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ぶっちゃけ楽しいですか? 2人のマネージャーが語った、キャリアとマネジメントの「本音」【前編】

LayerXの川口(cathy)です。
今回は、先日スタートした連載企画、"Career Ship"の最初の記事をお届けします!(前回の記事はこちらからぜひどうぞ。)女性マネージャーの2人をお招きし、キャリア・マネジメント・多様性について赤裸々に語っていただきました。
今回お話を伺ったのは、こちらの2人です。

北朴木明里(バクラク事業部 セールス部 マネージャー)

新多真琴(バクラク事業部 プロダクト開発部 マネージャー)

前編では2人のキャリア・マネジメントの考え方について話を聞きました。


新たなチャレンジとしてのマネージャー

川口(以下cathy): お二人とも本日はよろしくお願いします!では、まず一人ずつ簡単に自己紹介からお願いできればと思います。

北朴木(以下kita): バクラク事業部のフィールドセールス部でマネージャーをやっています。新卒ではJR東海に入社して約5年間在籍し、その後リクルートでセールス、Rettyで新規事業を担当。4社目として2022年の6月にLayerXに入社しました。マネージャーという役割には昨年(2023年)の4月に初めて就いたので、まだまだ新米です。

新多(以下ar_tama): バクラク事業部の共通管理というプロダクトチームのEM(エンジニアリングマネージャー)を担当しています。私は新卒からエンジニアとして、バックエンドをメインに開発してきました。その後、前職のCake.jpでは執行役員CTOを務めて、LayerXには2023年の9月に入社しました。現在はCTO時代の経験を生かしながら働いていますが、初めてマネージャー職に就いたのは2021年の夏なので、割と最近ですね。


左:ar_tamaさん、右:kitaさん

cathy: ありがとうございます。では早速ですが、2人が初めてマネージャーという役割に就いたときのことを教えてください。率直にどんな気持ちでしたか?

kita: 私はチャレンジが好きなので新たな挑戦の機会の一つとしてやってみよう、という気持ちでした。ただ、以前からマネージャーになりたい、と強く思っていた訳ではありませんでした。

ar_tama: 私は前職に転職する際、CTO候補としてオファーを受けていたので、そのタイミングでマネジメントを避けることはできないと分かっていました。その前の職場ではピープルマネジメントはしていませんでしたが、マネジメントには興味がありましたね。自分がうまくマネジメントされるためにも、マネジメントする側のことを知っている必要があるなと思っていて、自分なりに学んでいました。そしてそのまま活かせた部分も多かったかなという感じです。

cathy:ふたりとも前向きに捉えていたんですね。実は、私は絶対にマネージャーはやりたくないと思ってました。マネージャーになっても給与が大幅に上がるわけではないし、責任だけ重くなるという印象で。プレーヤーとしてはある程度業務に慣れていて評価もされやすかったし、率直に楽だと感じていました。選べるんだったらやりません。って言い続けてましたね。(笑)

cathy: 2人はセールスとエンジニアという異なる職種で同じマネージャーという役割に就かれています。現在LayerXではどのようなことに挑戦していますか?

ar_tama: 私は昨年の9月に転職してきて、人数の規模や、頼ることができる仲間の数が前職と比べて大幅に増えました。その中で、自分がどう動けばチームのパフォーマンスを最大化できるかを考えながら動いています。前職ではCTOという立場だったので、何でも自分で決定して動かすことが多かったので、その経験が生きる部分もありつつ新しいチャレンジが多いなと感じています。

kita: 私もar_tamaさんと同じように感じています。特にLayerXはプロダクト数が増え続けていて、それぞれのプロダクトごとに事業フェーズも異なります。さらに、組織の規模も大きくなっており、変数が増え続けている状況です。こういった変数の多い組織で、成果を最大化するにはどうすればいいのか?ということをいつも考えています。時間軸的に少し先を見据えたり、他の部署にも目を向けたりしながら、どの変数を成長に必要なトリガーと設定するのかを探るのが、すごくチャレンジングだと感じています。

