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【メタル/ヘヴィミュージック】 2021年グッときたアルバム


皆様

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

と言ってももう明けてから大分経ちますが、、

2021年にリリースされたメタル/ヘヴィミュージックアルバムでグッときたものを紹介しようと11月くらいから思いつつ「12月後半に出るアルバムもあるからな!」とか言い訳しているうちに年が明け、ダラダラしているうちに仕事が始まりバタバタして今に至るという自堕落ぶり。

しかしこのままスルーなんて出来ない素晴らしい作品が2021年には多数リリースされたので早速紹介していこうと思います。

いざ挙げてみたら結構な数になったのでざっくりジャンルに分けています。noteを書き始めて初の1万字越えになってしまいました、、。

それではどうぞ~

・スラッシュメタル(デスラッシュ含む)

Nekromantheon「VISIONS OF TRISMEGISTOS」(ノルウェー)

※バンド名「アルバムタイトル」(出身国)

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衝撃度では2021年一番だったかもしれないバンド。音楽性としては初期SLAYERや初期SEPULTURAのような、ちょっとブラックメタルがかったスラッシュメタルなのですがポーズでは出しえないテンションの高さと今時ここまで粗野で闇雲な感じのスラッシュメタルバンドがまだいたのか!と驚き&嬉しかったのでした。あと「人力でちゃんとやってんなあ!」というのが伝わってくるところも好きです。アートワークはSLAYERの「Reign in Blood」のオマージュですね。


The Crown「Royal Destroyer」(スウェーデン)

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スウェーデンが誇るベテランデスラッシュバンドThe Crown!前作からラインナップもプロデューサー(フレドリック・ノルドストローム)も不変で臨んだ11thアルバム。スウェディッシュデスメタルの源流を継ぎながら暴走ロックンロールのテイストもまぶした独自のサウンドに磨きがかかっています。


Bonded「Into Blackness」(ドイツ)

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1996年から2018年まで22年間に渡ってソドムにギタリストとして在籍したベルネマンが結成したスラッシュバンド。サウンドはというと疾走感のある突撃型激烈スラッシュ!やはりソドムっぽさも感じられるけど、20年以上在籍したバンドをやめて自身も60歳に差し掛かろうかというタイミングでおそらく20~10歳くらい年下のメンバーを率いてこういう作品をかましてくれるのはなんとも頼もしい!


EXODUS「Persona Non Grata」(アメリカ)

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ベイエリアスラッシュバンドの7年ぶりの新作。こんなに時間がかかったのはやはりゲイリーホルトがSLAYERに参加していたからでしょう。ジェフハンネマンの抜けた穴をしっかり埋め、SLAYERの最期を看取って自分のバンドに戻ってきました。「BIG4には●●ではなくてエクソダスが入るべきだ」とか「エクソダスも入れてBIG5にするべきだ」という意見がずっと出てますよね。それくらい偉大なバンドだという事だと思います。今作もブランクがあったとは思えない相変わらずのエクソダス節が全開。エクソダスって、それこそBIG4のどのバンドとも違う独特のスウィング感があるんですよね。曲の組み立て方なのかドラムのトムハンティングのクセなのか分からないですけど。


Trivium「In the Court of the Dragon」(アメリカ)

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トリヴィウムがスラッシュメタルなのかと言われると微妙ですがマシューはメタリカラブだし良しとさせて下さい。忖度なしで言わせてもらうと個人的にはここ10年のトリヴィウムは微妙でした。進化しようという姿勢は良いのですがそれを上手く楽曲としてまとめあげられていない印象であったり、ドラマーが中々固定出来なかったりと、、。もちろん良いバンドではありますが新作が出たら1、2曲聴いて終わりという事が続いていました。が、今作「In the Court of the Dragon」は久しぶりにグッと来ました。全10曲隙がなく細部まで目が行き届いた作品になっています。変にこねくり回すことなくシンプルにいく所はシンプルに。そしてキャッチーになる事を恐れずに振り切っています。そうすると今度はエクストリームであったり劇的な部分との対比が際立ってダイナミクスが生まれ、そんなに速度が速くなくても疾走感が出たり、仰々しいSEがなくても壮大さを感じます。出てきた時が鮮烈だっただけに新世代メタルを背負うという重責の中マシューも色々大変だったと思いますが今や立派な20年選手。ロードランナーユナイテッドのコンサートで自分の出番なのにマイクをロブフリンに奪われて苦笑いしていたあの頃とは違うのだ(笑)!


