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子どもに教える性教育の方法、知っていますか?

みなさんは子どもの頃、両親や学校の先生からきちんと性教育を受けましたか?

私が学校の先生から受けた性教育は、小学校4年生の頃に女子だけ教室に集めて生理について説明を受けました。説明の後、教室の外で待っていた男子には「生理の話を聞いたんやろ?」とニヤニヤした顔で話しかけられ、恥ずかしさを感じた記憶があります。
中学校、高校では、受精のしくみや避妊方法について説明は受けましたが、教科書の内容を読む程度で、中身は薄いものでした。
両親からは、生理の時の対応しか教えてもらいませんでした。

そう、日本の性教育は世界の中でもかなり遅れており、私たちは十分な性教育を受けてきていないのです。
そんな私たちが、子どもにどうやって性教育をしたらいいのか悩むのは当然です。

今回は、子どもに伝える性教育に関して、おすすめの書籍を紹介します。

1.おすすめの書籍

私がおすすめする書籍は『おうち性教育はじめます』(フクチマミ/村瀬幸浩)です。

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2.書籍のおすすめポイント

私がおすすめするこの書籍のポイントは3つあります。

1.防犯(子どもの幸せを守る)
2.からだのしくみ
3.命の伝え方

まさに、パパ・ママが知りたい内容が凝縮されているのです。
それぞれのポイントについてお話していきます。

2-1)防犯(子どもの幸せを守る)

性犯罪は後を絶ちません。
自分の体は自分で守るしかないのです。

では、具体的にどうしたらいいのか?
「プライベートパーツを勝手に触らせない」ことを教えます。

プライベートパーツとは、口・胸・性器・おしりのことを言います。
(その人のいのちに直接関わる場所のこと)

3歳くらいになると、お風呂で自分の体を洗い始めるようになるので、そのタイミングでプライベートパーツも子ども自身で洗うようにします。
親であっても触らないようにします。
プライベートパーツはあなただけのもの。だから大切に扱わないといけない」ということを教えます。

2-2)からだのしくみ

思春期になると、男の子は精通(初めての射精)、女の子は月経(初めての月経)がきます。
その時、どんな風に対応したらよいか?戸惑いますよね。
やがて来る思春期への心構えとして、パパ・ママが、男女それぞれのからだのしくみを知っておくことが必要です。

ポイントは、男の子は男の子の体、女の子は女の子の体、のことを知るのではなく、男の子も女の子も両方の体のしくみを知ることが大切です。

例えば、「生理痛は辛いらしい」という情報は、パパも聞いたことがあると思いますが、なぜ辛いのか知っていますか?
男性も女性も、女性のからだのしくみ(月経のしくみ)を知ると、女性は自分の体や心の状態を「言葉」で伝えられるし、男性にも「知識」があってそれを受け止められたなら、とてもあたたかな関係が築けるのです。

まずは、子どもの性別のからだのしくみを伝え(男の子なら男のからだのしくみ)、次に異なる性の体のしくみ(男の子なら女のからだのしくみ)を伝えていくことで、成長と共に自分自身だけでなく相手のことも大切にすることができるようになっていくのです。

2-3)命の伝え方

「ぼく(わたし)ってどこからうまれてきたの?」と子どもから聞かれたことはありませんか?
「ママのおなかのなかからやってきたんだよ」と答えているパパ・ママ、ぜひこの本を読んでください。

こういう質問が来た時には、子どもに命の誕生を伝える絶好のチャンスなのです。

妊娠するしくみについて、ざっくり「精子と卵子が出会うと受精する」という内容でしか日本では教えられていません。では、受精するにはどうしたらいいのか(SEX)については自己学習になります。
その学習材料になるのが、アダルトビデオです。そういったポルノ動画は男性の興奮をかきたてる目的で作られているので、支配や暴力に従わせるような表現が多いようです。つまり、現実とフィクションを区別できる大人のためのものであり、子ども向けではありません。

SEXは何の目的で行うのか(愛する人との赤ちゃんが欲しい時)、愛情表現の最高峰がSEXではないこと(寄り添う、ハグやキスなど)を伝えましょう。
どうしてもお互いに性の欲望を満たしたい(SEXをしたい)と思ったら、望まない妊娠をしないために避妊をする必要がある、というところまで伝えていきたいです。

SEXについて、パパ・ママから伝えることは恥ずかしいし、そもそもどういう内容を伝えればいいのか分からないですよね。
具体的にどう伝えればいいのか?この本を読んで、ぜひ子どもに話す練習をしてみてください。

3.まとめ

私は、助産師として「望まない妊娠」をいくつも見てきました。
望まない妊娠は、きちんと性教育を受けていないということが大きな原因の一つだと思います。
この問題について、どう向き合っていけばいいのかは私の一生の課題です。
そして、我が子に、どんな風に性についてお話していけばいいのか考えていた時に出会ったのがこの本です。
子育て中のパパ・ママ全員に配布したいくらい、素晴らしい本です。
我が子を守ることから始めたことが、周りの子どもたちも守ることにつながる、そんな思いやりにあふれる社会になっていくことを願い、この本を推薦したいと思います。

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