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香る贈りもの【感想文の日 51】

こんばんは。折星かおりです。

第51回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのは茉叶☆Makanaさんです。

ハワイ語で「贈りもの」という意味のお名前を持つ茉叶さんは、香りクリエイターとして『あなたのための世界にひとつだけの香り』を作られています。noteの記事も、香りの働きやヒーリングに関わるものが中心。時折ちらりと見える娘さんとの生活もほほえましく、一週間たっぷり記事を読ませていただきました。改めて、ご応募くださりありがとうございます!

それでは、ご紹介いたします。

■楽し過ぎて、さみしくなった

茉叶さんが参加しているお米の自然栽培の作業からの帰り道、娘さんがぽつりとこぼした本心。久しぶりに会った友達と思い切り笑って過ごした一日が楽しかったからこそ、こみあげる気持ちがありました。幼心に感じた切なさが、ぎゅっと詰まったお話です。

「さみしくなった。楽し過ぎたから。」

駅のホームで娘さんが呟いた言葉に、胸がきゅっと締め付けられました。ただでさえ会う回数の少ない、田んぼで作業をする仲間たち。なかなか集まりづらい状況になっている今、会う機会はますます少なくなっているはずです。久しぶりに会った仲間たちとの時間は、格別だったことでしょう。

抜けるような青空を背にした、豊かに実った稲。瑞々しい草の香りや、賑やかな声が聞こえてきそうな人々。写真を交えて綴られる田んぼのそばで過ごす時間からは、茉叶さんと娘さんの充実した様子が伝わってきます。

大人たちも、ここ数年一緒に作業し、一緒に美味しいものを食べ、共に子供達の成長を喜び、自分の子どもがいる人も、シングルの人も「親戚みたいに思えてきた」と言い合っています。

最後まで読んでまた、冒頭の娘さんのひとことがぐっと胸に迫ります。「さみしくなった」でも「楽しかった」でもない。「さみしくなった。楽しすぎたから」というまっすぐな言葉に秘められた切なさに、そっと包んであげたくなるような愛おしさがこみあげました。

■タイムマシーンが発明されていない理由

なぜ、タイムマシーンは発明されていないのか。茉叶さんはその理由を「タイムマシーンで移動する過去も未来も存在しないから」だと語ります。過去と今と、そして未来。それらの存在について考えつつ、最後にはぐっと前を向くような力強さが魅力的な記事です。

色々なお話に登場するタイムマシーン。本当にあったなら、過去に戻って失敗を帳消しにすることも、未来を確認することもできるとっても便利な道具のはずです。それでも、タイムマシーンは未だに開発されていない。茉叶さんが考えるその理由に、思わず息をのみました。

それは、タイムマシーンで移動する過去も未来も存在しないから。

確かに過ごしてきたはずの「過去」と、これから過ごすはずの「未来」。それでは、これらはどこにあるのでしょう。

時系列で過去→今→未来となっているのではなく、
過去も今も未来もここに存在している。

茉叶さんは、過去は私たち自身の記憶である、と綴ります。しかもその過去は、私たちによって書き換えられた記憶である、と。そして未来は、過去の記憶を持った私たちが、今ここで見ているもの。だからこそ、私たちはタイムマシーンなしで、頭の中で過去にも未来にも行くことが出来るのです。

過去も未来も存在しない、と思うと少し寂しいけれど、存在しないからこそ、私たちは自由にその世界を行き来できる。そう考えると、何だか少しわくわくしてきます。

あなたは望む世界を選び続けることができる。

未来は手が届かないほど先にあるものではなく、私たち自身が選び、手を伸ばすことが出来るもの。目の前にいくつかの道が現れたとき、思い出したい言葉です。

■サンタクロース会議

「お仕事しているときは、ぜったいにママのへやに入ってはダメよ」。"ぼく"は"ママ"にそう釘をさされていたけれど、ある日とうとうママの部屋を覗いてしまいます。そのとき部屋の壁に映し出されていたのは、たくさんのサンタクロースで……!?

 5時    カナダ     イエローナイフ
 6時    アメリカ     ロサンゼルス
 8時    アメリカ      ハワイ
11時    オーストラリア   シドニー
14時    台湾        台北
15時    ベトナム      ホーチミン
20時    フィンランド    ヘルシンキ
21時    フランス      パリ
22時    イギリス      ロンドン

ぼくがママの部屋の前で拾った紙には、世界各国の地名がずらり。ぼくが起きる前から寝た後までずっと仕事をしているママは、世界各国のサンタクロースたちとリモートで会議をしていました。

おにいさんサンタクロースがバイクを見せると、
ママは「ノン、ノン」と
言っている。

バイクは、音がうるさくて子どもたちに気づかれるから「ダメ」ということかな。
画面の向こうのサンタクロースが困っている。
「アマゾン *$%☆?」
「ウィ」

子どもの頃には、正体が謎に包まれていたサンタクロース。けれど、バイクに乗ろうとしたり、身近な方法でプレゼントを入手しようとしたり、彼らの様子はとってもコミカル。親近感が湧いて、つい頬がゆるみます。

お手紙と
ママの好きなクッキーとチョコレートを用意して

今日は、ひとりで早く寝る。

きっとまだ幼いぼくだけれど、サンタクロースの正体には、どうやら気づいているようですね。ママは仕事をしながら、優しくほほえんでいることでしょう。

***

毎週土曜日の「感想文の日」、感想を書かせてくださる方を大募集しています!(1~2日程度、記事の公開日を調整させていただく場合があります。現在、6/19以降の回を受け付けています)

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