クリスマスケーキをつくるのは、誰?
久々に、耳を疑うような言葉を聞いた。
クリスマスイブ。チームにいる男性で、お菓子づくりが趣味だというAさんがケーキをつくってきてくれた。
彼のお菓子はいつも美味しくて、皆でわくわくしながら頬張った。
こんな美味しいケーキがつくれるなんてすごいなぁと思いながら食べていると、別のメンバーの言葉が耳に飛び込んできた。
「本当は、◯◯さん(私)がつくってくるべきなんだけどね」
すかさず、別のメンバーが言う。
「皆んな思ってたのに言わなかったことを〜(笑)」
耳を疑った。正直、この後のケーキの味は覚えていない。
私はチーム唯一の女性で、そもそも女性自体が部でも50人くらいの中3人しかいない。
それしかいない女性は、気を遣ってケーキをつくってこなければいけないのだろうか?
なぜ?たまたま女性なだけだというのに??
性別がどうというような話は一定のレベルまで理解が進んでいた気が勝手にしていたが、根本的な問題は全く解決していなさそうだ。
ジェンダー平等の実現には、「引き算」が必要
ちょうど、Twitterでこんな記事が回ってきた。
今回のことをよく考えて思ったのだけれど、今既に蔓延っている価値観に変革を起こすには
①今ある価値観を引っこ抜く
②新しい価値観を植える
ことのどちらか、もしくは両方が必要である。
自分を振り返って見てもそうだが、②より①今ある価値観を引っこ抜く、これはすごく難しい。
例えば今回は良い例で、(すごく端的に表すぎているが)
①女性は料理をするべきだ。気遣いをするべきだ。という価値観をなくす
②男性もお菓子づくりが趣味でもいいじゃない
②は問題なくできているけれど、①はできていないということになる。
できている、できていないというのはこれまた難しくて、「知識としてあるので口には出さないけれど、実は価値観の変革には至っていない」というパターン、これは表面的には「できている」ような気がしてしまう。
今回で言うと、「皆んな思ってたのに言わなかったことを〜(笑)」こいつである。
怒りに任せてここまで書いてきて気づいたが、確かにこれは難しい。
新しい価値観を植えること、知識としてあるので口には出さないこと、つまり「足し算」は情報があれば比較的誰でもできる。
しかし、今ある価値観を引っこ抜くこと、のような「引き算」に関しては何か方法があり、その通りに行動したとしても結果が伴うとは限らない。
例えばとある野菜ジュースが健康に良いと信じて20年飲み続けてきてめちゃめちゃ健康な人は、もしその商品がめちゃめちゃ健康に悪いという事実をある日突然突きつけられても、心からそれを疑うことは難しいだろう。
そう思うと、今回の出来事の時にわざわざ言葉にして投げかけてきたことに関してはまじでもう少し常識を勉強した方がいいぞという感じだが、
根本的な価値観の変革が無いことに対しては怒りというより悲しみの感情の方が適切な気がする。
2020年は、引き算の方法を考える1年に
ただケーキを食べていただけなのに壮大な話になりすぎてしまった感があるが、年の終わりに久々に大きな怒りを感じて色々と見直すことになり良かったような気がする。
最近キャリアややりたいことでも色々と考えることがあって、思考が繋がってきたような気がするのでできるだけ、文字に残す努力をしよう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?