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多様性ある組織になるためには? 2人のマネージャーが語った、LayerXの現状と可能性【後編】

LayerXの川口(cathy)です。
今回は、先日スタートした連載企画、"Career Ship"の最初の記事(後編)をお届けします!(前編はこちらからぜひどうぞ。)女性マネージャーの2人をお招きし、キャリア・マネジメント・多様性について赤裸々に語っていただきました。
キャリア・マネジメントについて話をした前編に続き、後編では組織の多様性について話を聞きました。

対談の前にランチに行っていた2人

女性としての働き方、ライフイベント

cathy: LayerXでは、女性従業員の比率、そしてそれに伴う管理職の比率を上げていきたいと考えていますが、女性としての働き方はどう感じていますか?

kita: 性差を意識せずに働ける環境がとても心地よいです。女性だからどう、といった意識は全くなく、それがすごく働きやすいですね。ただ、その意識しなくて良いという点が、女性ならではのライフイベントが発生したときに逆にネックになることもあるかもしれないですね。例えば、LayerX全体としては育休取得率が高いですが、女性社員に限定すると、入社時にすでにお子さんがいらっしゃる方が多く、LayerXで産育休を取得している人はまだ1人。そのため、こうした点については意識的に整えていかないといけないな、と思います。

ar_tama: 育休以外だと、家族が体調不良の際に看護のために休む方もよく見かけますよね。私はこれはすごくいい環境だなと思っていて。みんなが熱い気持ちで、前のめりに頑張るっていうモメンタムもちろんあるんですけど、それと同じぐらい自分や家族を大事にしよう、ということがちゃんとメッセージングされていて、かつ経営陣が背中を見せている。これはすごくいい環境だと思っています。

また、私もLayerXでは一度も性別による差別を感じたことがなく、いい意味で皆がフラットに接していると感じます。ただ、管理職の男性比率の高さについては危機感も覚えていますね。特にグループの経営チームや事業部の経営チームは、不確実で抽象度の高い問題を解くことを期待されていると思っています。その集団において、ジェンダーに限らず多様性が十分に担保されていない状態というのは、大事な問題を見落としかねないというリスクと隣り合わせだと思っていて、その意味での危機感ですね。

組織の多様性について

cathy:組織の多様性をもっと広い観点で捉えると、まだまだ改善できることがあるなと。多様性をジェンダーなど属性だけではなく、価値観や志向性まで拡げたときに、2人はどう思われてますか?

ar_tama: 私たちは基本的に、同質化の罠に染まりやすい体質を持っている会社だと思っています。それは、リファラル採用で入社してくれる人がすごく多いという点にも現れているなと。同質化は一概に悪いことだけでもなくて、共通の価値観を持っている人が多いからこそ意思決定のスピードが早いというメリットは間違いなくあると思っていますし、フェーズによって意図的にそれを選択していくっていうことは間違いじゃないと思ってます。

ただ一方で、そろそろフェーズが変わってきたんじゃないかとも同時に思っていて、ちょっとずつ異分子を混ぜていきたいんですよね。言い方が適切かどうかはわかりませんが、私も異分子の一人だと思ってはいます。そういう人間でものびのび働けるし、必要とされているし、もっともっと必要とされる幅が今後広がっていく。社会に対してより良い価値を還元していくためや、目の前のお客様により喜んでいただくためにこういった変化が必要だと思っていて、それが私のミッションのうちの一つだと勝手に思ったりしています。

cathy: すごくいい考え方ですね。kitaさんは、組織の多様性についてどう思いますか?

kita: ar_tamaさんの話が素晴らしすぎて...(笑)私は、色々なバックグラウンドの人を受け入れることで組織が強くなることを感じています。最近は特に新しいメンバーも増えていますが、その方たちからのフィードバックには私達が全く気づいていなかったことがたくさんあって、フィードバックをもとに改善に取り組んでいます。変化を歓迎し、新しい要素をどんどん取り入れなければ組織は廃れていってしまうなと痛感しています。

ただ、新しい人が入ってきたときに、例えば女性であれば女性管理職のいない組織に入って、「この組織で本当に活躍できるのかな?」って不安に感じるかもしれないですよね。活躍の機会があるのか、イメージが湧かないというのはすごく損失だと思っています。私は従業員の中でも比較的在籍期間も長くなってきたし、マネージャーという役割をいただいています。だからこそ積極的に色々な情報やチャンスにアクセスをして、選択肢を広げていく役割を担いたいですし、その責任があるとも思っています。

cathy: そうですね。私も、価値観の多様性って実現しようと思うと、すごく難しいと思っています。例えば、スタートアップにいるんだから成長することが是であり、成長したいと思うのが当たり前であるとか、無意識に思ってしまいがちかな、と。マネジメントの観点で注意をしないといけないのは、こういった価値観の強要だと思っています。

