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ゆめを描く【感想文の日 52】

こんばんは。折星かおりです。

第52回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはまつおさんです。

まつおさんはnoteでの詩作を通して、画家・ゆめのさんを応援されています。先月はコンテスト企画『私が見たゆめのせかい』を開催。そのほか、ゆめのさんの作品とnoteの書き手の方をイメージした詩を贈る『noteへの感謝を込めて』という取り組みもされています。一週間まつおさんの作品を拝読し、美しい絵と言葉で満ちた世界をたっぷり味わわせていただきました。改めて、ご応募くださりありがとうございます!

それでは、ご紹介いたします。

■憩いの庭

ゆめのさんの作品『憩いの庭』をモチーフにまつおさんが綴る、作品を描いたゆめのさんの優しさ。やわらかな緑の中に咲く花を思わせる色合いの絵画と詩が相まって、心地よい空気を作り出しています。

ゆめのさんの作品は、青色の使い方がとても印象的です。まつおさんご自身も「心へ沁み入ってくるような『青』の感覚」が大好きなのだそう。けれどこちらの『憩いの庭』では、深い青の前に優しい緑の世界が広がっています。ふわりと包まれるような色合いに、心がゆっくりとほどけます。

誰かを包んでいるから
決してひとりじゃないよ

まつおさんがこの作品から掬い取ったのは、ゆめのさんの優しさや真摯さ。ゆめのさんの作品を見たひとが優しい気持ちに包まれるのはもちろんのこと、「決してひとりじゃないよ」という言葉はきっと、まつおさんからゆめのさんに向けられたものでもあるのでしょう。

■無限の愛

「ぜんぶ、愛だった」。その言葉とともにゆめのさんのTwitterに投稿された、雰囲気の異なる4つの作品。それに呼応するように、まつおさんは日常の「喜怒哀楽」のそばにあった愛を綴ります。

吸い込まれてしまいそうな青、はじけるピンク、燃えるようなオレンジ、眩しい緑。印象がまったく違う4枚の作品から、まつおさんが切り取った「喜怒哀楽」が素敵です。その記憶はどれも、もうこの世にはいない"あなた"とのもの。何気ない日常の中のほんの一瞬に隠されていた愛に、胸がきゅっと締め付けられます。中でもぐっときたフレーズが、こちらです。

喜ぶ顔を
思い浮かべて

用意する
サプライズプレゼント

欲しい物を
言わないから

会話の端々で
探るスリル

「喜」のパートで描かれる、プレゼントの用意。"あなた"の喜ぶ姿を思い浮かべながらの準備も、会話の端々から"あなた"の気持ちを探ることさえも、まつおさんに「喜」の記憶として留まっている。深く温かい愛に、ぎゅっと心を掴まれました。

■思い出の鍵

いつまでも覚えていたいと望んでも、時間の経過とともに薄れてしまう記憶。それでも、その記憶はふとした瞬間に蘇ることがあります。「思い出の鍵」は、予期せぬところに落ちているのです。

どんなに大切な思い出でも、当時見たものや感じたことを鮮やかに覚えているのは、とても難しいこと。確かに経験したはずなのに、記憶にぼんやりと霧がかかってしまうのも珍しいことではありません。それでも、その霧が突然晴れることも。

何気ない一言
小説の一節

ふと目に留まったひとことで、過去に引き戻されたように記憶がクリアになる。蓋がぽんと開いたように、言葉が湧き出る。みなさんにも、そんな経験があるのではないでしょうか。

不意に蘇る
ありがたき不思議かな

「思い出の鍵」で扉を開けた先にある記憶に、時に支えられ、時に心を癒され、鼓舞される。「思い出の鍵」はきっと、これからを力強く生きていくための鍵でもあるのでしょう。

***

毎週土曜日の「感想文の日」、感想を書かせてくださる方を大募集しています!(1~2日程度、記事の公開日を調整させていただく場合があります。現在、6/19以降の回を受け付けています。)

こちら↓のコメント欄より、お気軽にお声がけください。


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