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イケイケ・キラキラ男子達がアルゼンチンへやってきた! ~その④~

白いタイル張りの現代っぽいお洒落な内装に、上の方の窓はステンドグラスの色合いが美しく、週末の午後の明るい店内には、アルゼンチン人の明るい笑顔と話し声が溢れていた。

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アルゼンチンは移民の国だ。
その中でも、スペイン系・イタリア系がほぼ半々を占める。
お洒落な内装や色遣いは、ヨーロッパから脈々と受け継がれた血の成せる、彼等のお得意技なのだ。

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このランチミーティングが、イケイケ・キラキラ東京男子達全員との顔合わせである。
遅れてやってきた二人、カメラマンRy君は、終始キラキラしたお目めで少年のようである。最年少のK君はだからこそなのか、端々にツッパっている感が見え隠れする。

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普段、私に現地ガイドを頼む人は勿論、「スペイン語と治安が心配」という理由に尽きる。同じ感覚で心配して、あれこれと世話を焼いていたトコロ、「あれ?この子達、違うんだな。」と気づかされたのである。

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気づかせたのはまず、NYに暮らしていたという有名人枠のRnさん。
落ち着いた物腰と、知的でセンス溢れる感じは、どうしても京の高貴なお公家に見えてしまう。そして、地に足ついた感じで脇を固めるMさんはさながら武田信玄。お調子者でいながら只者ではない感じのRy君は豊臣秀吉。常に細部まで目を光らせるK君は明智光秀だな…、なんて考えながら、男性という生き物は、その空間で誰がライオンなのかを本能的に見極めると何かの本で読んだのを思い出す。

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私が皆のオーダーを聞いて、ウェイターに注文し、誰かが私に通訳を頼んだところで(メニューもスペイン語だし、それが私の仕事なのだから何の問題もない訳だけれど)、Rn さんがポツリと呟いた。
「自分でオーダーくらいできるようにならないとね。」

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そこで、私は気づいたのだ。最年少のK君がどうしてツッパてる感じに見えるのかも。
「あぁ、私はこの子達(失礼!)を子ども扱いしてしまって、嫌な思いをさせていたのかもな。」と。

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男の子はいつだって、「自分でできる」様になりたいし、それが「カッコイイ」のだ。
それなのに右も左も分からない、しかも危ない危ないと脅される国だと、その土地の事情が分かる人に任せきってしまうのが「普通」だし、しかもそういった諸々の問題を避けるための現地ガイドがいるなら尚更だろう。

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なんだ、そんなコト。大袈裟な。と、思われるかもしれない。
でも、到着したばかりの地球の反対側で、甘えられる環境にあっての「自分でできるようになりたい」という男の子の反発心(という言葉が適当かは分からないけれど)は、私に軽い驚きをもたらしたのだ。
そんな私の隣でRnさんは、楽しそうに渋くて素敵なウェイターのおじちゃんにオーダーを済ませていた。

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写真提供:Ryo Ogawa


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