ぼんちゃんの事を書いておこう
ぼんちゃんの事を書こうかなって何度か思った
思いながら、この3ヶ月ほど、ずっと気が進まなかった
今もまだ、躊躇する気持ちが半分
ぼんちゃんについては書きたい事がたくさんあって
思い出もたくさんある
それらも書き留めてみたいと思いつつ
書き記すと
大切な私たちの思い出が変質してしまうだろうし
そしてまた
記憶の中にあるからこそ、それは一層輝くということもあるから
それに
私だけが「それ」を知り、大事にしていたら良いことだ
という思いもあって
なかなか重い腰が上がらなかった
忙しかったということもある
そして今も忙しい日々が続いている
でも、書いてみようと思って
今日はここから始めてみる
書いておこうと思ったことは
実はぼんちゃんの闘病生活のことだ
ひょっとしたら
誰かが私たちと同じ様な状況に陥り
何かしらのヒントや手がかりが欲しいと思った時に
これが何かの役に立つかもしれないって思ったから
でも、途中で心折れるかもしれない
その時はごめんなさい
元気だった頃
ぼんちゃんは我が家の猫で
名前は Lorenzo
でも、いつの間にかぼんちゃんって呼ぶようになった
我が家の気高く、気概のある、自由気ままなぼん
ぼんちゃんはこの春でちょうど11歳になる
そしてこの2月
腺がんと診断された
左足指から始まったらしく
らしく、というのは、人間と違って
結局のところ、おそらくという診断しかできないのだろう
症状があまりにも早くに進行し
何もかもが、後からついてくる形になって
もう、はっきりした時には
詳細な検査をするまでもなくなっていた
足指を怪我したんじゃない?
ある日そんな風にして始まり
1週間ほどしても治らず、元気もないので
獣医さんのところに連れて行った
腫瘍かもしれないと言われて
その日はとりあえず傷口を治療をしてもらい
次の診察の時を待つ
そこからは
本当に目まぐるしく過ぎた
1週間ほどの間に
足の先が腫れ上がって
背中とお腹にごろっと触るものが複数できた
急いでいくつかの塊りから細胞をとって検査に出すものの
検査の結果がでるまでに二週間ほどもかかって
その間にも、塊りがどんどん増えて行った
検査を待つ間は本当に長かった
毎日毎日じりじりしながら待った
こんな風に待っているとどんどん悪化してしまう
「手術してください」とお願いし
そうする筈だった前日の夜遅く
獣医さんから連絡があって病名が明らかになった
私たちは号泣し
そしてぼんちゃんは自分に何がおこっているのかわからないまま
熱っぽい体を持て余してぐったりしていた
足の腫瘍はどんどん大きくなって
私たちは治療はとても厳しいもので
その過程はとても過酷なものになるだろうと覚悟した
どうか、あの子ができるだけ苦しまずにいられますように
私たちは、くる日もくる日もそればかり願っていた