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走り書き:すぐそこにある、これからのコワーキングと、いまやることと。

もともと、ネットマーケティングを学び合う勉強会をやってきて、その発展形で2010年にカフーツ(というコワーキング)をはじめて、かれこれ10年経とうとした時にコロナウィルスがやってきた。誰もがもう感じてるだろうけれど、今回のパンデミックで社会全体が大きな転換期を迎えている。で、ちょっと考えたことをメモする。

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これからは物理的な場所を持たずにウェブ上に存在することのほうが重要になる。仕事をするワーカーにとって場所はマストではなくなり、ま、あればあったで、時にはベターかな、ぐらいになる。コワーキングも然り。これからのコワーキングは、それをもうコワーキングとは言わないのかもしれないが、変わらなければならない。

ワーカーにとって「どこのコワーキング」かどうかは関係なくなる。というか、インターネット全体がコワーキングになるから、そんなことは意識されなくなる。ユーザーは「どこの誰それ」という特定の枠組みから離れて「ウェブ上の誰それ」になり、自由かつ自律的に他の誰かとコネクトするようになる。つまり、どこかに所属しなくなる。そうすると、これまでの場所代を払う、という感覚は当然なくなる。

ここで、例のブロックチェーンがアタマをかすめるが、それはまた別の機会に書く。

ただし、自身の役に立ったり、逆に人の役に立てたり、でもってそれを楽しめたりするコンテンツがそこにあれば、どこのコワーキングであろうが気の向くまま使うようになる。つまり、場所ではなくてコンテンツ、ハコではなくてコトが人を呼ぶ。ま、これは、これまでもそうだったことだけど。で、そこに対価が発生する。

この場合、「使う」というのはそのコワーキングが提供するコンテンツに参加する、ということだけれど、必ずしもメリットを享受する側だけを意味しない。相互に貢献し合えるステージが求められる。つまり、教えたり教えられたりといったお互いの立場が時々入れ替わる。これはコワーキングなら普通にやってることで、カフーツでもやってきた手法。そうしてコミュニティができネットワークが広がる。

オンラインでコミュニテイが実現できるのか、と危惧する向きもある。だが、これからのワーカーズコミュニティでは、望む望まないに関わらずリアルのつながりをスルーした広大なネットワークであるオンラインが当たり前になる。一部、我々のような仕事をする者は、すでにそうなっている。そのほうが仕事する上で効率的でローコストで便利だから。だから、仕事の仕方も変わる。あ、ついでに、「作業」はなくなる。が、その話もまた別稿で書く。

逆に、オンラインの仕事つながりが利便性優先であることの反動で、オフラインでのコミュニティがもっと小さくて濃密な人間関係のクラスタで構成される。家族や友人、リアルな隣人たちで、せいぜい、30〜40人ぐらいか。その小さなクラスタのいくつかに能動的にコミットする。

いずれにしろ、単発でも定例でもコンテンツがコワーカーをつなぐ。これは、たとえコロナ後にオフラインな場所が再開されても続く。

運営サイドはオンラインだけになれば劇的にコストが下がる。だが、コワーカーとのリレーションシップを維持するために、このオンラインで提供できるコンテンツを持たねばならなくなる。これまで独自にオフラインでやってきたものがあれば、それを工夫してオンラインに置き換える。なければ、いちから作らないといけない。

そこには企画力が問われる。併せて、巻き込み力とマーケティングスキルも必要。いわゆるコワーキング(コミュニティ)マネージャーは、オンラインでもその役割を担う。

ただ、オンラインになることでビジネスの対象になるエリアが広がるので、そのぶん、今までつながらなかった人たちと接続できるようになる。さらに、その人たちを交差させることも可能になる。これが大きい。当然、顧客層も広くなるだけではなくて、厚くなる。で、それをネットワークして協業関係を築けば事業領域を広げられる←ここが大事。というか、ここをやるからコワーキングのスキームが生きてくる。

要するに、コワーキングが協業パートナーを見つけてコラボすること、できればコワーカーの中から見つけること、それと、コワーキングとコワーキングがコラボすること。コロナのいま、やることはまずこの2つ。うまくいったらコロナのあとも続ける。

コワーキングの5大バリューを思い出そう。

・Accessibility(つながり) 
・Openness (シェア)
・Collaboration (コラボ)
・Community (コミュニティ)
・Sustainability (継続性)

ぼくがこれまで、コワーキングを場所を貸すだけではなくて、それはあくまでビジネスの土台、前提となるプラットフォーム(装置、道具)であって、その上にぜんぜん違う領域のレイヤーをかぶせてビジネスの掛け算(足し算じゃなくて)することで事業をドライブさせる、それができたら他とつなげて拡張しよう、と言ってたのはそういうこと。それを実現するのにはもう少し時間がかかると思ってたけれど、幸か不幸か、コロナが前倒しした。

これまで良くも悪くもオンラインはオフラインのついでだった。せいぜいSNSで発信するぐらい。今後、その主客は転倒する。ぼくは80:20と思ってるけれど、まあ、51:49でもいい。かなりそのウェイトは増す。当面、この半年の間にオンラインを精一杯やって、晴れて再開の日を迎えた時にオフラインとスムーズに連携する準備をしておく。

それができれば、コロナ以前とはステージの違うビジネスになるし成長できるはず。ぼくらが進めつつあるコワーケーションもそのひとつだ。いま、移動できないのでペンディングだけど。

コロナ後は郊外や地方のコワーキングのニーズが増える。そう言えば、コロナがこんなに大きなことになる前に、これを書いていた。

いったん、リモートワークの良さを理解した企業やワーカーはもうオフィスには戻らない。分散する。それは間違いない。それを前提に試行錯誤する。いくつもやって、いくつも失敗して、うまくいける方法論を確立する。今がその時。

ただし、これは、このあと、コワーキングが果たす社会的役割のほんのイントロに過ぎない。いま、それがはじまった。

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久しぶりに書いた。あちこち思考が飛んで落ち着きがないですが、ま、走り書きということでご容赦ください。とりあえず、こんなことを考えた、と。いずれ、本にするときにはきちんと編集するとして。そんな話はないですけど。

あ、そうそう、リモートワークやコワーキングをテーマに以下のサークルもやっています。よろしければ、ぜひご参加を。

(Photo by Katya Austin on Unsplash


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