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冬の海で泳ぐ「少年の心」



今日のお題:一歩間違えると死ぬ可能性のある野外活動をする中年の心のう内とは?




この記事に、すごく深いところを動かされたので、「感想文の感想文」を書きます。

要約:
40過ぎてロードバイクを始めた池松潤さんの「少年の心」へのオマージュとして、
自転車乗りとは「うっすらとした死の予感」をもちつつ「死にたいわけではないので綿密に計画を練り準備・行動する」「そこから生まれる洞察力と、すべてを自己責任とする覚悟が定まった」つまりジェントルな心を涵養する活動、と分析。
「磨け感情解像度」コンテスト参加作。

グサッと来ましたぐさっと。

■題名がイイ。ジェントルマン (ウーマン) の意味も掛けてる「ジェントル」
■そこから深めていった「ジェントル」の先にある「なんかグッとくるから」やる!という少年性、この分析がお見事。

その結果、自分にもある「少年の心」を思い出させていただいたので
自分バージョンの「少年の心を取り戻そう」活動について書いてみます。


産後うつ?中年の危機で始めたnoteと寒中水泳

何度か書いているのですが、バタコがnoteをしてみようと思ったきっかけは
ひとことで言うと「中年の危機」でした。
長男が生まれて1年間、授乳・情愛ホルモンであるオキシトシン漬けだった脳が「ヤク切れ」で禁断症状風に「鬱っぽく」なり
もともと出産前まで不明だった人生の目的を求めてさまよいだした・・

そこから抜け出したくてもがく中でいろいろ試したうちの一つが
「冬の海で泳ぐ」活。正式名称は何でしょ?「冷水浴」「寒中水泳」?


イギリスの伝統?としてロンドン・ハイドパークのサーペンタイン池で泳ぐヒトが居るというのは、10代の頃から知っていました。が、本当に試してみようと思ったのはこの齢になってから。

また、特に北欧で盛んな「真冬でも、サウナの後に、氷が張った湖水に浸かって体を冷やす」温冷浴?についても、読んだことがありましたし、イギリスでは、地味なブームとして川や湖水・海で泳ぐ人々がいて、競技やグループなどもたくさん存在するらしい・・

個人的に一番の決め手となったのは、
野外で泳ぐと「メンタルを整える」効果がある、と言われてる点です。
ちなみに、元・薬物中毒その他、依存症経験者も多いそうです。


やってみると「さぶい!だけどハマる」

2018年の10月から、バタコは海で泳ぎ始めました。
ちょうど、その年の6月から100日間の予定で
(実際は予定オーバー1か月以上)
イギリス沿岸2883kmを泳いで一周したRoss Edgleyさんの実況中継が
SNSで大いに話題になっていた時期でした。

毎日はムリなので
「どんなに間が空いても、1か月に1回は行く。理想は毎週」
くらいのペースで、ひとふゆ継続しました。

死ぬのもイヤなので、浜で波の高さをよく見て、
ある一定レベル以上の波が立っていたら中止。勘です。肚で決めます。

やってみてわかったのですが、ものすごく「気合」が要ります。
気力がない日にはやる気になれません。
気力がある日でもちょっと迷います。
でも、やった後は気分が高揚し、数時間から数日「メンタル強い人」になれます。

間を開けずに行くと
「前回できたんだから、今回も大丈夫」
って思えます。
(多分、1か月以上空けると、自信がなくなると思う)

体感ではめちゃくちゃ寒いですが
私の住んでる辺りは、ざっくりいって「関東沿岸部」並みの冬の厳しさです。夏の涼しさは北海道並みですが冬は大したことない。


「死ぬかもしれない」覚悟を決めること

つい昨日、サーフィンでおぼれかけた体験談をnoteで拝読し、
大変、厳粛な気持ちになりました。そうです、自然の中で泳ぐっていうのは「失敗すると死ぬ」可能性とは背中合わせです。

