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「体験コワーキングデイVol.3〜大阪福島GRANDSLAM編〜」やりました〜カフーツ伊藤のカブト虫の紐日誌#14

さて、日頃、あまり行ったことのないコワーキングに出かけていって、仕事もする、イベントもする、交流会もする、という趣旨のイベント「コワーキングツアー」をコロナで2年ほど休止して、そろそろリハビリをというわけでおっとり始めた「体験コワーキングデイ」も3回目となった。

第1回目と2回目のことはこちらをご覧ください。

で、今回は大阪は福島のGRANDSLAMさんにおじゃました。

主宰の吉永さんとは、これまた2020年2月の「コワーキングフォーラム関西2020」以来だった。(ご無沙汰しすぎてホントにすみません)

GRANDSLAMさんは、JR福島駅から歩いて5分ほどのビルの2階にある。このカラフルな看板が見えたら、そこだ。

階段を上がってドアを開ければ、即、コワーキング。このオープンなレイアウトが、初めての人でも中をざっと俯瞰できるのでいい。

受付というものもなく、ここに座っておられた深山さんがすぐに対応してくれた。うちもそうだが、うちは単に狭すぎてそうせざるを得ないだけで、ここはこんなに広いのに、あえてそうしていることにぼくなんかは好感を持つ。

スタッフがユーザーと同じデスクで仕事していることで、すぐに場に溶け込むのをサポートしてくれる、という効果についてはあまり意識されていないかもしれないので、一言ここに記しておく。実はそうなのだ。

その奥のこちらはちょっとした打ち合わせとか、場合によってはイベント会場にもなるスペース。ぼくらが仕事してたら、何人か集まってきてミーティングしておられた。こういう、コーヒー片手にちょっとした打ち合わせができるスペースって大事。会議じゃなくて対話のできる時間と場所。

その奥にまだコワーキングスペースがあって、デスクを自由に移動できるのでここもイベントスペースになるという。奥の白いのが演台で短焦点プロジェクターも用意されていて準備万端だ。

貸し切りで利用することも可能らしいが、広くて、用途に応じて使い分けもできるし、レイアウトを自在に変えてニーズに応えてくれる応用度の高さはユーザーファーストで好ましい。うちは小さなオープンスペースしかないからめちゃくちゃ羨ましい。

一方、集中ブースもちゃんとある。

ドロップインには回数券プランがある。マンスリーほど利用しないが、頻繁にドロップインする、というときに回数券は使えるシステムだ。継続的に利用してもらえるし、そのユーザーがいずれマンスリーにならないとも限らない。

回数券はこうしておいていつもGRANDSLAMに置いてある。なので、忘れる心配がない。ちょっとしたことだけどカシコイなぁ。

わざわざアプリなどは使わずに、紙にスタンプ押していくというアナログな行為がかえってビジュアルに「これだけ使った」「まだ使える」感を与えると思うのはぼくだけだろうか。それに、スタンプを押す際に会話もするだろう。そういう瞬間が人には必要だと思ってる。そういえば、うちも以前、利用者からの要望で紙で発行してたが、またやろうかな。

うっかり写真を撮るのを忘れたが、ミーティングルームやフォトスタジオまである。(以下の画像はウェブサイトから拝借しました)

と思ったら、スケジュールボードに今回の「体験コワーキングデイ」のこともしっかり書いてくださってた。♡のマークがウレシイ。次の日の「経営者寿司」てなんやろう。

今回、初訪問として参加いただいたのは、いつもライティングのお仕事を手伝っていただいている本間さん、伊丹でコワーキングを運営されている福田さん、第1回目のTheDECKさんの時にプレゼンされた成尾さん、そしてつい先日泉佐野市で古民家改装型のコワーキングをオープンされた渡辺さんの4名。

