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短歌 2023初春


恋の季節なんてものはなくって、正月であろうと大雪であろうと人は恋に落ちるし失恋もする。

恋愛中、すなわちボーナスタイム、降って湧いてきた短歌たち。
出来とかはどうでもよい。
なるようになれっ。




この部屋は本だらけだね素敵だね わたしの隙間なんてないのね

みずのあじする。みずって、あじ、しないのに。それじゃあ、おんど?おんど、ぬるいね。

ほんとうは雪女なの抱きしめて 強く、熱く、溶けないように

ググっても辿り着かないことばかり 重力だけが等しく同じ

忍び込み戸籍謄本奪い去り苗字のところ書き換えてやる

左目が3度吊り目の横顔を眺める自由 永遠であれ

ねぇすぐに助けにきてよここはどこ?起きても起きても夢の中なの

借りも貸しもないからちょうど別れどきだね、何にも借りたことはないけど

私から電話はしない そう決めて分かってたけど電話は来ない

大丈夫?って聞かれるまでは待ってみる かわいそぶってるのにも飽きたし

まだ僕に恋は早すぎるなんてじゃあ私としてるコレはなんなの?

アンドゥトロワとびきり綺麗に微笑んでラストデートはワルツを踊る

その通り上書き保存しようにも元から0KBのメモリ

5巻まで読んだ漫画もカラコンも右手もあなたのためだったのか

少しずつ増やしていったぼくたちの定番がいま廃盤になる

ジェットコースターなんて見たことないふりをして乗り続けてたメリーゴーラウンド

昨日より少し多めに考えて 息もできないほど考えて

さよならを切り出す覚悟で靴を履く 借りてる本は持っていかない

絶対にあなたのどこが好きだったとか教えてあげない雲ひとつない




本当は年明け早々にあげるつもりだったのが、すったもんだのひとりずもうを経て、気付けば一ヶ月も経っていた。
あけましておめでとう、今年もよろしくね。


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