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サクラメント・コロニアにて from Buenos Aires

新しい風景を見るのが好きだ。
知らない文化に驚かされるコトが好きだ。
知らない人に会うのはあまり好きではない(人見知りなので)が、最終的に感動させられる出会いは大好きだ。

根っからの飽き性なのだと思う。
既にブエノスアイレスにも飽き始めて?いる(かもしれない)。
同じ路線のバスよりも、新しい街並みを見せてくれる路線に乗るのが好き。
(その点で、ブエノスのバスの路線にはキリがないのでありがたい。)
でも、気を付けないといけないのは、乗っているだけで、街並みを見ているだけで疲れ果ててしまうような風景もたくさんあるのがこの街の現実。
風景の楽しめない地下鉄はあまり使わないけれど、たまに乗ると必ず楽器を演奏してる人がいたり、コメディを始める人がいたり、レベルもピンキリだけど、何かしら楽しませてくれるのが嬉しい。

そんなブエノスアイレスを離れて、久しぶりにウルグアイに行ってきた。
今回のバケーションの最初の二日はこのプチ旅行で、一番バケーション感?があったように思う。

可愛らしい丸い大きな窓があったのと、カラフルな色使い、ニコちゃんのクッションの写真が決めてになって選んだ宿泊先は、本当にとっても可愛らしくて、色使いとセンスの良さ、空間の使い方の上手さに何度もうならされた。

日本のアルゼンチン人のボスの家で覚えたハンモックの上り方を注意深く繰り返し(なんといっても私の身体能力のなさと言ったら…)、青空や、優しい香りを運んでくれる壁のウルグアイ・ジャスミンが目に入るようになると、人懐こい宿の看板犬のシロが飛んでくる。
横を向けば、たくさんの小鳥たちがゴハンを食べにやってきていて、運がいいとハチドリを目にすることもできる。

友達は共通の趣味である読書をしたり、文章を書いたりしている。
彼が文章を書いている時の表情が好きだ。
誰もが、自分が一番好きなコトに熱中している時が一番素敵なんだと思う。

ブエノスアイレスの対岸にあるコロニアの街は、ポルトガル植民地時代の建物や石畳が残っている歴史地区が本当に美しい。
最近、自分がリスボンに住んでいたことをすっかり思い出せなくなっているのだけど、淡いパステルカラーの古めかしい建物だったり、ポルトガルの北の街を思い出させる石造りの家を懐かしく感じるのが少し嬉しかったり。

コロニアは主要な名所は歩いて回れる小さな町だし、この町の人達は皆おだやかで優しいので本当にこちらまで心穏やかになる。
今回のバケーションで出逢った一番嬉しくて衝撃的だった人は、宿の主人の伯父さんに当たる人。大きな笑顔と声で「君は何人だい?エキゾチックで美しくて、どこの国の人だろう?とびっくりしてたんだよ!」とくる。
「えーと…。に、日本人ですけど…。」と、多少ひるんでしまうくらいの勢いだったのだけど、その笑顔とキラキラした目にはなぜか怪しいところがなかった。

色々、話をしていると(実際のところ、私達が割り込む隙がないくらい、彼のおしゃべりは止まらなかったのだけど。)

私達は本当に仲良しだ。
一緒にいると離れられなくなるので、仕事の予定をちゃんと調整するか、仕事ができるようにパソコンを持って出かけないと痛い目にあう。
「友達」というと怒るくせに「彼氏」とは呼ばせないし、私も呼ばない。
その辺りが昔は全く理解できなかったけど、勿論、お互いの今までと今の気持ちもあるのだろうけど、特に昔のように「なんで?」と無意味に悩んだりはしない。

「Kaori がいつか居なくなるのは分かってる。」
そう言って悲しそうな顔をする彼に、とても複雑な悲しい気持ちになってしまったものの、「そんなこと言わないで、ずっとあなたの側にいるよ。」とは、もう言えない。
だって私には前科があるのだ。
帰って来ると約束して帰らなかった前科。
飽き性だし、すぐに考えが変わってしまうので、人生の将来の約束なんて私自身にもできない。

(書きかけた1月の文章を見つけたので、ここに。)

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