マネジメントは、ぶっちゃけ楽しい?

cathy: 最近は、責任の重さや大変さを理由にマネジメント職を希望しないという声もよく耳にします。このあたりについて、2人から率直な意見をお聞かせいただけますか?楽しいところと大変なところ、両方の側面についてお話しいただけると嬉しいです。

kita: たしかに大変ではあるけれども、私は「マネージャーはすごく楽しい」
ということを伝えたいですね。どんなキャリアを目指す上でも、一度経験しておいて損はない役割だと思います。
楽しいと感じる点について言うと、マネージャーであれメンバーであれ、何かを達成しなければならないという点は変わりません。ですがマネージャーになると、その達成のために利用できるリソースや手段が格段に増えます。なんていうか、ゲームで言うと手持ちの武器が大幅に増えたような感覚です。確かに、ゲームの難易度は上がるんですけど、その分、ゲームの楽しみ方も増えているんです。ただ、手持ちの武器をどう使いこなすかは難しいので、本を読んだり、自社に知見が無いものについては他社の方との情報交換をしたりしています。その結果、自ずと視座が上がり、視野が広がって行くのを感じています。

マネージャーになる前は、メンバーのサポートやメンタル面のケア、数字面の管理がマネージャーの主な仕事だと思っていました。でもそれはあくまで一部であって、実際にはもっともっと前向きなチャレンジが多いんだなと。なので、マネージャーをやってみると絶対に視野は広がるし、その後の仕事にも活きるので、ぜひやってみると良いんじゃないかと思います。

cathy: ありがとうございます。kitaさんは実は、マネージャーになったばかりのころ、
「向いていないかもしれないから、早めに別の部署に異動したい」
と言ってましたよね(笑)。
それはそれですごく素直な気持ちだったと思うのですが、その後に何か変化のきっかけや成功体験があったのでしょうか?

kita: ありましたね。当時はマネージャーになりたてで、セールス部としてどういう課題があって、何をしたら組織が良くなるのか、はっきりと見えていなかったんです。いろんな事情もあってマネージャー業務へのリソースも割けていなかったので、その中で自分が組織にどう貢献できるのかが正直分かりませんでした。
ただ、cathyさん等と話をする中で、「余計なことは気にせず、どうすれば事業がより成長するのかを考えることに集中すればいい」
というようなアドバイスをいただいて。じっくり考えていくうちに、もっと良くできる方法が幅広くあると気づきましたし、やれることも広がりました。そこから楽しくなっていきましたね。こんな世界があるんだと。経営陣が言っていることも以前よりずっと理解できるようになりましたし、当事者意識の持ち方も大きく変わって仕事がより楽しくなりました。半年前の
(異動したいと思っていた)自分に安心しろと言いたいですね。(笑)

cathy: ar_tamaさんは楽しさや大変さについてどうですか?

ar_tama: 今のkitaさんの話はとても良いなと思っています。私もマネージャーになって取れる選択肢が増えることは、やりたいことを諦める理由が減ることだと感じています。メンバーの立場だと、影響を与えられる範囲とその深さが限定的になりがちです。自分では手が届かない領域に、もしボトルネックがあった際、アクセスする手段がないと感じることもありました。そうなると人は諦めてしまって、「どうせうちの会社は変わらないから」とか思ってしまったり。

LayerXではみんなのマインドに加えて、行動指針と羅針盤があるおかげで、メンバーでも個人が持つ影響力の範囲が比較的広くて深いと感じています。それでも、やはり限界はあって。その限界を突破する選択肢としてマネジメントがあるのは素晴らしいことだと思います。マネジメントは大変ですが、楽しいし、やりがいもありますね。

