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9.10円玉の幸せ

結構前の出来事ですが、
今も心に留めている大切な「じぶんごと」のお話です。

我が家は母子家庭であり、母は外で仕事、
家の中のことは祖母が面倒みてくれていました。
いわば祖母が母親がわりでした。

祖母は、私が高校の頃に癌と診断されました。
一度大手術をしており、
私は高3夏期講習の受講のタイミングを
うまい具合に調整し、付き添っていました。
その後、祖母は無事退院。
祖母にとっては大変不自由な生活には
なっていましたがそれなりに元気に過ごしていて、
私の大学の合格発表は一緒に見に行ったほどでした。
私の受験番号を見つけた時に祖母が泣いていたことを
今も思い出します。

私が大学に入学してしばらくしてから、
祖母の癌の再発がわかりました。
さんざん面倒みてくれ、育ててくれた祖母でしたので、
私は付き添い介護を行うことも視野に入れ、
担当教授に休学の相談をしていました。
周りの同級生に詳細は話していませんでしたが、
当時仲良かった男友達が私の暗い様子に
気付いていたんですよね。

たまたま朝、電車で一緒になって
そのまま通学路を歩いていた時、
急にその友人が自分の10円玉を取り出して、
道の途中にあるお店のビニール製の日除けに
ポーンと放り投げて私に言いました。

「明日からアレ見たら、10円玉がまだある!って、
ちょっと嬉しくない?小さな楽しみになるでしょ」

…この行動、すごくないですか!?
恐らく彼も20歳前だったと思います。
こんなことサラッとされたら、グラッときて・・・
もおかしくないけど、来なかったんですよね、
不思議なことに(笑)
しかし、このことで彼から学んだことは大きかったと思います。

相手の状態をそのまま受け止め、
深く探るわけでもなく、
別の方法で楽しめる道をつくる

彼から学んだことは、大人になるにつれ、
その大切さを感じています🌸
「どうしたの?」「大丈夫?」
と問われても、うまく答えられないことも多いと思います。
頑張り屋ほど、平気ぶってしまうことも多いですよね。
私自身もその頃、仮に彼にそう聞かれていたら
うまく答えられなかったと思います。

落ち込むことがあった時は人間ですもの、
どうしてもそこにフォーカスしてしまいがちです。
そうすると、いつまで経っても自分の辛い気持ちからも
逃れられなくなることってありませんか?
そういう時には、辛いことから少し目線を外せたり、
違う方向を見るきっかけを作ったりしてみる
ことも
良い方法なのかもしれません。
楽しいことや幸せは大きいから良いというわけではなく
(いや大きい方がいいですけどね♬)
大小問わず自分で作りだしたり模索するからこそ
価値がある
のかもしれませんね😊

もう今から〇十年も前の話です(こわいっ)。
今でもこの出来事はハッキリ覚えているし、
しんどくなったらふと思い出します。

我が子に対しても、周囲の人達に対しても、
辛そうな時には自然に寄り添いながら、
小さな楽しみを一緒に探していけたらいいなぁと思います✨


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