・デスメタル/メロデス

Livløs「And Then There Were None」(デンマーク)

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元々注目してたメロデスバンドなんですが今回の最新作では一皮むけた印象。ヴォーカルが今作から交代していることも関係しているのかも。

激烈度8、慟哭度2くらいの割合が自分的に心地よく、テクニカル過ぎないオーガニックさがちゃんと残っているのも気に入ってます。

それからアートワークも素晴らしい。マリウシュ・レヴァンドフスキというポーランドのアーティスト。


200 Stab Wounds「Slave to the Scalpel」(アメリカ)

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2019年結成。メンバーは20代中盤と若いバンド。カンニバルコープスを彷彿とさせるオールドスクールデスメタルを体現している。革新性があるかと言われるとそこまででもないのだけど「伝統」を受け継いでいく事は大事だし、テンポチェンジするタイミングの妙やSE的要素の組み合わせなどにセンスが感じられ今後さらに化けそうな予感も。SOULFLYが自身のツアーの前座に彼らを抜擢したみたいです。ほぼ同じメンバーがやってる別バンドSubtype Zeroも中々に良いです。


・インダストリアル/ヘヴィロック/ハードコア

大好物のインダストリアル、それからかつてならばニューメタルと呼ばれたようなヘヴィロックや、あとはハードコア要素のある作品を紹介。

Ministry「MORAL HYGIENE」(アメリカ)

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インダストリアル界の笑う大魔王(このフレーズ、懐かしい)による3年ぶり15thアルバム。絶対的中心人物はアル・ジュールゲンセン。2000年代に一度解散したり、ここ最近はブッシュやトランプといった時の政権への怒りが先行して、持ち味であるブラックユーモアや人をおちょくるような悪ふざけ感が薄れていました。今作はその持ち味、魅力が復活しており素晴らしい出来になっています。参加メンバーにも注目で、ドラムはロイ・マヨルガ(ストーンサワー/元ソウルフライ)、ベースはポール・ダムール(元TOOL)、キーボードはジョン・ベクデル(フィアファクトリー、プロングのツアー参加など)と超豪華。さらにはゲストでジェロ・ビアフラ先生(元デッドケネディーズ)やデヴィットエレフソン(元メガデス)が参加していたり、イギーポップの「Search and Destroy」をカヴァーしたりと、まるで自分の脳内を覗かれたのか?と思うくらい好物が集まった作品になっています。今作については先日記事も書いているので今回は短くしようと思ったけど結局長くなってしまった、、


Fear Factory「Aggression Continuum」(アメリカ)

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インダストリアルメタルの先駆者フィアファクの6年ぶりとなる10thアルバム。ここ何作かは「突き抜けてはいないけど一定のクオリティの作品」をコンスタントに出しており今回もそこは変わらずです。Demanufacture厨(いけてMechanizeも)の自分としてはちょっと物足りなさも感じつつしっかり全作品追っています。しかし、これまで唯一フィアファクの全作品に参加していたバートンCベルが今作を最後に脱退。次回作は一体どうなるのでしょうか。2月からSTATIC-Xとのツアーが始まる事が決まっており「それまでに新ヴォーカルを発表する。そいつは無名の新人なんかじゃなく結構有名な奴だぜ」とディーノカザレスは豪語している。果たして。


Wargasm(イギリス)

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ミルキー・ウェイ(写真左)とサム・マトロック(写真右)からなる新世代ミクスチャー/エレクトリックパンクデュオ。まだアルバムリリースはありませんが2021年に何枚かシングルを出しているので紹介。プロディジー、アタリティーンエイジライオット、L7あたりをごちゃまぜにして化学調味料と体に悪そうな着色剤をぶち混んだ異物を涼しい顔して飲み込んだような怪物じみたユニット。この初期衝動を今後どう処理/展開していくのか楽しみです。


Death Blooms「Life Is Pain」(イギリス)

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イギリスのヘヴィロックバンドの1stアルバム。いわゆるニューメタルですよねこれ。聴いてると2000年代にトリップする事間違いなし。でも若い世代にはこれが新しく聴こえるのかも。バンド名はマッドヴェインの曲名からとったのかな。

さきほど上で紹介したWARGASMともコラボしています。


Filth Is Eternal 「Love Is A Lie, Filth Is Eternal」(アメリカ)

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アメリカのハードコア/パンクバンド。吐き捨て型ヴォーカルと縦横無尽にエナジーを放射するバック陣によるハーコースタイルがかっこいい。曲によっては沈み込むようなヘヴィネスを生む振り幅の広さもあるのでコンヴァージのカート・バローがやってるデスウィッシュレーベルとかと組んだらもっと面白くなりそう。