メンバーとマネージャーの違いは、自分の責任範囲がどこまでかという点にあると思います。メンバーの時は、自分の成果とチームへの影響で評価されますが、マネージャーになると、自分のチームの成果と、周りのチームへの影響で評価されるようになります。これは完全に別の戦い方になると思っていて。その切り替えが難しいと多くのマネージャーの方がおっしゃるんですが、それも含めて新しい挑戦だなと。なんていうか、社会人としての第二のスタートのような感覚で、すごくポジティブな経験でしたね。

cathy: ar_tamaさん自身が、ここで変わった、と感じる瞬間はありましたか?

ar_tama: マネージャーになってから、急にギアが変わったという瞬間は特になかったですね。ただ、できることをガムシャラにやっていたら、振り返ったときに道ができていた、という感じでした。メンバー時代にマネジメントのされ方で悩んでいたころ、斜め上の上司に相談したら、「ar_tamaさん、そもそもマネージャーのことちゃんと知ってる?」と言われたんです。「確かに!」と思って、それからめちゃくちゃ調べ始めて、マネジメントは一つのスキルであり、体系的に研究されてきた分野で、先人たちの知恵が積み重なっている分野であることを実感しました。

マネジメント関連の書籍を読み歩いて参考にしながら、自分なりのマネジメント知識やスキルを体系化していったんだと思います。実際、その視点を持っていることで、会社が目指す方向、自分が担うべき領域などについて明確になりました。そして、自分が取り組むべきことを明確にして、期待と評価をすり合わせるコミュニケーションが期初のタイミングで取れるようになりましたね。そうすると、1年や半年といった評価のライフサイクルを非常に効果的に使えるようになったと感じています。自分自身の中で「変わった瞬間」だなと感じます。

女性のライフイベントとマネジメント

cathy: 女性ならではのキャリアについても伺いたいです。ライフイベントによって、途中でお休みすることもあるかもしれません。その中で、マネジメントに携わることをどう捉えていますか?

ar_tama: 単純に選択肢が広がると思いますし、ネガティブなことは一つもないのかなと思っています。

kita: 同感です。

cathy: 具体的にどのような選択肢が広がるのでしょうか?

kita: マネージャー経験後に他部署に異動して再度メンバーになる選択肢もありますし、マネージャーとしてのキャリアを継続する道もあるんじゃないかなと。たとえば、現時点では私には子どもがいませんが、将来的に子どもができて時間の融通が必要になるかもしれません。その際には、現場の最前線に出るよりも成熟した組織でマネジメントを行う方が、自分のライフプランに合っているという考え方をするかもしれないです。マネージャーであれば自分自身をマネジメントできるというか、時間の使い方にも融通を持たせられると思っています。そういった意味でもマネージャーの経験は柔軟な働き方の選択肢を広げる手段として役立つと思っています。

ar_tama: 海外の事例、確かドイツで、一つのマネジメントポジションに二人を配置するという取り組みがあります。これは国が推進している施策だそうです。物理的に働ける時間に制限があるが、才能を持つ人材を互いに補完し合えるように配置することで、より働きやすい環境を作ろうという取り組みです。
もちろん、時間が限られてしまうと、必要なマネジメントポジションを満たせなくなる可能性もありますが、どこまで自分がやれるのかは実際に試してみないとわからないじゃないですか。なので、やってみる価値はあると思っています。あと、マネージャーであることが必ずしも激務を意味するわけでは無いですよね。私は、マネージャーは暇でなければならないと思っています。そうしないとイレギュラーに対応できないですし。

kita: さっきar_tamaさんが話していたように、戦い方が変わるんですよね。時間をかけたからといって必ずしも良い成果が出るわけではありません。 時間とアウトプットは必ずしも比例しないというか。質を高めることが前提ですが、長時間働くことが良い結果につながるとは限らない、それもマネージャーの特徴の一つだと思います。

cathy: 私自身もチャンスがあるのであれば挑戦をして損はないと思いますね。


最後に

前編を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
後編では女性としての働き方や、組織の多様性をテーマにお届けしています。こちらもぜひご覧ください!

LayerXに少しでもご興味持っていただいた方、ぜひカジュアルにお話しましょう!

ar_tamaさん

kitaさん

cathy


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