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【相談室】授乳が上手くできません、断乳したいです

こんにちは、
助産師のかおりです。

今回は、
ママからいただいたご相談に
お答えしていきたいと思います。

【相談内容】
産後3週間。
赤ちゃんが上手く
おっぱいを飲むことができず、
授乳しようとすると大泣きします。
赤ちゃんの泣く姿を見ると
かわいそうになります。
赤ちゃんが嫌がるなら
断乳しようと考えています。

授乳が上手くいかず、
赤ちゃんにおっぱいを近づけると
泣いて吸ってくれないとのことです。

1.ママはよく頑張っている

まずはママ、
ここまで本当に
よく頑張ってきましたね。

心が折れそうになりながらも、
それでも赤ちゃんに母乳を飲ませて
育てていかなきゃいけないという思いで
一生懸命に向き合っていたのですね。

ママの労をねぎらいたいです。

2.ママの思いに寄り添う

初めて授乳をした時、
感動した経験のあるママも
いらっしゃるのではないでしょうか。

赤ちゃんが一生懸命に
おっぱいを飲む姿、
とても愛おしく感じたことと思います。

そして、
1日何回も授乳することで
ママと赤ちゃんはどんどん
授乳が上手になっていくのです。

しかし、
いろんな状況で
授乳が上手にできない場合があります。

誰に原因があるわけでもありません。
いろんな因子が影響し合って
上手にできない場合があるのです。

そこに手を差し伸べるのが
私たち助産師の存在です。

3.授乳が上手にできない原因は?

では、
「赤ちゃんが泣く原因は何か?」
ここを深堀して考えていきましょう。

出生後は
おっぱいを飲んでいた赤ちゃんが
生後2週目頃から
だんだん飲まなくなっていったようです。

おっぱい飲んでミルクを飲む…
これを3時間おきにしていたのですが、
だんだんおっぱいを差し出しても泣いて飲まず
ミルクのみ飲むようになっていったのです。

この状況は、
もしかすると、
哺乳瓶に慣れてしまっていることが
考えられるかもしれません。

例えば、
あなたは目の前に
階段とエスカレーターがあったら
どちらを選びますか?

ほとんどの人が
エスカレーターを選ぶと思います。
なぜならラクだからですよね。

これと同じように考えてみましょう。

哺乳瓶は
赤ちゃんが飲みやすいように
作られています。
赤ちゃんが吸えば
ミルクが出てくるように作られています。

母乳は
赤ちゃんが吸えばいつでも
出てくるわけではありません。
母乳には、
陣痛のような波があり、
その波に合わせて飲むことが
必要になるのです。

つまり、
哺乳瓶と授乳とでは、
飲み方が全く異なるのです。

では、本題に戻りましょう。
赤ちゃんはマイペースに飲める方を
選んでいるのかなと思います。

赤ちゃんは
まだまだ未熟だと思われていますが
実はものすごく賢いのです。

もう一つ、
今回のケースで考えられることは
ママの気持ちです。

おっぱいを飲んでくれないことに対して
焦る気持ちや不安な気持ちを
たくさん抱えていらっしゃることでしょう。

そんな思いが
赤ちゃんに伝わり
プレッシャーを感じているのかもしれません。

赤ちゃんは
全身に敏感センサーを持っています。
大好きなママのことを
敏感センサーっでいつも感じ取っているのです。

4.ママに伝えたいこと

赤ちゃんを泣かせてしまうことが
一番ママにとっては辛いことですよね。

赤ちゃんが泣くことはしたくない…

その思いが
ママを断乳する方向に向かわせています。

「本当に断乳したいと思っている?」

ママは涙を流してこう言いました。
「それが赤ちゃんにとっていいなら…」

断乳することは簡単かもしれません。
しかし、
断乳をすると
母乳が作られる機能は消退していきます。

ママはこうも言っていました。
「おっぱいを飲んでいた頃を
なつかしく思い出すことがある」

私はこう伝えました。
「断乳は今じゃなくてもいいんじゃない?
ママが本当に断乳したい!と思う時まで
待ってみてもいいんじゃないかな。」

では、
どうやって授乳を続けていくのか?

それは、
ママが苦痛に感じない授乳をするのです。
赤ちゃんが癒される授乳をするのです。

どういうことかと言うと、
母乳を飲ませよう!
という目的の授乳ではなく、
スキンシップの授乳をするのです。

赤ちゃんがミルクを飲み始めて
まどろんできた時、
授乳前の寝ぼけている時、
そっとおっぱいを飲ませてみるのです。

この方法は、
ママもリラックスして
授乳することができるので
赤ちゃんにプレッシャーが
かからないのです。

そうすると
赤ちゃんがおっぱいを
飲んでくれることがあるのです。

そんな奇跡を
私はこれまでいくつも見てきました。

授乳を辛い経験で終わるのではなく、
幸せだったと思える経験で終わらせたい…

1週間後に
相談をいただいたママと
またお話をする予定です。

ママの笑顔が見られるといいな…

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