TURNSTILE「Glow On」(アメリカ)

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今ぐんぐん世界的に注目度が高まっている新世代ハードコアバンド。ハードコアのイメージ、定義を壊しながら再定義するポテンシャルをもったすごいバンドです。初期はともかくここ1、2年の作品では表面的な激しさはどんどん減っていきほんわかと歌い上げるパートが増え「T.L.C. (Turnstile Love Connection)」なんていう曲もあるほど(ただ、この曲はアルバム内では割と激し目な方なのでなんともひねくれてる笑)。アルバムジャケもピンクの空ですからね。それなのにメタル好きの耳にもいい感じに刺さるのでなんとも不思議。あと、このバンド名門ロードランナー所属なんですがプロデューサーやクレジットを見てもいわゆる「その界隈」の名前が全然無いのです。それもそのはずで各作品のプロデューサーを調べてみると手掛けた作品はドクタードレーに50セントなど。メタル系でいうとマストドンとかコードオレンジがある程度。この2バンドにしたってガチガチメタルではなく革新性が高いバンドな訳で。まだまだ若いバンド。この次にどんな方向に進化していくのでしょうか。



・プログレ/テクニカルメタル

Gojira「Fortitude」(フランス)

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フランスのバンドGojiraをはじめて知ったのは2008年頃。SOULFLYのマックスカヴァレラが実弟イゴールカヴァレラと10何年ぶりにタッグを組んだプロジェクトCavalera Conspiracyに、Gojiraの中心人物ジョー・デュプランティエがベース担当で参加した時でした。ジョーはSEPULTURAの大ファンで、マックスの作品に参加できるならと本来の担当ではないベースでの参加をしたんだそうです。それでGojiraも聴いてみたらまあかっこいい。当時は奇妙な変拍子バリバリで展開も複雑。でもグルーヴメタルの要素もあって面白いバンドだなーと思っていました。で、たしか2015年だったと思いますがSLAYERの新木場スタジオコースト公演でオープニングとして当時初来日だった彼らをみましてライヴでの演奏がタイトで音源よりも良かったぐらいなのを覚えています。あとクールぶらずに「日本に来れてめっちゃ嬉しいわー!」と笑顔で言っていたのもなんだか親近感を覚えたり。

で、本作ですが、メタル界のみならず幅広い分野から高い評価を得はじめていた彼らですが今回でその地位を不動のものにしましたね。評判めちゃめちゃ良いです。以前は先ほど書いた通り複雑怪奇なリズムと展開をこれでもかと詰め込んだ音楽性でしたが本質はそのままに明確にネタの数とテンポを落としてキャッチーなサビを配置して間口を広げてきました。これ、マストドンとほぼ同じやり方で、マストドンがドカンと売れてその後グラミーとるまでになった時も「自分としてのどストライク」から外れ始めた時でした(笑)だから今回のGojiraも売れるだろうなーと思っていたらやはり、でした。もうこのままどんどん羽ばたいて欲しいですね!


Mastodon「Hushed and Grim」(アメリカ)

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という事でGojiraの一歩先をいくマストドンの新譜。やはりこのバンド一筋縄ではいかない。サブスク全盛のこの時代に2枚組の大作をぶちこんできたのです。いや、今だからこそあえて彼らは「アルバム」の持つ可能性を最大限に活かした作品を世界に提示してきたのかもしれません。今作のプロデューサーはDavid Bottril。キングクリムゾンやTOOL、RUSH等を手掛けてきた伝説のプロデューサーです。ここからも彼らが進もうとしている方向性が見えますね。2枚組で全15曲80分強。壮大なヘヴィネスの旅に出るしかない。


Cynic「Ascension Codes」(アメリカ)

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プログレメタルの生けるレジェンドCynicの7年ぶり4枚目のアルバム。活動を開始した時から数えると35年近いキャリア(解散期間あり)でオリジナルアルバムは4枚と言う寡作ぶりもさることながらバンドにここ数年でおきた事は悲しすぎました。ショーン・レイナート(ドラム)、ショーン・マローン(ベース)というバンドの屋台骨を支える2人が2020年に相次いで亡くなってしまったのです。だが、残された中心人物ポール・マスヴィダルが立ち止まることなく作り上げたのが今作。アルバムタイトルにある「Ascension」とは昇天の意。亡きバンドメイトであり友人でもあった2人への弔いと涅槃での幸福を願った気持ちがこめられているのだろう。Cynic印である浮遊感のあるメロディと緻密に練り上げられた幾重もの音のカーテン、万華鏡のように次々と景色が変わっていく展開は唯一無二。