だから、細心の注意は払います。そのうえで死んだら、それは仕方ない。この点は、東さんのnoteの自転車乗りの記述と共通していると思います。

これって、実は、伝染病の流行る今の時期の心の持ちようと同じだし、
いや、伝染病なんかなくっても本来は人生を生きる心意気のはず!
「人事を尽くして天命を待つ」やれることはやる。きちんと。そのうえで人知を超えた部分については「覚悟を決め、手放す」。どんなに準備しても死ぬときは死ぬ。長生きしようといじましく努力しても寿命は尽きる。愛する人を失いたくないとさもしく執着しても別れは来ます。
自己決定感 (自力で影響を及ぼせる範囲においてはしたたかに)

■最後は天にお任せするのだ (自力の及ばない範囲について思い悩まない)
とのミックス。
すべてを采配しようとするのは傲慢で執着につながります。だけど、どうせ自分がやったことなんて何の意味もないとうそぶくのは虚無であり、自分も周囲も傷つけることになります。


新型肺炎なんて存在しない「でっちあげだ、陰謀だ」というのは姑息で無責任。しかし、かかるときはかかるし死ぬときは死にます。圧倒的多数派である「まだ生きている人」のために、経済は回っていかなければならず、教育は継続されねばならず、今日食べるコメは確保しなければなりません。


バタコが子育てをきっかけに鬱気味になったのは「絶対に失敗は許されない」「カンペキじゃないと」「我が子が一番、宇宙の法則を無視しでも不老不死を与えたい (大げさ?) 」という、ありがち (だし、よく考えると徹頭徹尾にんげん臭くてほほえましい?)「執着」も原因の一つだったのでしょう。「運命も、コドモも、思い通りにさせたい」というのはエゴですね。


執着を手放した先にある「少年の心」は忘れない

最後は天に任せるのだと覚悟を決めると「ふっ」と軽さが生まれます。

それを言語化したのが「少年の心」なのかな~と。
「グッとくることを、する」心の余裕は、「死ぬときは死ぬのだ」と覚悟を決めた先にあるのではないでしょうか。


バタコの弟は、市民ランナー (実は自転車・スイムが本命) として参加した
トライアスロン競技中に熱中症で亡くなりました。
幼い子供が2人居て、絵に描いたような良き父であり
私の目から見てもラブラブな奥さんも交え
人もうらやむ「幸せな人生」を送りつつも
それだけでは飽き足らず、挑戦したい「少年の心」があったらしい・・

亡くなった後、当然、家族としては「どうして?なぜ?」を考えました。
正解は永遠に分からなくても「少年の心」「ジェントルなひと」説は
ひとつの救いです。

彼が亡くなった後にバタコが始めた「冬の海で泳ぐ」活には
「少年の心」が受け継がれているような、確信犯的な感覚がありました。
   ※身内がスポーツ事故で亡くなったのにわざわざ危ないこと始める?
    という批判を想定しつつ、の「確信犯」

イギリスで外出規制が始まった3月21日以降、海はご無沙汰でした。
(その前は2月26日に泳いでます。気温4度。水温は多分8℃くらい?)
外出規制のルール上は
「運動のための外出 (一日一時間以内) はOK」となっていましたが
ビーチに繰り出して警官に職務質問を受けたり
リゾート地で罰金を切られたりしている報道があり、自重しました。

「寒中水泳」ではなく、ただの海水浴になってしまった今週、子連れで泳いできました。3か月ぶり。
やっぱり、最初「冷た!!!」って思いました。これこれ!まずはビビるところから、適応していく過程こそが、醍醐味・・



ことしも10月くらいから、「寒中水泳」やりたいと思っています。

「少年の心」をたずさえて。




<引用記事一覧>
ジェントルと「少年の心」 by 東耕輔さん

■同時通訳者・翻訳者としてロンドンに定期的に滞在されるいしまるゆきさんによるハイドパークの写真付き記事

■写真あり。イギリス沿岸を泳いで一周したヒト。 by バタコ

■サーフィン中に沖に流され死にかけた体験談。かなり怖いです!が、とても勉強になりますし、死の淵をのぞいた時に強烈に沸いてきた「生きたい」の思いが鮮烈。by noteを120%楽しむ馬鹿@まる48社長

追伸:東さん池松さんまる48社長みなさん男性ですが、女性の自分にも「少年の心」はあります。たぶんいしまるゆきさん (女性) にもあるんじゃないかなぁ?

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