気持ちは空だ【感想文の日⑬】
こんばんは。折星かおりです。
第13回目の感想文の日、感想を書かせてくださったのはカシコのnote.さんです。
普段はエッセイやコラムを中心にnoteを書かれているカシコさん。映像の制作も10年以上されていて、基本無料で制作依頼も受け付けてくださるそうです。映画の感想記事もいくつか書かれていますが、ストーリーだけでなくカメラワークなど制作の視点からも内容を捉えられていて、なるほど……!と思いながら読ませていただきました。ご応募くださり、ありがとうございます!
それでは、ご紹介いたします。
■焼き鳥が食べたいよね
無性に食べたいものがある。遊びたいものがある。世の中が大変な状況にある今日この頃だけれど、心の中はそんな気持ちに忠実に、素直にいていいのではないか、と言うカシコさん。例えそれが前向きでない気持ちだとしても、心は自由でいていい。まっすぐな言葉が並ぶ、気持ちの良いnoteです。
まず『焼き鳥が食べたいよね』というタイトルが優しくて、ふふ、と笑みがこぼれました。『焼き鳥が食べたい』ではなくて『焼き鳥が食べたいよね』と語りかけているところに、この文章に込められたカシコさんの気持ちがぎゅっと詰まっているように感じます。
記事の中で一貫して語られるのは「心は自由でいていい」という思い。中でもこちらの文章がとても素敵です。
心は自由だ。想いは羽だ。気持ちは空だ。雨が降っていてもいいし、めっちゃ晴れ渡っていてもいい。時には突風だって吹くかもしれない。
想いは羽、気持ちは空。すごく美しくて「心は自由」という文字の純度がぐんと増したようでした。この記事のタイトルにも引用させていただきました!
■二十歳の夜の約束
「成人したら、一緒に飲もうぜ」。カシコさんが高校生だった頃、「お酒が強いらしい」お母さまと交わした約束。その約束を果たす前、20歳の誕生日に雑貨屋を訪れてご両親への感謝のプレゼントを探していると、小さな漆塗りのグラスを見つけたそうで……。
投稿されてすぐに一度拝読していたのですが、今回もう一度読ませていただいて、やっぱり素敵なお話だなぁ、としみじみ思いました。20歳を迎えたカシコさんは、自分の誕生日にご両親へのプレゼントを探すのですが、その気持ちがすごく立派なんです。
20歳の誕生日、それは僕が生まれて20年が経ったというのを表すと同時に、両親が20年僕を育ててくれた証でもあった。
きっとこのカシコさんの気持ちが雑貨屋の店員さんに伝わって、漆塗りのグラスを勧められたのだと思います。それから、店員さんの粋な計らいも。
最後のシーンでは、ご両親とカシコさんの弾ける笑顔が目に浮かぶよう。
ちょっぴりのビールと漆塗りのグラスが印象的な、ある夜の初めての乾杯の物語です。
■僕はあなたの「でも」が読みたい
エッセイ、小説、ビジネス系の記事……。様々な文章が集まるnoteでカシコさんが読みたいものは「流れに抗う人の記事」だそう。題材は気にしないけれど、毎日起こるたくさんの出来事の中の「でも」が含まれた文章に魅力を感じるのだと言います。
これまで「でも」という言葉に対してあまり良い印象を持っていなかったのですが、文中では「でも」はこのようなものだと描かれます。
「でも」
これはその人の抵抗の象徴だ。
社会や世間で当たり前とされていることに対して疑問を抱く。
「常識」を疑って、自分なりの答えをみつけようともがく。
相手は「常識」や「当然」、それから「普通」。とてつもなく強大な相手だ。
それでも、大きな流れに逆らいながら、考えて、考えて、考える。
「でも」は悪くない。「でも」があるからこそ、輝く文章がある。そう紡がれたこの記事を読んで、自分の普段の考えや書くものの温度はどうだろうか、と考えさせられました。
毎日がすさまじいスピードで過ぎ去っていくけれど、立ち止まって自分の違和感と向き合うことをいつまでも手放したくない、と私も思います。
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