかさは比べられない気がします。


最先端の技術に必死に追いつこうとしながら、どこかではこの手で直に生み出せるものも求めるのがおもしろいなと噛み締めています。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

また書きます!




#デジタルで変わったこと

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