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資金調達PRで事業広報に振り切って問い合わせが15倍になった話

はじめまして。リモートHQで広報PRを担当する村田です。
リモートHQはちょうど3月18日に創業1年を迎えたスタートアップです。

私は創業メンバーとしてジョインし、SalesとPRを兼務しています。
先日初の資金調達を発表しました。

本題に入る前に今回の調達リリースに至るまでの経緯を列挙します。

・2021年3月、株式会社HQ創業
・2021年11月、サービスローンチ リモートワーク環境整備プラットフォーム「リモートHQ」提供開始
・2021年12月、利用ユーザー200名突破
・2022年3月、利用ユーザーが5倍(1000名)に成長
・2022年4月、Coral Capitalさんから約2億円を調達。資金調達PRにて問い合わせ数が15倍に(有望リード数でいえば数十倍に)!

問合せ推移

私自身、HQではじめて広報を行っており、初の外部資金調達。

情報収集からスタートしたのですが、シードやプレシリーズAの企業様の情報や事業広報に振り切っている例は少なく、「本当に成果につながるのか?」という疑問が常にあり、実は不安で仕方なかったです。当日は朝3時に起きてしまったほどです。笑

今は、「資金調達PRは事業成長に繋がるからやった方が絶対にいい!」と断言できます。私も色々な方々にアドバイスいただいたので、これから資金調達の発表を予定しているスタートアップの方の参考にもなれば嬉しいです。(とても長いです。。。)

今回のnoteのポイント

・資金調達PRの目的を明確にすることから始めた
・採用は順調なことから、思い切って「事業広報」に振り切った
・明確なPR戦略に基づき、選択と集中の取り組みで、想定通りの効果が得られた
・SalesもPRも私1人しかいない限られたリソースの中でやりきれた

資金調達PRの目的、ターゲット、メッセージ

最初に議論したことはこの3つです。

資金調達PRの目的

資金調達PRの情報収集していると採用広報に振り切っているスタートアップが多い印象でしたが、私たちは

 『事業広報に振り切る』と決めました。

もちろんHQでも採用は重視していますが、リファラル採用が非常に順調であったことや、以下の2点に注力するほうが戦略的に重要であると判断し、思い切って振り切ることにしました。

  • 信用力の獲得

今後の事業拡大に向けて、「信用力」に大きな課題感がありました。

リモートHQは初期から大企業にもサービスを提供しており、どうしても創業1年の会社では信用力が足りない。

実際に商談で
「我々の会社は1,000名だから、リモートワーク環境1,000名分の什器を購入することになる。お金大丈夫?」
「資金調達はされているんですか?予定はありますか?」
「代表の坂本さんと村田さん2人の会社なの?」

などと聞かれることも多かったです。

私たちの提供するリモートHQ(リモートワーク環境整備プラットフォーム)は類似サービスが全くない新しいカテゴリでもあり、信用力の重要性は非常に高いと判断しました。

  • 潜在顧客層の認知獲得だけでなく、直接的な問い合わせにもつなげたい

リモートHQを知ってもらうのはもちろんですが、事業広報に振り切るなら直接的なお問合せ、さらには成約にまでつなげたいと思いました。

実際にKPIで問合せ数10倍、成約数20倍という非常に高い目標設定も行いました。笑

結論、まだリリースから1週間なのですが、問合せ目標は大幅達成、既に成約にも至っています!

Who(ターゲットは誰か)

メッセージを届けたい層を「リモートワークを推進している企業様、特に経営陣、部長レイヤー」に絞りました。

ターゲットを決めたので、施策を決めるときにも経営陣、部長レイヤーはこの施策をやったとして参加するだろうか?などと問い直すことで、選択と集中が非常にシャープになったと思います。

What(何を伝えるか)

上記目的を達成するために、ターゲットに何を伝えるべきか、を考え抜き、以下の2点にフォーカスすることにしました。

・新しい働き方を推進する革新性のあるサービスであること
・11月のリリースから約4か月で既にITスタートアップや創業100年に迫る老舗の製造業など、様々な規模・業種の企業で導入いただいていること

