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陣痛の波をうまく乗り越えるコツ! パート1(出産編)

出産予定日が近づくにつれて、「陣痛」のことばかり考えて不安になる妊婦さんは多いのではないでしょうか。特に初産婦さんは未体験の陣痛にイメージが湧かず、先輩ママさんの体験談を聞いて恐怖さえ感じているかもしれません。大丈夫です!陣痛のことを知れば、不安も和らぎ、落ち着いて出産に臨むことができますよ。

1.陣痛とは

赤ちゃんが10か月生活してきた子宮というお部屋から外に出るには、外へ押し出す力が必要です。しかも外につながる道は狭く、大きな力が必要になります。その力が「陣痛」です。
大きな力で赤ちゃんが外に出るのをサポートするため、子宮が収縮する(お腹が張る)ときに痛みを伴います。最初は下腹部の辺りに痛みを感じますが、だんだん腰の方に痛みを感じ、最後は肛門の辺りに痛みを感じます(赤ちゃんが子宮の出口に向かって下がってくるため痛みの部位も変化していきます)。
「寝ている時に陣痛が始まっても気付きますか?」という質問をいただきますが、約3000gの赤ちゃんを押し出す大きな力です!必ず分かります!

2.陣痛が始まったら

陣痛には波があります。痛みが始まってから一旦おさまり、次の痛みが始まるまでの間隔が10分になった時間から陣痛のスタートとします。
初産婦さんの場合、この10分間隔で陣痛がスタートしたら産院に連絡します。陣痛がスタートしてから出産までの時間は15~16時間と言われていますが個人差は大きいです。時間だけ聞くと「長い」「耐えられるかな」と不安になるだけなので、時間だけに意識をおかないでくださいね。
経産婦さんの場合、陣痛の間隔は不規則であるがいつもより多くお腹の張りに伴って痛みがある、腰が重だるい、おしるし(出血)があるなど、いつもと違う様子であれば一度産院に連絡しましょう。なぜなら、経産婦さんは初産婦さんの分娩所要時間の半分以下になるといわれているので10分間隔になってから産院へ連絡するのでは間に合わない場合もあるためです。

※切迫早産の方、前回の出産がスピーディだった方はより早めの産院への連絡が必要となります。連絡するタイミングについて産院とよく相談しておいてください。

3.陣痛を乗り越えるコツ

陣痛は波があるということはお話しました。サーフィンをイメージしてください。いい波が来るまでまち、波が来たら体勢など上手くコントロールしながら波に乗ろうとします。そんな感じで陣痛の波に上手く乗るのです。コツは5つです!

1.波が来たら深呼吸
2.波のピークが来たら「痛くない」と自分に言い聞かせる
3.赤ちゃんに「大丈夫」と言い聞かせる
4.息を吐くことだけ考える
5.波のピークが過ぎたらリラックスする

3-1)波が来たら深呼吸

陣痛の波が来たら、慌てず深呼吸をしましょう。自分自身を落ち着かせ波に乗る準備をします。ゆっくりゆっくり深呼吸です。

3-2)波のピークが来たら「痛くない」と自分に言い聞かせる

陣痛の波がピークにくると痛みを強く感じます。そこで「痛い」と声を出すと、余計に痛みを体に思い込ませてしまいます。プラセボ効果と同じです。効果のないお薬を内服しているのに体調がよくなるというものですが、人は思い込みで左右されるところがあります。蚊に刺された時、しばらくすると痒みはおさまりますが、後で蚊に刺されたことを思い出すと再び痒く感じ掻いてしまうことってないですか。蚊に刺される=痒いという思い込みがあるからです。
陣痛=痛いと思い込むと怖さを引き寄せてしまうので、「痛くない」と自分に思い込ませるのです。

3-3)赤ちゃんに「大丈夫」と言い聞かせる

陣痛はいつ始まるか分かりません。どうやったら始まるのか解明されていませんが、赤ちゃんが陣痛を起こすとも言われています。
赤ちゃんはお母さんの絶対的な見方です。10か月間お母さんと一心同体の生活をしてきたので、お母さんの考えていることは赤ちゃんも分かっています。
もしも、お母さんが「陣痛は痛いからいやだ」と思っていたとしたら、それは赤ちゃんにも伝わります。お母さんの嫌がることを赤ちゃんはしたくないので陣痛を起こさなかったり弱くしたりしてお母さんを守ろうとします。そうすると、約3000gの赤ちゃんを押し出す大きな力が起こらないので赤ちゃんは子宮の外に出ることができません。
「お母さんは大丈夫よ」と赤ちゃんに言い聞かせると、赤ちゃんは子宮の外に出る準備をして大きな力を起こして頑張ります。
特に陣痛の波がきたら「大丈夫!」と赤ちゃんに言い聞かせたり、声に出さなくても頭の中で自分に言い聞かせましょう。

3-4)息を吐くことだけ考える

痛い時、人は勝手に息を吸います。吸い過ぎて過呼吸になる場合があるので、「吐く~」「吐く~」と吐くことだけ考えましょう。吸うことは体が勝手にやってくれますから大丈夫です。

3-5)波のピークが過ぎたらリラックスする

陣痛の波のピークが過ぎたら、肩から少しずつ力を抜いていきましょう。
陣痛の波が来ると全身に力が入りがちですが、ずっと力が入っていると陣痛の波がしっかりとおさまらず痛みが残ったままになります。そして、筋肉でできている子宮はずっと運動し続けると疲弊し、大きな力を生み出すことができません。波から一旦離れ、リラックスすると次の陣痛に備えられます。サーフィンもずっと波に乗り続けていたら体力が持たないですよね。

「力を抜く」という行動は簡単なようで実は難しいので、普段から力を抜く練習をすることをおすすめします。具体的には、「今から力を抜こう」と日常生活の中でふと思いついたときに力を抜いてみます。「毎晩布団の中で力を抜く練習をしてから寝る」というように日課の中に組み入れてもいいでしょう。

4.まとめ

上記方法は私が2回経験した出産で実践し有効だった方法です。助産師としてお産のお手伝いをする時にも実践しています。
何事もコツを知っていれば不安も減り、前向きに取り組むことができますよね。陣痛は痛いという情報収集をするのではなく、痛みをどうやって乗り越えればいいのか、そのコツを予習することが安心して出産に臨める方法なのではないでしょうか。

ぜひ、コツを覚えて出産に臨みましょう。

1.波が来たら深呼吸
2.波のピークが来たら「痛くない」と自分に言い聞かせる
3.赤ちゃんに「大丈夫」と言い聞かせる
4.息を吐くことだけ考える
5.陣痛の波のピークが過ぎたらリラックスする

さらに、痛みを和らげる方法は他にもあります。近日中にパート2を掲載しますので、ぜひ続けて読んでみてください。

そして、出産はお母さん一人で迎えるものではありません。お父さんと一緒に二人の赤ちゃんを迎える大イベントです。「何をしたらいいのかわからない」というお父さん!パート2では、出産時にお父さんが役に立つ方法をお話しますね。

また、無事に出産というイベント開催日がやってきて元気な赤ちゃんを迎えるためには妊娠中の体づくりはとても大切です。そのこともまたお話していこうと思っています。

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