【今朝の1曲】 3月18日(土)〜3月24日(金)

3月18日(土)

フラが歌詞の意味を伝えるように、衣装も「伝える」役割をもつ。

たとえば、海の歌なら青い衣装。レフアが重要なモチーフとして登場する歌なら赤い衣装というように。

今朝の曲 Kahi Kai A'o Māmalaは、Kalākaua王を称えるmele。衣装のブラウスは、「洋服を着ていた時代」のmeleだということを伝えている。

鳥の羽のマントをはおったKamehameha大王がハワイ王国を樹立してからわずか64年後。Kalākaua王はタキシードを着ていた。

昔はこの動画を見ても超高速pū'ili にばかり気をとられていたけど、今はちがうところに目がいく。パフドラムとpū'iliを組み合わせるなんて、どうしたら思いつくのだろう。その組み合わせで Kahi Kai A'o Māmalaやるなんて、ますます私は思いつかない。クムフラってやっぱりすごい。

目にも留まらぬ速さのpū'iliは(比喩でなくほんとに留まらない)、もしかしたらハワイがものすごいスピードで変わっていった事を表現しているのかもしれない。と、「新たな視点」で見ることができた嬉しい朝です。

3月19日(日)

今朝もKalākaua王を称えるmeleです。

タイトルの「He'eia」は、Hawai'i島Konaのサーフポイント。そこで王が波に乗ったり女性に乗ったり乗る女性を間違えたりする歌。

ハワイ文化においてサーフィンがうまいことは、王として重要なことだった。子孫を残すことはもっと重要で、身分が高い人の生殖器には名前が付けられ、グッジョブ祈願のうたや踊りが作られた。

Kalākauaの生殖器の名前はhālala。大きなくちばしという意味。Ha'inaに登場します。

3月20日(月)

子孫繁栄を祈願する歌は、mele(うた) ma'i(生殖器)とよばれる。

今朝はKalākaua王の弟Leleiohokuのmele ma'i。兄の「大きなくちばし」に対し、弟は「まばゆい金の延べ棒」。上品なフラで「金の延べ棒すごすぎ」という歌詞を伝えるコントラストがすごすぎです。

ちなみにブラウスにロイヤルカラーのレイで踊られるkahikoは、ほぼ「王族もの」。衣装もレイも素敵です。そしてKumu Keali'iのlei Po'o。おなじロイヤルカラーでもレフアを持ってくるなんて。レイで貴重さを表し、同時に王族への敬意を示す。すごすぎです。

3月21日(火)

Mele ma'iといえば、Ke Kai O Kahiki の Tū 'Oe。

タイトルを直訳すると、あなたは('oe)立っている(tū)。立ってどうするかを踊っています。

にこりともせず踊り続けるイケメンがただただかっこいい。

Aia Moloka'i Ku'u ʻIwaからのメドレーなのも豪華！

3月22日(水)

Hilo Hulaは、その名のとおりハワイ島ヒロを称える歌。ヒロにちなんだ名前がいくつも出てくる「ご当地ソング」です。

さいごの4番に出てくるのは、lehuaとKanilehua。lehuaは、ハワイ島のシンボルフラワー。Kanilehuaは、ヒロに降る雨の名前。歌詞は次のとおり。

Lei ana i ka lei nani ʻeā, ka pua o ka lehua 'eā
lehuaの美しいレイをかけて

Ha'ina mai ka puana 'eā, No ka ua Kanilehua 'eā
Kanilehuaにささげる物語を伝えます

なんてシンプルで美しい終わり方なんだろう。ヒロでKanilehuaに出会ったら(ほぼ100%会えると思う)、このフレーズを口ずさみたいな。

この曲を作ったのはJoe Kalima。今朝はJoeさんの孫(その名もLehua Kalimaさん！)が歌い、ひ孫が踊るHilo Hulaを。Lehuaさんのlei po'oも、ひ孫くんのプルメリアのレイも日本人の私から見たらこの上なく豪華だけど、きっとそのへんで摘んできて編んだのだろうなあ。これぞ贅沢！

3月23日(木)

Lehua KalimaさんはNā Leoのメンバーでもある。今朝の曲は、Nā Leoの代表曲のひとつ I Miss You, My Hawai'i。

Lehuaさんの歌声と合わせて、ぜひ動画の景色を見てほしい。風がもたらす波が美しい海辺。歌とフラ。楽しみくつろぐゲスト。太陽の光。ハワイの素晴らしさがぎゅっとつまっているから。

ちなみにこの曲の作者KennethさんもHilo出身のミュージシャン。なんと今はKawaiaha'o教会で牧師さんをしている。昨年'ūnikiを終えた朝に教会の礼拝に参加して、クリスチャンだったkumuのkumuが作ったmeleを踊らせていただいた。こんなふうにフラは人生に貴重な経験をもたらしてくれる。つぎは経験する機会を講座の仲間にもたらしたい。

3月24日(金)

Kīlauea火山でPeleに捧げるmeleを踊る。

「ここでこれを踊ることに意義がある」の最高峰だと思う。

E kūlipe'e nui 'ai 'āhua
(溶岩が)大きくうねり侵食する

E Pele e, e Pele ē
おおPeleよ、おおPeleよ

歌詞に出てくる場所で踊る時、hulaはその地への捧げものとなる。Hulaはギフトなんだと、踊りながら実感すると思う。
いつそんな日が来てもいいように、練習と勉強を続けて準備を整えておくんだ。

今週もおつかれさまでした。

また来週！