この日は、みんな割とガチで仕事してたのだが、

背中に誰かの気配を感じたりもした。

ところで、GRANDSLAMさんのコンセプトは以下の「成長・共創・つながり」の3つだ。

成長:
事業として、人として、成長できる場所でありたい

共創:
偶然の出会いを大切にし、そこから協業できる場所でありたい

つながり:
たくさんのつながりで人生を豊かにできる場所でありたい

このあたりはいつも引き合いに出す「コワーキングの5大価値」とそっくりシンクロする。とりわけ「偶然の出会い」から「協業へ」というのは、まさしくコワーキングをコワーキングたらしめる最重要ポイント。コワーキングとはそもそも人と人をつなぐ仕組みのことであって作業場のことではないんですよね。

「コワーキングの5大価値」については、これを参照くだされたし。

そして、GRANDSLAMさんはこのコンセプトに基づいて活動するうちに多機能スペースになってきた。ウェブサイトのトップページにはこうある。

「GRANDSLAMは、”成長・共創・つながり”という3つのコンセプトを軸に運営している、コワーキングスペース・イベントスペースです。機能としては、コワーキングスペース・イベントスペース・シェアスタジオ・バーチャルオフィス・・・などなど。ご要望に応じて新しい機能が加わっていく、進化系スペースです。」

要望に応じて新しい機能が加わっていくことを「進化系」と呼ぶのはセンスいいですね。運営者と利用者がひとつになってこの環境をより良くし、コミュニティとしてこの場を有効に活用してきたことが判る。単なる「場所貸し」ではない、ということね。

そうした経緯が、この壁にひしめき合ってるユーザーのメッセージからもしっかり伝わってくる。

せっかくなので、ぼくも書かせていただいた。汚い字ですみません。

一区切りついたところで、主宰の吉永さんにGRANDSLAMさんについてプレゼンしていただいた。

吉永さんは某大手ネット通販会社から人材紹介企業を経て独立し、2019年の10月にコワーキングを開業した。

今もGRANDSLAMさんとは別に、サードプレイスという会社で人材紹介や採用支援、コミュニティプロデュースもしているんだそう。人材とかコミュニティとかが、コワーキングに結びつくのは必至かと思う。さっきも書いたが人と人をつなぐのがコワーキングの本質的機能だから、イコール人材の有効活用のハブでもあるわけだし。

ところで、興味深いのはGRANDSLAMさんが3人の事業者による共同経営であることだ。

これ実はぼくも、各自が他に本業(というか、別の仕事)があって、それとも連携しながら何人かでコワーキングの運営にも関わるというスタイルは理想なのではないか、と考えてるところ。

コワーキングの運営をしてると、まず、行きたいところへ行きたいときに出かけられない。誰か代わりのスタッフがいてくれないと、休業しなくてはならない。

ここ2年ほど、コロナのためにほぼ休業していたが、そろそろ落ち着いてくると逆に動きたいときに自由に動けないという、かつての体制に戻る。これが、ぼくみたいに各地のコワーキングを訪ねて「移働」しながらネットワークしたい者にはツライ。そのコワーキングツアーも再開しようと思ってるのだけど。

何人かで輪番制にして運営すると、行動の自由度を上げられる。それに、その日その日でコワーキングの空気が変わるのもいいんじゃないか。もちろん、各自、当番の日はそこで仕事していいわけで、ときどき場所を変えるのも気分変わって仕事も捗る(気がする)。

これはそのうち、相談しようと思ってる。その前に、「やりたい」て方おられたら連絡ください。

吉永さんからはGRANDSLAMさんの変遷について説明いただいた。で、この年表を見て「ほよ?」と思った人もいるだろう。

そう、開業当初のスペース名は「RYO-ZAN-PAK」だったのが、2021年6月に「GRANDSLAM」と名称変更している。なんで?と思って訊いたら、これがとんだ災難だった。

関東のある事業者が類似商標の疑いありと抗議してきたのだ。詳細は差し控えるが、ぼくから言わせるとほとんどイチャモンとしか思えない主張。が、いろいろ検討した結果、変更することにした。

で、この名称変更を前向きに捉えて更に前進すべく、プランの変更など大幅にリニューアルし、アップデートを図ることとした。この切り替えの良さはさすが。見習いたい。

しかし、名称変更に伴うさまざまなリニューアルには相応のコストがかかる。そこで、クラウドファンディングを利用して支援を求めることにした。それがこれ。

実に157人の支援者から1,411,000円を調達した。スゴイですね。これを災い転じて福となすと言わずなんと言おう。このことでコミュニティの結束は更に固まったに違いない。