まずは、自分と違う考え方・感じ方をする人がいることを認め、受け止める。多様性って目に見えるようで見えない部分のほうが大きいので、相当意識をしないと同質化に向かっていってしまう。自分と似た人のほうが一緒にいて楽ですし。正直、LayerXにはまだその側面があると思っています。一方で、このような議題を経営メンバーに伝えると真っ直ぐに受け止めてくれるので、そこはとっても素敵だと思っています。

ar_tama: 私たち自身、それは経営陣もメンバーも含めて、自分が持っている価値観について自覚的でないこともあるかもしれませんし、リスクの一つですね。会社が育んでいる価値観と、個人の価値観をすり合わせることは、目標設定や評価にも通じますよね。なので、個人の価値観の言語化を手伝えるマネージャーになりたい。

cathy: 本当にその通りですね。自己を知る、そのための時間をもっと取りたいです。そうしないと、「もっともっと頑張らなきゃ」というプレッシャーに疲れてしまうこともありますから。

cathy:多様性って、マイノリティの人が自分の声を上げることも、重要だと思うんです。マジョリティの人たちは、決して悪意があるわけじゃないけど、気づきにくいんですよね。属性だけじゃなく、考え方や経験など、いろんな面でマイノリティだと感じてる人が、自分の声をちゃんと出せる場所があるって大事だと思います。

kita: 本当にそう思います。私たちは他の方の意見を聞いて、「あ、そうかも」と初めて気づくことが多いですよね。だから、私たち自身も周囲に率直に意見を言えるように、努力していかないといけないですね。
私自身、以前は手を挙げて発信する、行動するのが得意じゃありませんでした。自信がなく、やり遂げられるか不安だったから。でも、ある本を読んで、脳の構造の違いから、女性は経験や実績に基づく完璧な自信がないと行動に移しにくい傾向があること、男性はそれほど経験や実績がなくても行動しやすいという研究結果を知りました。私が手を挙げるのを躊躇っていたのは、実力不足を感じているからじゃなく、性差の特徴によるものなんだと割り切ることにしたんです。そう思ったら行動の幅が広がって自分に自信が持てるようになりました。だから、思い切って手を挙げることの大切さを、改めて感じています。

ar_tama: そうですよね。失敗から学ぶことも多いし、結局は死ぬわけじゃない。

kita: 絶対そう。手を挙げる勇気があれば、それで十分だなと。強固な自信がなくても、やりたいという気持ちだけで挑戦してみるべきですよね。

cathy: その通りですね。LayerXでは性別で差別されることはないと思うんです。みんなが大切にされてる感じがします。でも、その背後には、弱音を吐かずに頑張らないといけない、という圧力も感じることがありますね。でも、その感情の出し方って難しいですよね。

ar_tama: 本当にそう。弱音を吐けない雰囲気があると、問題を内に抱え込んでしまう。それが歪んだ形で外に出てしまうこともありますよね。だから、もっといい感じで進められたらいいなと思ってます。

cathy: 今まで諦めていたことを可能にするような変化を生み出せる組織にしたいですね。私達が正解を持っているわけではないし、現状も完璧からは程遠いけど、ここから一緒に良い組織を作っていきたいですね。


cathy:最後に、これから挑戦したいことや、どんな人と一緒に働きたいかについて、一言ずつ聞かせてください。

kita: 具体的な目標が「これ!」と決まっているわけではないんですけど、今の自分が置かれている環境が非常にチャレンジングであることを実感しています。事業が急速に成長し、組織が拡大して、目指す目標も高くなっていく。変数が増える中でどう成果を出していくかにコミットすることが自分の役割だと思っています。それと、自分で手を挙げて、自分の人生を豊かにすることも大きな目標です。私が楽しんでるところを見て、「あ、それいいな」と思ってくれる人がいたら嬉しいですね。マネージャーからのステップアップも貪欲に目指していきたいと思ってます。

cathy: どんな人と一緒に働きたいですか?

kita: やっぱり、変化を楽しめて、何事もポジティブに取り組める人ですかね。事業は順調な時もそうでない時もありますし。この一年半の間でも、組織や事業のフェーズがどんどん変わっていて。その変化を事業成長の過程として楽しめる人と一緒に働きたいですね。そういう方々となら、どんな困難も乗り越えられると思っています。ちなみに、セールス組織では積極的に新しい仲間を募集中です!

cathy: kitaさん、ありがとうございます!ar_tamaさん、いかがでしょう。

ar_tama: エンジニアリングマネージャーの役割は、マネジメントもしつつコーディングも諦めないという役割なので、そこは引き続き深めていきつつ。kitaさんと同じく、チャレンジを続けて、解く課題の抽象度や難易度をどんどん高めていきたいです。そうして、LayerXが社会に価値を還元するところに対してレバレッジを効かせられるようになりたいですね。

あと、入社の時にnoteに書いたんですが、「様々な価値観を持つスキルフルな人たちが互いに尊重しあいながら働けるような、本気のDE&Iに取り組むこと」が、わたしたちがなすべきことの一つだと考えています。DE&Iについて話されるときって、何かをトレードオフにするような意味合いが裏に含まれているように感じてしまうこともあるんですが、そうではないぞと。私達が目指す未来にはその世界観が必要不可欠だし、何かを諦めることなくやっていくということが、この組織だったらできると思っています。

今の話に共感していただかなくても大丈夫です。LayerXはとにかく、ポジティブでマチュア(成熟した)な人が多い、働きやすい環境です。よく社外の方からは、なんだか強そうとか、出来上がっていそうというイメージを聞くのですが、そんなことは全然ないです。楽しみながらチャレンジするという価値観にマッチするような方は、ぜひ選択肢に入れていただけたら嬉しいです。エンジニアリングマネージャーとして、そういった仲間が増えることを心から楽しみにしています。


最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本連載はまだまだ続きますので、ぜひ次回以降も楽しみにしていただけたら幸いです。
そして、LayerXに少しでもご興味持っていただいた方、ぜひカジュアルにお話しましょう!

ar_tamaさん

kitaさん

cathy


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