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エッセイのたまご

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妄想と現実が半々の自由で気軽な散文です
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私はオレンジ色らしい

🍊 ひと月くらい前、誕生日プレゼントにトートバッグをもらった。 トートバッグのしっかりしたのが欲しいな〜と思っていて一応リクエストしてたので、いいのを見繕って渡してくれた。 ちなみに私の誕生日は8月なので普通に2ヶ月以上遅れててそれで軽く一悶着あったんだけど、その話はもう解決してるのと今回の趣旨じゃないから一旦省略する。いつか書くかも。 トートバッグ、結構かわいいデザインで、本人曰く「ぬいぐるみと服とトートバッグのキメラ」との表現通り、形はトートなんだけどズボンのポケット

オレンジ色のその後

いつかのオレンジ色の、その後日談。 *** 4次会を経て渋谷駅までの帰り道だった。 年の瀬、終電前の繁華街は浮かれていて、それは忘年会を大満喫した我々も御多分に洩れずで、帰り道までもなお好き勝手に騒ぎ倒して、何がおかしいのかわからないくらい全部おかしくて楽しくて、そんな緩んだ空気に、つい魔が刺した。魔が刺して、隣を歩くその人に「わたしって何色?」と聞いてみた。その人は改めて私を眺め「むらさきだね」と教えてくれた。 むらさき。 知り合いにムラサキさんという方がいて、ムラ

空がとても青くて、ジェット機も飛んでいて、私はバナナパフェが食べたかった

旅に出るときは、安心できる文庫を一冊道連れにする。 東京に出てきて10年が経とうとしている。 いつまでいるのかいられるのか分からないと言い続けながらどうにかこうにか居続けて居座っている。 新大阪のホームに降り立った瞬間、芯から安心する。わたしの魂は大阪にある。 エスカレーターの右側に立つことも、環状線の乗り方が永遠に難しいことも、ただ隣り合わせた人とたわいないやり取りをすることも、自分がいまも大阪弁をきれいにしゃべれることも、すべてを愛している。 この街を、ここにいる自分

これどうでもいい話なんだけど

「これ、どうでもいい話なんだけど〜」 という前置きで話し出すのがマイブームというか最近の癖。というどうでもいい話。 てわけで、どうでもいい話、しまーす。 これ、どうでもいい話なんだけど、ウチのトイレに小ちゃいガラスケースに入ったプリザーブドフラワーが2つ飾ってて、それどっちも貰い物なんだけど、そもそもプリザーブドフラワーって玄関かトイレしか家の中で飾る場所なくない? いやなんで急にプリザーブドフラワーの話って感じやけど、今ウチのトイレに2つプリザーブドフラワーがあんのね

「ふつうの家族」コンプレックス

最近、私の周りに漂っていることたちに対して、どんどん思考があふれて困るので、一旦ここに書き留めておく。 人生とかいうばかでかいものについて悩んだときは、川上弘美をよく読み返す。お気に入りの短篇集から、ひとつ刺さったので引用。 *** 「ぶっちゃけて言うと、同棲とか結婚とかに今のところは興味がない」と言われた。 同棲は、私は、一緒に暮らせるといいなぁ、という気持ちはあるけど、別に今すぐじゃなくていいとは思う。結婚を前提とした同棲、というのが一般的みたいだけど、そのプレッシ

部屋と文鳥とわたし

大雨。 この部屋は角部屋で木造なので雨が聞こえやすい。幹線道路から一本入っていて、線路が少し向こうにあり、車の音とか踏切とかが雨の向こうのほどよく遠くに聞こえる。外界をすぐそばに感じられる安全圏という感じがして気に入っている。 こんな雨の日に予定もなく部屋に引きこもってるのは最高だ、と思う。 本当はまめがここにいるといい。 少し切なくなる。 まめは私が社会人になってすぐに飼い始めた文鳥で、まめといた2年間はとても特別なものだった。 私だけをまっすぐ見つめてくれていて、愛して

二人暮らしのお皿の色は

性格診断とかで、「将来のことについてあれこれと妄想をしたりしますか」はい、どちらかといえばはい、どちらともいえない、どちらかといえばいいえ、いいえ。というやつがあるけど、こんなんぜったい「はい」だろ、「いいえ」のヤツとかこの世にいるんか?って思う。 こないだも、近所の焼き鳥屋で二人で飲んでて何気なくあたしが「そろそろ引っ越そうかなぁ、来月更新なんだよね」って言った時、「いいね、僕も広いところに引っ越したいな〜、そろそろ本とか服とかが溢れてて」って返答されて、もう次の瞬間には