見出し画像

2.崩壊の音

「再構築」とは、一度壊れてから始まる

「再構築」するためには、まず既存のものを取っ払う必要がある。
古くなった上物を壊して、その土地をキレイにさら地にしてから、再び基礎工事をし、その上に新たな建物を建てる。この基礎工事がいかにしっかりしているかで、上物の強度も当然変わってくる。

私の場合、今から約8年半ほど前、今思い返せば長男1回目の不登校のタイミングで一度「崩壊」していたのだ。

寝られないし、夜明け前には目が覚める。食欲不振なども重なり、周囲からも「病気か?」と言われるほど一気に痩せてしまった。過呼吸になったのをきっかけに、長男とともに一時期はカウンセリングにも通ったが、大人のカウンセリングはぶっちゃけ費用も高い。それに加え、次男も小学校に入学したり、長男は自力では朝動けなかったりと、子供達のサポートをするにあたり、自分のことにかまっている場合ではなくなった。

結果的には基礎工事もろくにできずにだましだまし、なんなら既存のものを取っ払い切れないまま、新たな建物を建てた“フリ”をしていた。
どんなに嵐が吹き荒れても、私の建物は大丈夫と言い聞かせていた。
当時はそうせざるを得なかったし、それ以外の方法を私は知らなかった。

なるべくしてなったのか

長男はいったん回復したかに見え、小学校は元気に卒業することができた。しかし中1の3学期からまさかの2回目、2年2ヶ月の不登校期間に突入した。その後、紆余曲折ありつつも、高校はどうにかこうにか通えるようになっている。(もちろん?不登校傾向ではあるのだが)
次男の方は順調にいくかと思いきや、なかなかそううまくはいかない。コロナ禍後にまったく収集がつかない学級崩壊に遭遇、面食らった次男も小5から教室に入れなくなった。卒業前の1週間ほどは奇跡の復活を見せ、そのまま中学へ入学するも、3日後からまた教室に入れなくなり現在進行形。

このあたりはリンクの『おとな こども ふたたび』の方で今後詳しく書いていくが、その日までに約8年が過ぎていた。

2022年の残暑厳しいある日。
その頃、仕事でも気持ち的にかなりしんどいことが続いていた。仕事から帰宅後、夕飯を作りながら突然涙がボロボロ流れ出した。子供達がビックリして駆け寄ってきて、私をあやすように背中をさすったり、頭を撫でたりしてくれる。されればされるほどどんどん涙があふれ、まったくコントロールが効かなくなった。30分以上泣きじゃくっていたのじゃないだろうか。

思い返せばその前年末から危ないことは起きていた。
貧血で倒れ、首の後ろのリンパが腫れ、車を運転している中に玉突き事故の最後尾に参戦。
道を歩いているお年寄りを見て、漠然と頭に浮かんだ言葉は「もう無理」。眠れない。夜中に何度も目が覚める。食欲減退により激ヤセ。
それらすべてが序章だったように思え、急激に負の流れに巻き込まれていったような感覚。
自分がこれから先、まだ何十年か生き続けることが全く想像できなくなっていることに気が付いた。

仕事のタイミング、ワンオペ家事・育児など・・・抑えていたもの、溜まりに溜まったものが一気に爆発した2022年。
この時、確かにメンタルが「崩壊」する音を聞いたような気がした。


もしお気に召しましたらサポートいただけますと、とても喜びます✨いただいたサポートは自己研鑽のために活用致します!