今日のアウトテイク#175「補助金出すならコワーキングマネージャーという要職に」(2024-05-11)
<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
※ホントに書きたいこと、ホントに必要な人。
#今日のBGM
#今日のコトバ
#それ、ホントに書きたいことなの?
昨晩は、広島尾道で、コワーキング関係者が各地から集まる「510フェス」というイベントがあった。メインになるのが、昨年12月まで、コワーキング「ONOMICHISHARE」のコワーキングマネージャーであった後藤氏。彼の名前にちなんで5月10日、ゴトーの日に開催される。
これが、なんというか、カオスでありつつ、共有されるべき情報や知見は共有され、縁を結び、ヒントを提供しあい、ついでに馬鹿話に大笑いする、実に楽しいひと時だった。
このイベントのことは、またあらためて(たぶん)書くとして、終わってホテルに戻る途中、昨年10月に「コワーキングマネージャー養成講座」を開催した際にもおじゃました、深夜古本屋さん「弐拾DB」さんに寄ってきた。
「弐拾DB」さんのことは、これの終わり近くに書いてるが、
その際に、店主の藤井さんの自著『頁をめくる音で息をする』を買った。これが、非常によかったので、昨晩、同行した方にもオススメしたのだが、
これを書いてたときの、編集の方とのやり取りの話がオモシロかった。
書きたいことをめぐって編集者と意見が合わない。すったもんだした挙げ句、編集者いわく、
簡単な言葉だが、書き手の心の奥底にあるものを揺さぶる核心をついた言葉。要は、見抜かれてる、ということだろうと思う。
そう考えると、口やかましくて腹が立っても、頼りになる伴走者であることは間違いない。
コワーキングマネージャーもまた、コワーカーの考えていること、やりたいこと、を、本人も気づいていない因数で分解して、組み直して、こういうことじゃないの?と見せてあげる。そうして前に進めてあげる。
つまり、コワーキングマネージャーは編集者でもある。
ということで、この本、オススメです。
#(お知らせ)インディー・コワーキング開業運営塾、受講者募集開始
6月からの「コワーキングマネージャー養成講座」の受講者募集開始しました。今期から、ズバリ「インディー・コワーキング開業運営塾」です。
お得な早割もありますので、興味ある方は今すぐこちらへどうぞ。
#補助金出すならコワーキングマネージャーという要職に
もう、ほんまに、何度言ったら判るのかな、兵庫県。
コワーキングを新規に開設する際に、上限が900万円で、3年間、賃借料や人件費を補助してくれるのは有難い。以前は、設備費や改修費などハードに要する費用ばかりだったのが、数年前に改善されて「ヒト」も対象になった。正直、他府県にないことだったので、ぼくは喝采して喜んだ。ただ、その時も書いたが、その条件がいただけない。
年間、ひとりあたり100万円だが、その対象が
となってる。「高度IT技術者」?なぜ、こういう条件をつける?
もし条件をつけるのなら、「コミュニティ組成、醸成に携わる高度のコワーキングマネジメント能力を有する者」だろう。
ITなんてものは日進月歩、いや、秒進分歩で進化してて、特に「高度」でなくとも、今どきちょっと触ればたいがいの大人なら誰でも使える。もしくは、AIみたいなテクノロジーが人間を補助してくれる、そういう時代に、人件費の対象を「高度IT技術者」に絞る意味が判らない。
このへん、とりあえずITに詳しい者をおいておけば起業支援になるだろうという、安直な発想が透けて見える、と言ったらキビシイだろうか。こんなバカバカしい条件があるがために、コワーキングの新規開設を実現できない事例も実はある。
さらに、もしかしたら、コワーキングのことをIT系ワーカーのためだけのワークスペースと思い込んでるのかもしれないが、それは不勉強の極みであって、たとえこの補助事業の対象を「起業家等を対象としたコワーキングスペース」としたとしても、必ずしもIT系事業を興す起業家だけが起業家ではない。
事実、各地のローカルコワーキングでは実にさまざまな目的、課題を持った利用者がコワーキングを利用している。
ざっくりだが、この曼荼羅図にある各テーマが、利用者の課題、目的であり、それらがコワーキングの中で共有され、仲間の支援を得て何らかの形で起業・創業に結びついている。
この場合、(高度IT技術者である)コワーキング運営者が起業家のすべての課題をコンサルするのではなく、コワーキングというインフラをフルに活用して、人と人をつないでコトを起こし、コミュニティ内でコラボを誘発させ、持てるものを相互に提供、補完し合うことで起業を促す、前進させる、実現する、そのプロセスを進行させる役割を担う。
それが「コミュニティ組成、醸成に携わる高度のコワーキングマネジメント能力を有する者」である、コワーキングマネージャーだ。
そもそも、この5つの価値を提供するのがコワーキングの存在理由。
これを実行するのにITは道具としては役に立つだろうが、そのために、何も「高度IT技術者」である必要はない。
蛇足だが、自治体が運営主体であるコワーキングスペースの中に、ハードを優先してしかるべき人材投入がないためにいまいち活性化せず、緩やかにクローズを迎えるケースが目についてきている。
それは、自治体自身がコワーキングを実地に体験することなくイメージだけで制度設計し、まずハコを作り、コワーキングとは何かを正しく理解しないまま、推し進めてきたのが原因であることは、ほぼ間違いないと思う。
ちなみに、福島県には「テレワーク施設利活用促進補助金」制度の中に「テレワーク施設の付加価値向上に資する事業」として「コミュニティマネージャーとしての能力向上に必要な経費」を補助する補助金制度がある。
補助率は4分の3で、補助上限額は150万円。
実はこの制度を利用して、昨年10月、福島県南相馬市からなんと広島県尾道市の「2泊3日ド短期集中型コワーキングマネージャー養成講座」に参加された方がおられる。
これでこそ、補助金が生き金になる。一時の人件費としてではなく、学んだことが、以後、継続して効果を生むからだ。
コワーキングはただの作業場ではない、最終的にはまちづくりにつながっている、ということを、運営主体になろうがなるまいが、自治体こそが承知しておかなくてはならない。
ちなみにコワーキングマネージャーがどれだけ大変で、しかし、重要な職務かは何度も書いてる。
せっかくの補助金が有効に使われ、健全なコワーキング運営のもと、起業・創業支援されることが望ましい。
それには、繰り返すが、「コミュニティ組成、醸成に携わる高度のコワーキングマネジメント能力を有する者」である、コワーキングマネージャーが不可欠。
補助すべきはコワーキングマネージャー。
そこんとこ、よろしく。
ということで、今日はこのへんで。
最後までお読みいただき有難うございます! この記事がお役に立ちましたらウレシイです。 いただいたサポートは今後の活動に活用させていただきます。