更衣室までナプキンを取りに行く手間が減った(さくらさくみらい水道)~保育施設でナプキンの設置「職場のロリエ」導入事例~
保育士の働き方改革を推進する株式会社さくらさくみらいが、新たな取り組みとして「職場のロリエ」を導入しました。この取り組みは、職場のトイレにナプキンを設置することで、保育士の働きやすさを向上させることを目的としています。2023年4月からは、88園全てで導入が開始されています。
今回は株式会社さくらさくみらいの西尾代表取締役社長、さくらさくみらい水道の横尾園長、5歳児クラス 田中先生にお話を伺いました。
保育士が働きやすい環境づくりとして取り組んでいることについて教えてください。
西尾代表:
持ち帰り残業の禁止や、1分単位での残業、1時間単位での有給など、一般企業では採り入れられていて、保育業界ではあまり採り入れていない事を積極的に導入し、働き方の改善・ルール化に取り組み「ホワイト企業化」を目指してきました。このような適正に働ける仕組みづくりが、子どもと接する仕事をする上での環境で最も大切だと感じています。
他にも、保育者たちが少しでも気持ちよく働けるように、誕生日にはプレゼントをお贈りしたり、コロナ禍にはおいしいものをプレゼントしたり等さまざまな企画を実施し、大変な環境の中でも前を向いて仕事が出来るような取り組みも行っています。定期的なアンケートや相談窓口、面談を通して、悩みを共有し共に解決していく機会も設け、よりよい職場環境づくりを目指しています。
園内のトイレにナプキンを設置する取り組み「職場のロリエ」を導入した理由を教えてください。
西尾代表:
保護者の皆さんの負担を少しでも減らしたい、と始めたおむつのサブスクがきっかけとなり「職場のロリエ」を知りました。目の前の子どもたちが最優先、という保育者だからこそ抱える、大きくなくともストレスに感じることはいくつもあるかと思います。
中でも生理に関する悩みは、男性にはなかなか理解が出来るものではないですが、女性ならではの生理現象による体調不良やパフォーマンスの低下で苦慮されている事をお聞きしました。
「そんな悩みを少しでも解消できるなら!」とすぐに導入を決めました。また、暑い時期でも全力で子どもたちと遊ぶ保育者の汗対策もストレスの一つと聞きましたので、いつでも自由にボディーシートを使えるように、園内に設置をすることにしました。体力的にも精神的にも、大変な仕事である保育者の気持ちを少しでもサポートできていれば嬉しいなと思います。
「職場のロリエ」導入事例:さくらさくみらい水道
園名:さくらさくみらい水道
施設形態:認可保育園
園児定員数:70名
職員数:22名
「職場のロリエ」を導入する前、業務中の生理の悩みはありましたか?
田中先生:
私自身ちょっと生理不順なので、急に生理がくることもあって、その時にナプキンを持っていなくて困ったことが結構あったなと思います。
あとは、更衣室が4階にあるので、そこまで一度ナプキンを取りに行くのが大変でした。しかも更衣室に入るためには靴を履く必要があるので、靴の脱ぎ履きにプラスで時間がかかってしまい、周りに迷惑をかけてしまっているなと感じていました。
「職場のロリエ」が導入されると決まったとき、どのように感じましたか?
横尾園長:
最初「トイレにナプキンが常備されるようになるよ」って職員に話した時、「よかった!」とか「嬉しい!」という言葉がすぐに出てきたので、皆さん何かしら生理に関する問題を抱えていたのかなと感じました。職員の皆さんが導入されて良かったと言ってくれたので、各階のトイレにナプキンを設置することにしています。
導入後、保育士にはどのように案内をしましたか?
横尾園長:
朝礼で「各階のトイレにナプキンを置いていますので、いつでも使っていいですよ」とお伝えしました。私たちの園は職員の数が結構多いのですが、皆さんすぐに「わかりました」という感じでとてもスムーズでした。
「職場のロリエ」を導入して良かったことを教えてください。
田中先生:
導入されてからは、わざわざ更衣室にナプキンを取りに行く必要がなくなったというのと、トイレに行けば置いてあるので、気軽に使えるというのがすごく良いですね。
今までは更衣室に取りに行く手間を減らす工夫として、ズボンのポケットに最低1個はナプキンを入れるようにしていましたが、入れ忘れてしまうこともあるし、かさばるな…と思って悩んでいたので、本当に導入されて良かったです!また、急な生理でナプキンの持ち合わせがないときは、保育士同士での貸し借りもしていたので、それがなくなったことも負担が減ったと感じます。
あと「職場のロリエ」が導入されてからは、ナプキンを頻繁に替えられるようになったので、保育中に「漏れないかな…大丈夫かな…」という心配ごとが減ったことも大きいですね。先日、保育士の友達にこの取り組みについて話をしたら、その子の園では実施していないみたいで、「いいな!」と言われました。
横尾園長:
「職場のロリエ」の導入をきっかけに、「今月生理が重いんだよね」「ちょっと今日は体調悪いんだよね」など、少しオープンに自分たちの体のことについて話すようになったと感じます。またトイレに行けば、いつでもナプキンを交換できるという安心感は、皆さんの気持ちのゆとりにつながったのではないかなとも思います。
まとめ
さくらさくみらい水道の先生たちへのインタビューの中で、「職場のロリエ」を導入したことによって、保育中の心配ごとが減ったというお話をいただきました。
保育士が抱える心配ごとを少しずつ解消することができれば、子どもたちにもっとゆとりをもって向き合うこともできるはず。保育の質向上のためにも、「職場のロリエ」のような保育士を支援するサービスを前向きにご検討いただけたら幸いです。
ナプキンの備品化プロジェクト「職場のロリエ」
保育施設向けのおむつ定額サービス「Kao すまいる登園」