上記2点に集中するために、通常よく載っている代表者の声はあえて載せないことを決め、サービス説明もできるだけシンプルになるよう心がけました。

施策の選択と集中

やりたいことをまずブレストベースで施策を最大限出していきました。やりたいことは山のようにあるけど、戦略構想、準備、リリースまで約1.5ヵ月。

セールスもPRも私1人しかいない状況だったので、その中から削ぎ落し、選択と集中して実行することに決定しました。

例えば、資金調達PRにおいては、オンラインイベント等も同時開催することも多いですが、今回のターゲット層がそういったイベントに参加する可能性は低いことから開催しないことに決めました。採用向け説明資料作成なども一切行いませんでした。

一方、事業広報の成果のために必要な事前準備は手を抜かずやり抜きました。

まず、受け皿となるリモートHQサービスLPのリニューアルに取り組みました!

導入実績のある企業様のロゴを掲載したほか、課題解決訴求型のサービスLPへ生まれ変わりました。

そして、サービスLPに訪れたお客様に興味関心を持ってもらえるよう、HQ MAGAZINEでお客様の声を一気に4記事公開しました。


その他、資金調達PRの前週にも導入実績プレスリリースを2本配信し、Web上でお客様が検索した時にしっかりと情報があるように導線を考えました。

「資金調達リリースを見た後、HQ MAGAZINEの記事も見ました!」という声も頂戴し、商談時に具体的な相談をいただくことができました。

成果サマリ

・問い合わせは通常時の15倍に
・課題が明確なお客様からの問合せが増えた
・商談中のお客様から「素敵なリリースですね」や「役員の○○が見ました」などの声
・提案したいと思っていた大手企業様の問合せ複数

予想していた以上の反響を得ることができ、驚いています。

PR戦略の実行

上記の「目的」「ターゲット/Who」「メッセージ/What」に沿ったPR戦略を以下のように実行していきました。

メッセージ

最終的に「社員一人ひとりに最高のリモートワーク環境を」というサービスコンセプトを真っすぐ伝えるメッセージに決定。

複数メンバーでそれぞれ考え、20個出した中から3つに絞り、外部のPRアドバイザーにどのメッセージが伝わりやすいか相談しました。

当初は「社員一人ひとりの自宅に 最高のオフィスを」でいこうとなっていたのですが、公開一週間前に最後、本当にこのメッセージで伝わるのか?という議論になり。笑 直前に変更しました。

キービジュアル制作

PR TIMESでOGPになるメイン画像には特にこだわりました。

今回は事業広報なので、Coral CapitalのJames さん、澤山さんにご協力いただき撮影しました。ありがとうございました!

どんなビジュアル、トーンにしたいか?これはかなり悩みました。

まず、SNSでシェアされる時に、どんなシェアのされ方をするのか想像しました。

リモートHQではリモートワークのアイテムを社員に届ける際、オリジナルのメッセージカードの同封や、梱包資材として企業ロゴなどを入れたオリジナルダンボールの作成も可能で、お届けの体験も大切にしています。

リモートHQとコーラルダンボールを制作して、「コーラルダンボール可愛い」などシェアされたらいいなと妄想し、ダンボールを制作して撮影することにしました。

想定通り、「コーラルダンボール可愛い」というコメントもTwitter上でいただきました!

Coral Capitalさんのダンボールは他にもデザイン案があったので記念に載せておきます。笑

当日は複数ショット撮影しましたが、今回のPRは信用力獲得が目的だったので、あまり遊びすぎてないトーンの写真を選択しました。

お客様の声4社を掲載

今回どうしてもやりたかったことが、お客様の声を掲載させていただくこと。

信用力を獲得する上で必須と考えました。

また、リモートHQ実績が少ない頃から決めてくださった、お客様のストーリーは様々。その声を大切にこれからも事業展開していきたい。そんな気持ちもあり、お客様にご協力をお願いさせていただきました。

企業様のご事情で掲載できない企業様もありましたが、皆様、「ぜひ、協力させていただきます!」「資金調達おめでとうございます!応援してます!」と快諾してくださったのは本当に嬉しかったです。。。

SalesとPR兼務していることもあり、ストーリー展開を自分で考えることができたのはよかった点です。

新規のお客様がお問合せくださった際に、「リリースの声にあった○○という課題が弊社にもありまして。」という声も実際にいただき、潜在顧客層の課題の想起にも繋がったのではないかと思います。