MOLYBARON「The Mutiny」(フランス&アイルランド)

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フランスとアイルランド出身のメンバーからなるバンド。テクニカルメタルとは言ったものの決して見せびらかす技術偏重ではなくロックのダイナミズムをしっかり兼ね備えており思わず体が動いてしまうような躍動感に満ちている。今作はまだ2ndアルバム。今後もっと飛躍してほしい。


Iotunn「Access All Worlds」(デンマーク)

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このバンドは2021年知った中では結構気に入っています。長尺でテクニカルな要素も魅力なんですが、なんせメロディが良い。深夜に部屋で1人で聴くと特に沁みます。マジで「Access All Worlds」。



Leprous「Aphelion」(ノルウェー)

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イーサーン(元エンペラー)のソロ活動時のバックバンドをやっていた・・という紹介はもはや不要でしょう。孤高の位置にたどり着こうとしている感すらあるLeprousの7th。分かりやすいヘヴィネスに拠ることを良しとせず楽曲やアルバム全体で大きな輪郭を描いているような印象。極寒の白夜のもと、チリつくように抑制した青白い炎が一気に大きな炎となって燃え盛るような、、。聴いていて情景が思い浮かぶバンドってすごいですよね。


SOEN「Imperial」(スウェーデン)

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元OPETHのメンバーによるバンド。活動初期にはあのスティーブディジョルジオが在籍したことも。音楽性としては北欧の冷徹&哀愁メタルという感じ。すごく透明度が高く、まるで澄んだ小川の水を飲んでいるようなテイストがあるかと思えば遠い山の向こうに夕日がゆっくり沈んでいくような枯れたエモーションの曲もあったり。聴いていて情景が思い浮かぶバンドってすごいですよね(2回目)。


Wheel「Resident Human」(フィンランド)

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フィンランドのバンドです。まだ2ndアルバム。絡み合い、まとわりつくようなTOOL系リフがあるかと思えばちょっとオルタナちっくな要素もあったり、そこに情熱的なヴォーカルが乗っかります。ヴォーカルもちょっとTOOLっぽいかな。上で挙げたLeprousやsoenと比べると良い意味で俗っぽさが強くとっつきやすいと思います。


OBSCURA「A Valediction」(ドイツ)

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テクニカルデスメタルの代表格のバンド。メンバー交代の多さの代表格のバンドでもあります。今回もお約束通り前作から中心人物シュテファン以外全員交代。10年ほど前に在籍したメンバーなどが復帰しての作品となりました。バカテク&とにかく激しい音楽性というイメージで、もちろん今作もそういう要素はあるのですがクリーンボイスの割合が増えていたり曲によってはパワーメタルかと思うようなまっすぐな疾走があったりと意外な部分での良さもありました。次回はどんな交代劇、、ではなくて作品を届けてくれるのでしょうか。アートワークはテスタメントや、最近だとハロウィンの最新作も手掛けたEliran Kantor。カッコいいです。


・ワールドメタル(?)

こんなジャンルないんですけど、欧米以外の地域を活動拠点にしており、かつ音楽にその国の特性が反映されているバンドを紹介します。

 Alien Weaponry「Tangaroa」(ニュージーランド)

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確か2019年に見つけて以来気に入っているバンドの2ndアルバム。グルーヴメタルに彼らの母国であるニュージーランドのマウリ族の歌唱や楽器をミックスした独自のトライバルメタルを追求している20代の若手バンド。即効性はそこまで高くないがきちんとメロディを意識して腰の据わった粘り気のあるサウンドはクセになる。ヴォーカル/ギターのルイスには新世代ヒーロー要素があると思います。現在あのGOJIRAのツアーに帯同中で今後ブレイクする可能性が高い。(どうやら最近ベースが交代してしまったようです)


Nine Treasures「Awakening from Dukkha」(中国・内モンゴル自治区)

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メタルは本当に世界に広がっているんだなあと思わされるバンド。大別するとフォークメタルという事になるのかな。正統派メタルにモンゴル語(多分)の勇壮な歌唱とホーミーみたいな(ホーミーとは一人の人間が二つの声を出して歌うモンゴルの歌唱法)声、それに楽器名すら分からない民族楽器がそこかしこで沢山鳴っている、、今作は完全新作ではなく過去楽曲を最新プロダクションでとり直したもの。どうしても初期作品は音があまり良くなかったりするのでこういうのはありがたい。そして案の定「Arvan Ald Guulin Honshoor」という名曲を発見。他の曲も全て良いので是非。


