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虹色に光る【感想文の日⑤】

こんばんは。折星かおりです。

毎週土曜日の感想文の日。最初は応募があるかどうか心配していましたが、みなさまのおかげで第5回目を迎えることが出来ました。

本日感想文を書かせてくださったのは、ベタ(VeryBest)さん。たくさん記事を書かれていて、中には音楽も……!今回はベタさんの代表作をまとめたマガジン「メリーバッドエンドアンドリドル」を中心に読ませていただきました。

それでは、ご紹介いたします。

■私のスキルシート

仕事でどうしても許せないことがあり、「辞めます」と言ったベタさん。事態は変わらず、納得いかない慰留をされて何となく流されるままになっていたとき、事情を何も知らない秘書から「スキルシート」が送られてきます。異動させられるのか、と訝しがりながらもスキル欄を埋めていきますが、欄の多さにため息をついたときに思い浮かんだあるスキルがあったようで……。

今回感想文を書かせていただくにあたり、どうしても触れたかったこちらの記事。「#とは企画」と迷ったのですがこちらにしました。シートに先に並ぶ5つのスキルと、思い浮かんだ最後のスキルとのギャップにやられてしまいまして……。「好き」は、もうそれだけで自信になって、モチベーションになりますよね。専門用語が並ぶ序盤に対して、後半はオフィスを出る軽い足取りや冷たさが気持ちいい夜風が思い浮かぶよう。最後のスキルを記入した後の吹っ切れたような読後感が、爽やかで格好いいなあと思いました。

■ここにいます#プレステの思い出

男の子とお父さんの会話で成る、プレイステーション2の昔のCM。当時子どもだったベタさんは、ゲームをしっかり見せるCMが見たいと思っていたようです。しかし大人になり、CMの制作に関わる立場になった今、「あのプレステのコマーシャルみたいなCMが作りたい」と思うようになったそう。ドラマのようだったあのCMは大人向けでいて、それでも、子どもだった自分の気持ちにもしっかりと響いていたのです。

アーカイブの中のCMも拝見しました。これは確かに、ドラマですね……!お父さんが出てくるのですが、CMのほとんどのカットが男の子の表情のアップなんです。言葉に詰まってゆがむ表情は、きっと誰もが経験したことがある、熱いような、困ったような気持ちを想像させます。

そして記事の中でぐっときたのはこちら。あんなCMが作りたい、と綴るベタさんの気持ちです。

マーケティング戦略のセオリーとして「自分事のように感じさせる」と言うものがある。私はいつからか今はずる賢くそういうことを意図的に行って企画するようになった。大人になってとっくに私は純粋では無くなったと思う。しかしそれは、プロモーションだけでなく制作作品そのものにも言える。自分のことのように、本当のことのように。本物のように。そんなものを作り出していきたいと、いつも思っている。それは本当の正直な私の気持ちだ。

CM、ポスター、広告などは多くの人の気持ちを動かすことが出来る素晴らしいコンテンツです。けれど、その裏にあるのは色々な人の思いが複雑に絡み合い、ずる賢く計画されたプロモーション。実は私も似たような仕事をしていて、表に出すものの綺麗さとその裏に隠された意図のギャップに戸惑うことがあります(仕事だから仕方ないのですが)。それでも、「自分のことのように、本当のことのように」私も作り出していきたい。仕事を始めた頃のそんな気持ちをいつまでも持ち続けておかなくては、と気が引き締まる思いでした。

■悪魔の病

「私」が願う、優しい「君」の幸せ。「君」の一挙手一投足を見ていたかったのに、全ての言葉を聞いていたかったのに、そんな「君」はもういない。

最後はこちらの詩を。「私」が思い出す「君」との記憶にきゅんとします。

デートの待ち合わせ、遅れる連絡が「ほふく前進で向かってる」だった時のこと
初めてのキス 怖かったから、思い切り首を噛んじゃった時のこと
次から君は キスじゃなくて 首を噛んでよ になったこと

何て可愛い遅れる理由なんでしょう。何て優しい誘い文句なんでしょう。そんな「君」の優しさに「私」はきっと、もっと浸っていたかったはず。けれど、ある切ない理由がふたりを別ちます。それでも「私」は「君」の小さな小さな幸せを願っている。その幸せの小ささに秘められた、大きな愛を感じました。

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毎週土曜日の感想文の日、感想を書かせていただける方を大募集しています!(現在、8/8以降の回を募集しています)

「書いてもいいよ」という方がいらっしゃいましたら、こちら↓のコメント欄からお知らせください。


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