メディアアプローチ

発表当日にメディアにも紹介してもらえるようメディアにも積極アプローチしました。

その際には、出資先の広報サポートをされているCoral Capitalの西村さんには大変お世話になりました。

BRIDGEやDIAMOND SIGNAL、日本経済新聞社、アスキー、ニュースイッチなど様々なメディアでも取り上げていただけたのは、西村さんがご支援してくださったおかげでした。

メディアの方々とのリレーションがまだまだ少なかったので本当に助かりました。

メンバーや投資家を巻き込んだSNS拡散

発表の当日はメンバーや投資家の方々にも協力いただき、SNSでの拡散に励みました。

そのために、メンバーには定例で今回の資金調達PRの重要性をお伝えしたり、資金調達プレスリリース拡散に関するマニュアルをnotionでまとめてシェアしました。

当日はメンバーに行ってほしいことを具体的な行動ベースで記載して、終わったら「done」スタンプ押してねという運用にしました。

前日と当日はお祭り感を出して盛り上げる

前日と当日はとにかくお祭りムードで盛り上げました!DIAMOND SIGNALのアクセスランキングで1位になった時も大げさに大騒ぎしました。

創業メンバーのnoteコンテンツ発信

プレスリリースの翌日から、創業メンバーのnoteを発信していきました。メンバーに具体的にテーマタイトルイメージつきでお願いしました。

快く動いてくれたメンバーには感謝です。

特にプロダクト開発を担当しているkotaroのnote、「SaaSなのにほぼノーコードで2億円調達した話」は想像以上の反響でした!

noteのスキは「296」、Twitterのインプレッションは「30,830」、note記事は「31,507PV」と多くの方に読んでいただきました。(2022年4月13日18時時点)

実際にこのnoteを見たお客様で、私たちがご提案したいねと以前から話していた企業様からも「リモートHQよさそう」の投稿があり、実際にお問合せにも繋がり、社内で歓喜に湧きました!

続々とメンバーのnote公開中ですので、ぜひ見ていただけると嬉しいです!

成果はどうなの?

今までマーケティングも試行錯誤してきましたが、問い合わせ数は通常時の15倍となりました。社内で今のところ一番ヒットした企画です。

問合せ推移

また件数よりも、実際に商談も私が担当しているので分かるのですが、リリース記事などを見てお問合せくださった方々の温度感が非常に高く、認知だけでなく興味関心まで繋げることができたのではないかと感じています。

具体的には以下のようなご相談をいただいており、アフターコロナ後の新しい働き方方針に関して、ご相談いただくことが増えました。

・「リモートワーク手当を廃止してリモートHQに切り替えることを検討したい」
・「オフィス縮小する際に社員の在宅環境に力入れたいです」
・「新入社員がまさにローテーブルしかなく早急に検討したいです」
・「オフィスで利用していたアーロンチェアや電動昇降デスク使いたいと声挙がっています」
・「エンジニアの採用強化中で働く環境サポートをして採用候補者に訴求したい」

今、まさにお問合せしてくださったお客様にサービスの価値をお届けできるかが大切ですので、一生懸命頑張っていきたいと思います!

さいごに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

社内のメンバーはもちろん、投資家の方々、応援してくださった皆様のおかげで走り抜けられたと思っています。この場をお借りして皆様に御礼申し上げます。

PRとSales兼任でやっているので、時間に限りはありますが、だからこそ、「お客様の声を掲載してみよう!」「このエピソードをHQ MAGAZINEで取材したら良いコンテンツになるのではないか?」「成果に絶対、つなげるぞ!」と思えることはメリットとして大きいのではないかと感じました!

スタートアップでは同じように広報専任がいないケースも多いと思いますので、記事を見てご不明な点や、ご質問などあればお気軽にメッセージ等いただけたらと思います。また、業務委託などでPRを手伝ってくださる方も募集中ですので興味ある方、ぜひお話ししましょう。

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今回の資金調達PRを起点に、社員一人ひとりに最高のリモートワーク環境をお届けできるように邁進していきたいと思います。これからもリモートHQを応援していただけるとありがたいです。

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