Bloodywood「Gaddaar」(インド)

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これはアルバムではなくシングルですがインドのミクスチャーバンド。外部から見たインド(自分たち)というのを分かった上で自覚的にやってる感じがしますね(それも大事な事)。混沌・ごった煮・バカ乱痴気騒ぎみたいなワードが思い浮かぶアジテーションたっぷりのミクスチャーサウンドがかっこいい。 「Gaddaar」が収録されたアルバム「Rakshak」は22年2月にリリースされる模様。楽しみ!


最初にこのバンドを知ったのはこの曲でした。勝手にインド版「Roots Bloody Roots」と名付けてます。


・正統派メロディックメタル/パワーメタル

基本的にエクストリームミュージックが好きな自分にとってはこれまであまり入れ込んでこなかったジャンルなんですが2021年は良いなあと思うバンド、アルバムに出会えました。元々このジャンルが好きな方からすると当たり前のバンドなのかもですが「メロディのある音楽も素晴らしい!」と感じたのでした。

Autumn's Child「Zenith」(スウェーデン)

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多分、このバンドの中心人物ミカエル・アーランドソンって大御所の人ですよね、、。Autumn's Childの前身バンドであるLast Autumn's Dreamというバンド名は聞いたことはあったしキャリアもめちゃめちゃ長そうです。

煌めきのあるサウンドにそこはかのない哀愁を帯びたヴォーカル。良いです。今後はこういうバンドも聴いていこうと思います。

OVERSENSE「EGOMANIA」(ドイツ)

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Youtubeの人気ギタリストでもあるジャスミンが結成したドイツのバンドの2ndアルバム。切ない旋律と拳を握るようなハードさの融合が良いです。

PVは少しグロめですが曲の良さは保証しますので是非。

これは前作(2017年)の曲ですが良いので紹介。


DEE SNIDER「Leave A Scar」(アメリカ)

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DEE SNIDERについてはカッコよさにビックリしたというのが正直なところ。もちろんトゥイステッドシスターズで一世を風靡した事も、今もソロ活動している事も知っていましたが勝手にちょっと時代遅れなイメージを持っていました。が、ちゃんと聴いてみたら時代遅れどころかバリバリに今でも走り続けるアーティストでした。力強い楽曲にいぶし銀ともいえるしぶい歌唱。しかもすごく上手い。もう1つびっくりしたのがヘイトブリードのジェイミージャスタがプロデューサーを務めている事。何でもジェイミーがDEE SNIDERのファンで、「あなたは今でも輝ける。俺が力になる」と鼓舞もしたそうです。だから音もしっかり今様になってるんですかね。でもDEE SNIDERの良い所を消すことなくしっかり活かしているのはさすが。


KKs Priest「Sermons of the Sinner」(イギリス)

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言わずと知れた元ジューダスプリーストのギタリスト K.K.ダウニングが立ち上げた新バンド。しかもヴォーカルがロブ不在期のプリーストを支えたティムリッパーオーウェンなんですから期待しないはずがない!そしてその期待に応えるどころか上回ってきたのが今作。K.K.も御年70歳。70歳で「Hellfire Thunderbolt」ですよ。最高じゃないですか。プリーストの創設者の1人であり数々の名曲を書いてきたのが彼なのだから曲がプリーストっぽいという指摘はナンセンス。そのプリースト要素に加え、ともするとK.K.がプリースト結成よりも前、キッズ時代に聴いていたのではと思うような古き良きブリティッシュロックの香りすらしてきます。40年近く在籍し、ましてや自分が作り上げたバンドからあまり良くない形で脱退。決して永遠に残っている訳ではない自分の残りのキャリア。そういった様々な思いが魂のこもった名作に繋がったのかもしれません。まだまだ何作も作って欲しい!

