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睡眠ぐせと、力を抜くことと、マインドフルネス

私はとても睡眠が下手で、この暑い夏は特に眠りが浅くてつらい。
睡眠リズムが48時間サイクルなのか、眠れる日と眠れない日がほぼ1日おきにやってくる。
今月特にひどかった日は、とうとうまんじりともしないまま、明け方の空を見てしまった。きれいだった。

副交感神経の底上げ

どうしてこんなに眠れないんだろうと、あちこちに相談している。
みんないろいろな眠れる対策の提案をしてくれるけれど、そのほとんどは私が試して効果がなかったものばかりだ。アドバイスしてくれる気持ちはありがたいけれど、いちいち「それはやってみたけどダメだった」と言うことになるので、なんだか申し訳なくて相談するのも億劫になってしまう。

ただ一人だけ、「なるほど!」という提案をしてくれたのは親友だった。さすがによく私のことを知っている。さらに彼女は本業のほかに、ヨガとピラティスの指導者でもあるのだ。アーユルヴェーダも学び、体と心のことをよく知っている。
彼女が言ったのは、「交感神経を抑えるという方向ではなくて、副交感神経の底上げをしたらいいと思う」だった。
副交感神経の底上げ! いったいどうやって!というところも、いろいろ提案してくれた。
たぶん、運動不足は大きく影響している。体を動かすことは一見交感神経を刺激する感じだけれど、実はそのあとに副交感神経が優位になる時間を連れてくる。
余計なことを考えず、運動している体の動きに集中する。けがをしないように、よりよく動くために。マインドフルネスなんだろうと思う。

対峙する相手を倒すには、力を抜いて自分の内側に集中する

この1年ほど古武術の稽古に月2回通っている。古武術というのは体の使い方を学ぶことだ。意識をどこにもっていくかによって、外側から見た体の動き方は同じでも、内面で起こっていることは全く違う。
対峙する相手を物理的に押すなどして動かそうとするときに、古武術では相手との接触点には力を入れない。むしろ力を抜く。力を抜いて、自分の手をただの棒だと思い、その棒に体重をかけると相手は簡単に動く。逆に、接触点に力が入ったとたんに相手は身構えてどっしり動かなくなる。
というような稽古をしている。

相手に自分の力を感じさせないでふわりと相手を動かすというのはとても難しい。けれどコツを覚えると少しずつできるようになる。そして、これは実は人との心の関係性にも応用ができる。

余計なことを考えないで、相手とフラットに対峙する。
もしかしたら、こう言われるんじゃないかとか、自分がとった行動について不快に思われるじゃないかとか、起こってもないことを想像して、行動できないことが多分にある。
自分の体の内側で起こっている筋肉の動き方、皮膚の感覚に集中するのと同じように、自分の心の内側に沸き起こる感情に素直に集中していればいいはずなんだ。
そうしたら、発言も発信もスムーズになるんじゃないか。

原稿がうまく進まないときは、たいてい余計なことで頭がいっぱいになっている。
どうせつまらない原稿だと思われるだろう
私はこんなに書けないけれど、きっと同業のあの人ならサラサラと書くんだろう
あるいは、
こんなことを書いて誰かを傷つけたり怒らせたりするんじゃないか
とか。
書きたいこととまったく関係ないことが頭を占拠する。
そうじゃないだろう。そういう余計な力を抜いて、自分が書くべきことに集中すればいいんだ。

余計なことを考えない、余計な力を抜く。平常心というか、静かで平らかな心でいること。
これがもしかして、副交感神経の底上げになるんじゃないのか。
そして、余計なことを考えないでアウトプットしていくことも、副交感神経が上がってくることにつながるんじゃないか。
と、考えた夏空の日の夜。


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