また脱線するが(またか)、うちも開業から12年を経過して、ここらでコンセプトをちょっと変えようかと考えている。どうせなら、それに合わせて内装も変えたいなと思っているので、このクラウドファンディングの件は参考にしたい。

ちなみに(更に脱線する)、そのコンセプトだが、ひとつはモノ書き系の仕事をする人のカツドウ拠点にしたい。主にライター、編集者、メディア企画制作の人たちでコラボしつつ集団を作って、できればその集団で仕事を受託するような体制に持っていきたい。トキワ荘みたいなイメージといえば判りますか?え?古い?

ついでに、受託だけではなくて自らメディアを運営して発信していく。さらにそこから良いコンテンツが生まれたら、次に出版までやってしまう。いまどき、プリント・オン・デマンドで販売までできてしまうので、コンテンツさえあればできる(と思う)。

ぼく自身がライティングや編集を仕事のひとつにしているので、それも理由。それと、モノを書く人を「共育」したいとも思ってる。

自分はモノを書いてかれこれ20年になるけど、まったくの我流だ。だから、育てるというのはおこがましい。でも、「教え教え合う」ことで共に学び、共に育つ、「共学・共育」はできると思ってる。だから、仕事しながら「共育」する。一石二鳥だ。で、この「教え教え合う」というのがこれまたコワーキングの真髄でもあるわけで。

もちろん、この集団以外のユーザーがカフーツを使うのは大歓迎。むしろ、属性の違う人との関係があればこそ、コンテンツ制作の幅も広がるというもの。要はつながりを活かすということ。何事も閉じてはいけないですからね。

あ、待てよ。それってまさに「梁山泊(RYO-ZAN-PAK)」じゃないの?何、この展開。

で、プレゼンは飲みながら進行。ご近所のお店のお好み焼きがこれまた美味かった。

(左から深山さん、吉永さん、福田さん、渡辺さん、伊藤)

このカメラを構えた深山さんは、もともと、GRANDSLAMさんのユーザーであったそうな。そういう人がスタッフに加わってくれるのは理想的だ。そのコワーキングがどういうカルチャーを持ち、どういうビジョンを持って運営されているのかも了解した上で、それに関わろうとする人なのだから、こんなに心強い味方はいない。

ここに入るなり感じたが、その気働きと明るいコミュニケーション能力は、コワーキングマネージャーにうってつけだと思う。だいたい、コミュニティとしていい関係を築けているところは、必ずこういう人財がいる。みんなの秘書としての活躍が期待される。いや、もうしてるか。

てなことを考えながらGRANDSLAMさんで話してたら、期せずして「濃いつながりと薄いつながりが応援してくれるのがコワーキングのいいとこ」という言葉に遭遇した。

で、ふいに悟った。

どことなくアナログな建て付けが心地いいのは、人のつながりを重すぎず、軽すぎず維持してくれる人の気配がするからだ。コワーキングはハコではない、ヒト、といつも言うけれど、まさに「濃いつながりと薄いつながりが応援してくれるのがコワーキングのいいとこ」だ。

で、それをするのも機械やシステムやアプリではなくて、ヒトなのよね。やっぱり。

帰りには最後までいた福田さんと渡辺さんと3人で福島駅前で寄り道した。ここでも、いろいろお話できて有意義な時間だった。しかし、福島駅前は誘惑が多いな。要注意。

今回、参加いただいた皆さん、ご協力いただいたGRANDSLAMさん、誠に有難うございました。このたびの出会いに感謝いたします。

さて、このイベントは開催地が決まり次第、Facebookページで告知しています。次の体験コワーキングデイは6月7日(火)に、今回参加いただいた渡辺さんが運営する大阪泉佐野市のCOMMUNEさんで開催します。詳細は下記のFacebookページを参照の上、ぜひぜひ、ご参加ください。

それでは。

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