POWER PALADIN「Kraven The Hunter」(アイスランド)

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2021年も暮れに差し掛かった12月に発見したのがこのPOWER PALADIN。クサめのパワーメタルなんですがワクワクするテンションの高さもあるけど絶妙に力が抜けた何とも良い塩梅の楽曲。デス声とブラストビートあるいはダウンテンポが標準のようになってしまった現代メタルにおいて何とも新鮮に聴こえます。さらに興味深いのはこのバンドの所属レーベル。その名もAtomic Fire Records。今や世界的メタルレーベルとなったニュークリアブラストの創設者が離脱して立ち上げた新しいレーベルです。ニュークリアブラストには数えきれないほど多数の有名バンドが所属していますが基本的にはエクストリーム度高めのバンドが多く、「激しさ」「過激さ」のレベルを押し上げる役割を果たしてきました。つまり「やり方」を知り尽くしているはずの創設者が新レーベル所属新人第1弾として出すのがPOWER PALADIN。ここに大きな意味があるような気がします。

なおAtomic Fire Recordsにはニュークリアブラストから何組ものバンドが移籍しています。(いわゆる引き抜きってやつですね) ハロウィン、メシュガー、マイケルシェンカー、アモルフィス、OPETH等。豪華~。

POWER PALADINのアルバム「With The Magic Of Windfyre Steel」のリリースは22年1月14日ですがシングル曲を発表したのは2021年なので紹介しました。ひょっとしたら2022年の台風の目になるかも。アルバムが楽しみ!

そもそも最近遠ざかっていたパワーメタル、正統派メタルを聴こうと思ったきっかけとなったのはKKs PriestとPOWER PALADIN。大ベテランと新人の作品に触発されて未来が楽しみになるというのは素晴らしい事です。なので最近ブラインドガーディアンとかを聴きまくってますよ。

・ロック

メタルもロックだろというツッコミもありつつ。

Black Spiders「Black Spiders」(イギリス)

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このバンドのメンバーが昔やっていたGroop Dogdrillというバンドが好きでたどり着いたバンド。軽快なノリとグルーヴィー&ヘヴィなサウンドのロック!AC/DCとかモーターヘッドに通じるものを感じます。Groop Dogdrillではもうちょっと激しめの音楽性ではあったけど本質的な部分は変わってなくて嬉しい。

おまけでGroop Dogdrillも。昔からサビが「広島へ行こう」って聞こえるんすよね(自分だけ?)


Creeper「American Noir」(イギリス)

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イギリスのゴシックパンクバンド。シアトリカルさ、少し陰鬱としたロマンティックな感じが良いです。ミスフィッツとかTHE69EYES好きは気に入るんじゃないかと。


・人間椅子

人間椅子「苦楽」(日本)

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2021年個人的ベストアルバムはこれです。ジャンルは人間椅子です!っていつかやりたかった事をやってみました。ただ、本当にそう言い切っていいくらいの個性を持ったバンドですし今回の「苦楽」も素晴らしい出来でした。人間椅子の歴代作品の中でも1992年のアルバム「黄金の夜明け」のリードトラック「黄金の夜明け」が好きなんですが、今回の1曲目「杜子春」がちょっとテイストが似ていたり、のっけから7分近い長尺なのも一緒でニヤリとさせられます。そしてひと言目が「お父さん」ですからね。2曲目以降もいつになく軽やかかつ自分たちも楽しんでいる印象。もちろんヘヴィさはあるんですが。タイトルや歌詞もポジティブワードが多いように思います。「疾れ」「恍惚」「歓喜」など。極めつけが最後の曲「夜明け前」。「暗さに耐え抜け」「寒さに耐え抜け」「朝は近い」と。コロナ禍で世界が混乱と絶望に落ち、日本でもエンタメ界・興行界は大打撃を受け、きっと人間椅子も見えない所でダメージを被っている事と思います。でもそんな中で我々に届けられたのはこの前向きなメッセージ。今よりも脚光を浴びていない時期を長く過ごしたことのある和嶋さんだからこそのしなやかな強さと相手への気遣い・優しさが感じられます。余談ですがコロナが猛威を振るい始める直前の2020年2月に人間椅子はドイツとイギリスで初の海外ツアーを成功させています。特にイギリスは人間椅子にとって重要なバッジーとブラックサバスを生んだ国。メンバーの感慨もひとしおだったんじゃないでしょうか。実現できて本当に良かった。そして早くまた国内外でライブをコンスタントにやれるようになって欲しいものです。



この記事にも出てきたいくつかのアルバムについてはポッドキャスト「悪童トーク」でも話しています。良ければ聴いてみて下さい。


いやー、結構な数になってしまいました、、。

長文を読んで下さりありがとうございました。

2022年はこんなにためこまない様にこまめに記事を書いていこうと思います。

今年もリリースが楽しみな作品が目白押しだしそろそろライヴにも行きたい!(来日は、、まだ当分無理かな、、)

メタラーの皆様にとっても良き1年となりますように。


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