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力を宿して【感想文の日⑰】

こんばんは。折星かおりです。

第17回目の感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはニワオニコさんです。

少し前までお住まいだったフランスのこと、今年から働き始めた会社、仕事のことなどたくさんの記事を投稿されているニワオさん。時に優しく、時に強い意志を持って紡がれた言葉には、きらりと光を放つようなエネルギーが秘められているように感じます。いつも拝読しているのですが、今回ご応募くださり嬉しかったです。ありがとうございます!

それでは、ご紹介いたします。

■いつかここに住んでいたことを思い出して、きっと泣いてしまう

引っ越してきて約一カ月になる、というニワオさんの今の家。まだまだ片付けの途中でカーテンもレースしかかかっていないくらいだけれど、周りの環境も気に入っていて、家にいると「引っ越してきてよかったなぁ」と思うそうです。それでも、そんなに気に入っているのにどうしても薄れない「仮住まい」のような感覚があるそうで……。

まずはご指定いただいたこちらの記事から。

家にいると、「あー、ここに引っ越してきてよかったなあ」とよく思う。
家の立地とか、部屋の間取りとか、設備とか、本当にちょうどよくてしっくりくる。

冒頭でこう綴られる、ニワオさんの新しい暮らし。しみじみと喜びをかみしめるシンプルな言葉に、こちらまで嬉しい気持ちになってしまいます。続けて描かれる街の様子ものどかで、穏やかな場所での暮らしを楽しんでいるニワオさんの様子が伝わってくるようです。

それでも、心のどこかにある「いつか終わりが来る」という確信。まだその終わりは見えていなくても「きっと泣いてしまう」ほどに大切なこの街での暮らしがずらりと並ぶ部分では、ぎゅっと胸が締め付けられます。

窓の外から聞こえる音とか、家の周りを散歩した時の景色とか、週末遠出して帰ってきた時の駅のホームとか

同じ街に住んでいるわけではないはずなのに、読んでいると自然と景色が浮かぶような美しい描写だと思いました。そのとき私の頭の中にあるのはきっと、ニワオさんと同じように「思い出したら泣いてしまうくらい」に大切な風景。

「きっと失われてしまう」と確信しているからこそ気づく愛おしいものを、いつか来るその日まで、私も大切に握りしめておきたいと思いました。

■みんなでご自愛しようよ

いろいろな理由で疲れているあの人やこの人、それから自分。周りの人が疲れていたら労わったり、その人が背負うものを代わってあげたいけれど、なかなかそうもいきません。だからせめて、「疲れを分かち合おう」というニワオさん。読んでいると優しくなれる「ご自愛」のすすめです。

これまで当たり前だったことががらりと変わってしまった今年、疲れている人はすごく多いはず。慣れない環境、ぴりぴりした雰囲気、様々な制限。我慢していることが多いからこそ、「疲れた」と言うことを許すのってとっても大事だと私も思います。

疲れたねえ、って言い合って、休もうぜえ、って言い合いたい。

コミカルな言い回しに、読んでいてふふ、と頬が緩みました。呟いてみると本当に疲れが抜けていく気がします。

最後にちらりと覗くニワオさんの「ご自愛」する一日も素敵です。うんうん、いいですね!と頷きながら読みました。

みんなでご自愛して、素敵な休日を過ごしましょう!

■フランスでいちばんおいしかったもの

フランスにいた、というとしょっちゅう聞かれるという「いちばんおいしいものはなんだった?」という質問。外食はほとんどしなかったからレストランの具体的なメニューを答えることはできないけれど、ニワオさんは現地の「焼きたてのバゲット」に魅了された、といいます。バゲットとの初めての出会いは、語学学校のアクティビティだった街歩き。おしゃれな街並みまで目に浮かぶような「おいしい出会い」が描かれた、素敵なお話です。

今回読ませていただいた中で、個人的にすごく好きな記事でした。色々な国から集まった語学学校の生徒たちと参加した街歩きで、道に迷い、偶然出会った焼きたてのバゲット。

"ねぇ、これまだあったかいよ"

そんなセリフを交えて描かれるバゲットのおいしそうなこと!ざっくり割った表面からほかほかと湯気の立つ様子を想像すると、お腹が空いてきてしまいます。

現地で何度もバゲットを買ったけれど、どれもこのときのものには敵わなかったそう。心温まるその理由はぜひ、こちらの記事を読んで確かめてみてください。

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毎週土曜日の「感想文の日」、感想を書かせてくださる方を募集しています!(現在、11/7以降の回を受け付けています)

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