見出し画像

プラットフォーマーだけがボロ儲けするのはよろしくない:今日のアウトテイク#206(2024-06-11)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」

※コンテンツという言葉、使い方が難しい。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"先延ばしにしている間に、人生はあっという間に過ぎていく。"
(セネカ)

#cosacベータ版リリース 、テスト参加いただくコワーキングスペース募集中!

このたび、全国のコワーキングをネットワーク化し、イベント情報の共有と収益の分配を実現するアプリ「cosac」のベータ版がリリースされました。

そこで今回、ベータ版リリースに際しまして、ベータ版テストに参加される「コワーキングスペース」を募集しております。ベータ版テスト用アカウントは無料です。

参加ご希望のコワーキングスペースの方は、ぜひ、以下のページからお申し込みください。

よろしくお願いします!

#プラットフォーマーだけがボロ儲けするのはよろしくない

音楽ストリーミング大手のSpotifyのCEOであるダニエル・エク氏の、5月29日の発言が問題になっている。

同社は、全世界で約6億1500万人のユーザーを抱え、昨年、10億ユーロ(約8億6000万円)を超える過去最高益を叩き出している。ぼくもサブスクして、毎日、カフーツで鳴らしてる。

そんなときに、「今日、コンテンツを作るコストはゼロに近く、人々は信じられないほどの量のコンテンツを共有することができる」とTweet。これが発端。うっかり口が滑ったのかもしれないが(まあ、日頃からそう考えてるからつい出たんだろうけど)、決してゼロではないと、多くのミュージシャン、アーティスト、それにファンからも怒りのTweetが発信されている。

「作曲にかかる時間、レコーディングにかかる機材費、マスタリングにかかる費用、あらゆるプラットフォームへのアップロードにかかる費用はゼロではない」

さらに言えば、彼らが創造しているのはコンテンツではない、音楽だ、と主張する者も。同感。

「彼らのビジネスモデルは、音楽を盗み、それを使って基盤を築き、その後、レコード会社と交渉して、アーティストやソングライターに支払う必要がないと主張することだ」

ちなみに同社は、昨年4月に、1,000ストリーミング未満の楽曲をすべて削除している。つまり、再生数の少ない楽曲は印税を稼げない。さらに昨年末、コスト削減のために従業員の17%を解雇している。そんなことがあっての、過去最高益。反感を買うのも無理はない。

新進の才能がストリーミングの台頭がいかに自分たちの成長を妨げているかを声高に叫ぶだけでなく、Spotifyのような企業がシーンを支配する結果について懸念を表明する有名人も現れた。

ぼくのアイドルの一人であるNeil Youngも随分前にSpotifyから作品を削除している。これに追従したミュージシャンも数多い。(今日のBGM今日のはそのNeil YoungをYouTubeMusicから)

今日、こんな投稿も流れてきた。ちょっと長いが大いに頷けるので、ざっと訳す。

I feel so sad about Spotify CEO Daniel Ek saying the cost of creating “content” is close to zero…For multiple...

Posted by Sam Buckingham on Sunday, June 9, 2024

Spotifyのダニエル・エクCEOが「コンテンツ」制作のコストはゼロに近いと発言したことについて、私はとても悲しく思っている。

(Spotifyには様々なタイプのクリエイターがいるが、私はソングライター&アーティストとして話をする。そして、私がSpotifyに載せる「コンテンツ」である楽曲の制作費に焦点を当てる。)

まず、ダニエルのコメントは、コンテンツを作ることが私の目標であることを暗示しているが、そうではない。

私の声を完全に表現する作品を作り、それを人々と分かち合い、(うまくいけば)ポジティブな影響を与え、支払いを済まし、老後のために十分な資金を持つことが私の目標だ。「コンテンツ」は、私がそこに到達する(かもしれない)ための1つの手段。

「ゼロに近い」というのはまったく真実ではない。

私のアルバム『DEAR JOHN』の制作費は約2万ドル。3ヶ月かかった。(制作に費やす時間は、現実の生活費を稼ぐために働けない時間だ)。しかし、それぞれの 「コンテンツ 」のための時間とお金だけの問題ではない。

私は14歳で初めて曲を書いた。私は今40歳だ。作曲、編曲、プロデュース、パフォーマンスのスキルを26年間磨いてきた。だから、『DEAR JOHN』(2020年にレコーディングされた私の最高傑作)は、制作に23年かかったことになる。

23年の経験を持つCEOに正当な報酬が支払われないことを想像してみてほしい。

私は自分の音楽が世界的にアクセス可能であることが好きで、今、もしSpotifyから外したら、鼻を切り落として顔に泥を塗ることになる。

私は自分の作品を創作し、共有したい。(今朝、近所の家のバスルームでフィルムクリップを撮影した。パートナーがタダで撮影してくれて、私は赤い口紅に24ドル使った。それが "限りなくゼロに近い "ということだ)

時間であれお金であれ、曲を作るにはコストがかかる。そして、その曲を宣伝するための(そして実際にストリーミングされるための)ビデオを作るのにもコストがかかる。

だから、もし一つのプラットフォームが世界中の音楽を世界中のほとんどの人々に提供し、ミュージシャン自身はその音楽を聴いてもらうためにもっともっと努力しなければならず、その一方で収入はどんどん減っていくとしたら、それは賞賛されるべきビジネスモデルではない。

それは搾取だ。

 (出典:Sam Buckingham)

23年の経験を持つCEOが正当な報酬が得ていないのは確かに問題だ。同社が音楽作品をコンテンツとして搾取の対象としていると非難されても仕方がないと思う。

いっそのこと世界中のミュージシャンが結束して、労働者組合的組織(Workers Cooperatives)を立ち上げて自前の配信サービスを作ったらどうなんだろうか。アメリカでUberの搾取に対抗してドライバーが協同組合としてタクシー会社を興したみたいに。ファンならそっちを使うと思うのだけど。もうどこかでやってるのかな?

ちなみに、コワーキング協同組合が開発して、ベータ版をリリースしたアプリ「cosac」はプラットフォーマーとしては最低限の手数料にとどめて、収益をコワーキングとコワーカーに分配、還元する目的で運営する。

ただいま、ベータ版テストに参加いただけるコワーキングスペースを募集中。ぜひ、ご参加ください。

いずれにしろ、プラットフォーマーだけがボロ儲けするのはよろしくない、と思う。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:Britannica


ここから先は

0字

この記事は現在販売されていません

最後までお読みいただき有難うございます! この記事がお役に立ちましたらウレシイです。 いただいたサポートは今後の活動に活用させていただきます。