つながり広がる【感想文の日㉑】

こんばんは。折星かおりです。

第21回目の感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはあずきさんです。

毎日投稿をされていて、先日100日目を迎えられたあずきさん。本当に、おめでとうございます!書かれているものはエッセイや小説がメインで、note公式お題だけでなく個人企画にもたくさん参加されています。今回拝読して初めて知ったお題もたくさんあり、「こんなのがあったんだ!」と驚き、楽しみながら読ませていただきました。私もうずうず、書きたくなってきました。改めて、ご応募くださりありがとうございます!

それでは、ご紹介いたします。

■幸せ探し

小さい頃あずきさんが大好きだった、四つ葉のクローバー。筆箱やキーホルダー、お茶碗まで、身の回りのものはいつも四つ葉のクローバーのものだったといいます。あずきさんの「四つ葉好き」は留まるところを知らず、休みの日には近所の公園に出かけて四つ葉のクローバーを探すようになったのですが、その姿を見たあずきさんのおばあさまにある言葉をかけられて……。

私も小学生の頃、四つ葉のクローバーが大好きでした。あずきさんと同じように筆箱はクローバーの柄、家庭科で使う裁縫道具も、それで縫ったナップサックもクローバー。身の回りに溢れるクローバーを想像して「あぁ同じだ」とくすりと笑ってしまうような、ちょっぴり嬉しい気持ちになりました。

けれど、読み進める手は、おばあさまの言葉の部分でどきりと止まります。優しい笑顔のまま、おばあさまが教えてくれた大切なこと。それをきっかけに、あずきさんの四つ葉のクローバー探しはかたちを変えてゆきます。

「幸せは独り占めするものじゃない。幸せは分け合うもの。」

大人になった今でも道端のクローバーの群れを見ると思い出す、おばあさまとの約束。懐かしい素敵な思い出のおすそ分けをいただいたようで、心がじんわりと温かくなりました。

■顔も知らない僕のともだち

"僕"の通う学校には、遠くの学校の生徒と月に一度手紙をやりとりする「文通制度」がありました。”僕”の今年の文通相手は、きれいな文字を書く”美咲ちゃん”と、昨年から文通をしている、力強い文字を書く”大介くん”。”僕”は夏休みの思い出を綴った手紙を送り、その返事をウキウキと待っていました。
そしてある日届いた”美咲ちゃん”からの手紙には、一枚の写真が添えられていました。それは”僕”が手紙の中で「行けなくて残念だった」と書いた海の写真。初めて手紙以外のものをもらって嬉しかった”僕”は、お返しのプレゼントを用意することを思いついて……。

今年の8月末まで開催されていた「#こんな学校あったらいいな」応募作品です。”僕”こと”優希くん”の語りや随所に挟まれる手紙のやりとりがとっても瑞々しくて、自然と頬がほころんでしまいます。

そして中でも素敵だったのがこちら。”僕”はお返しにしおりを作ることにするのですが、校庭でしおり用にイチョウの葉を拾うシーンがあるのです。

最初、僕は
「葉っぱでしおりなんて地味じゃないかな?」
と心配してたけど、近くで見てみるとイチョウはとてもきれいな黄色で太陽にかざすとキラキラして見えた。

眩しい光が透けて金色に輝くイチョウの葉、それから、きっとまだ小さな手で黄色いイチョウの葉を太陽へ向ける”僕”の姿が目に浮かびます。文通友達にぴったりなプレゼントが見つかったわくわく、喜んでくれるといいなというどきどき。生き生きとした気持ちがきらりと光るシーンに魅せられました。

一か月後、顔も知らない、大切な友達からはどんなお返事が来たのでしょう。“僕”のお話を、もっともっと聞いてみたいです。

■幸せを、もうひとつ。

ある日、あずきさんが見かけた「朝のパン屋さんの幸せ度数ってすごく高いと思う。幸せをつかんでトレイに乗せる感覚で、いつも余分な一個を買っちゃう。」というツイート。素敵な感覚だなぁと思いつつも、いつも朝は時間に追われてしまうため、いつか体験してみたい、と思うにとどまっていたそうです。しかしそう思っていた矢先、お昼の時間を利用してパン屋さんを訪れる機会がやってきて……。

パン屋さん、いいですよね。ふわふわのパンから漂う、あの香り。そして「幸せをつかんでトレイに乗せる」と表現したツイート、私もとっても素敵だと思います。あの幸せを想像しただけでお腹が鳴ってしまいそうですね……!

パン屋に向かって歩いていると、風に乗ってパンのいい香りがふわりと頬をかすめる。
その香りに誘われるようにして店内に足を踏み入れると、そこには道で感じた以上の温かな空気が流れていました。
棚にはいろいろな種類のパンが所狭しと並べられ、袋越しにも分かるほどのいい匂いが鼻腔をくすぐる。
所々に手作りと思われる可愛らしい商品説明のプレートが貼られていて、それを見ると気持ちがほんのり温かくなる。
自分が食べたいパンを選ぶ時間も、トレイにパンを乗せる瞬間も、ふわりと幸せな気分になる。

順を追って丁寧に紡がれるあずきさんの言葉から、幸せがひしひしと伝わってきます。温かな香りが、こちらまで漂ってくるようです。

ばたばたと過ごす朝とはまた異なる、幸せな時間。そこにあったのは「心のゆとり」だったといいます。

一日のはじまりに、私も時間と心のゆとりを持っていたいです。

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毎週土曜日の感想文の日、感想を書かせてくださる方を募集しています!(現在、11/28以降の回を受け付けています)

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