コワーキングのイベントは単なる日銭稼ぎではなく、もっと重大な意味と価値を秘めているという話
先日、ぼくの主宰しているローカルコワーキングの学びと部活動「コワーキングLAB」のオンラインイベントで話題に出たのが、「コワーキングでのイベントの企画、開催について」でした。その内容はビデオに収めて会員限定で公開されていますが、一部加筆・編集して、ここに転載しておきます。
イベント対応に疲れ切っているのに収益が上がらないというジレンマ
発端は、メンバーのあるコワーキング主宰者が「イベントが多すぎて、その対応に追われて自分のしたい仕事も手につかない」という話からでした。以下、ざっくりその概要です。
この状態で1年が過ぎて疲れてしまってるそうです。で、今後どうするべきか、というご相談でした。しかし、イベントが月に64回とはオドロキですね。
ただ、このお話を聞いてぼくがまず「え?」と思ったのは、コワーキング主宰者が企画するイベントがほとんどない、ということでした。
ですがこの時、同席していた他のコワーキング運営者の方も、自ら企画して開催するイベントは月に2〜3回とのことでした。してみるに、こういうコワーキング、実はかなり多いのではないでしょうか。これは正直、意外でした。
本当に使ってほしい人にフォーカスできているか?
そこで頭をよぎったのは、「そもそもフォーカスするべき相手を間違っているのではないか?」、いや、そもそも「フォーカスしていないのではないか?」という疑念です。
聞けば、例えばあるママさんが「●●売ります」というイベントを開催すると、遠くからでも参加者(この場合はそのママさんのお客さん)がやって来て●●を買う。で、その参加者が「私もこういうイベントをやりたかった」と言い出し、次々とイベントをやりたい人につながっていく。だから、イベントがどんどん増えて疲弊しているというジレンマ。
イベントを開催する人にとっては敷居が低いスペースとして重宝され愛用されている(それは当初の目的でもあったのでヨシとしても)けれども、よーく考えてみれば、そのイベントに参加する人たちはあくまでそのイベント主催者のお客さんであって、お話を聞く限り、そこからコワーキングスペースが理想とするお客さん(利用者)になる導線が引かれているわけではない。つまり、コワーキングと直接つながる関係にならずにそれっきりになっている、ということです。ここ、一見複雑ですが、実にシンプルな問題があり、そこかな、と。
この場合、このコワーキングが下記のコワーキングの5大価値を提供できているかと言えば、残念ながらできていません。はっきり言えば、単に「イベント会場化」してしまっているのです。
たぶん、そのイベント主催者はコワーキング運営者に対して、単に「場所を借りている」という意識しかありません。そこから継続的な協業関係に発展していく要素がない、だから、時間いくらの計算の収益で終わり、徒労感が増すのです。
イベントを企画・開催するのは一体誰か?
イベントは、コワーキングを運営、経営する上で非常に重要な収益源です。ですが、それだけではない、コワーキングに欠かせない大きな意味があります。
上記の概要の中で特に注目したいのは、以下の部分です。
ここに、答えがすでにあります。
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