今日のアウトテイク#18「コワーキングマネージャーの3つのホスピタリティ 他」【メンバーシップ特典】(2023-12-06)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼

※noteメンバーシップ「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」に参加いただくと有料記事も全文読めます。

この記事は、「コワーキングツアーVol .24〜長崎県五島市福江島編〜」でおじゃましている福江島で書きました。

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#今日のBGM

先日から、この部分が脳内リフレインしているのだが、なぜだろう。

いい加減な奴らと口を合わせて
オレは歩いていたいいい
加減な奴らも口を合わせて
オレと歩くだろう

でも、一番好きなのはここ。

古い船には新しい水夫が乗り込んでいくだろう
古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう
なぜなら古い船も新しい船のように新しい海へ出る
古い水夫は知っているのさ 新しい海の怖さを

これを彼は、たかだか二十歳そこそこで書いている。こういう言葉を使って楽曲にしたのはすごい才能だと思う。

#コワーキングマネージャーの3つのホスピタリティ

昨日、福江島のさる居酒屋でたまたま隣りに座ったビジネスマンはよくしゃべる人だった。

ある業界の団体を率いる立場にあり、かつ、自身もビジネスマンとして忙しい毎日を送っている。ここへも、コンサルしている企業があるので年に度々訪れる。有名企業なのでここでその名前は言えない、と。

少々、その口調に自慢の印象は拭えなかったが、賛同できる意見があった。

企業は自分の強みを知らない。すぐ先行して成功している他社のモノマネをしたがる。そこを後追いしていても、価格競争に巻き込まれて疲弊して終わるだけ。本末転倒だ。それより個性を活かして、うちにしかない、というものを開発すべき。そんな趣旨。

まったく同感。で、それは顧客の課題、実はその顧客自身も気づいていない課題を解決することによって、価値が生まれる。

これ、コワーキングも同じ。

やれ、料金が安い、駅から近い、広い、大きい、椅子が座りやすい、フリードリンク飲み放題、etc。そんなことは、すぐコモディティ化するし、あまり重要ではない。

それより、個々のユーザーのどんな目的に対応できるのか、どんな課題を解決するサポートをしてくれるのか、のほうが肝心。「モノ」ではなくて「ヒト」。

この「個々」が大事。それぞれのぜんぜん違う要求に対応する。なぜなら、コワーキングを利用するユーザー、コワーカーは、そもそも個々の目的をもってコワーキングにやってくる。マスにくくってしまえるほど話は単純ではない。

で、それをするのが、コワーキングマネージャーの仕事だ。

ちなみに、「コワーキングマネージャー」のマネージャーは「管理する人」ではなくて、誰かを「お世話する人」のことを言う。

芸能プロダクションのマネージャーが分かりやすい。タレントが気持ちよく仕事できるために、営業はもとより、新幹線やホテルの手配、健康管理、イベントの企画、ファンサービスのあれこれ、時には伸び悩むタレントの人生相談の相手、とありとあらゆるサポートをする。あれがマネージャー。

コワーキングマネージャーはコワーカーをお世話するために存在する。そんなコワーキングマネージャーには、次の3つのホスピタリティが求められる。

1:情報の提供
コワーカー(利用者)のビジネスに役立つ情報を漏らさず提供する。そのために、日頃から多様なニュースソースを持ち、日々、チェックを怠らない。
2:人の紹介
忙しくて手が回らないコワーカーや、得意分野ではないスキルが要求される案件をもつコワーカーに協業できるパートナーを紹介する。
3:仕事の斡旋
逆に時間を持て余しているコワーカーに仕事を紹介して応援する。と同時に、その案件にコミットしてコワーキングスペースの収益向上に貢献する。

各地のコワーキングを回ってつぶさに見てきて、その後も交流が続く中で言えるのは、これを着実に、確実に、日々行っているマネージャーが全国にいるということ。単なる受付ではない、マネージャーとして、確かにいる。

その人がそこにいて、その人が自分のことをサポートしてくれるから、そこに行く。あるいは関わりを持つ。至極、当たり前の話。コワーキングは「ヒト」というのはそういうことです。

#Twitterを我らの手に

イーロン・マスク氏の不用意な発言(投稿)に端を発して、大手の広告主がこぞってX(旧Twitter)から撤退している。

これをビジネス上の戦略と見る向きもある中、この記事を読んで思い出したのは、以前、Twitterをユーザーが買収しよう、という運動があったこと。

創業者であるEvan WilliamsがTwitterを売却するという噂が流れた際(噂ではなくて実際にそうなったんだが)、Trebor Scholz だったか Nathan Schneiderだったかが、「それなら、我々、ユーザーが資金を出し合って買収しよう。そして、ユーザー自らTwitterを運営しようじゃないか」とTweetし、SNS上で賛同者を集めだした。(その当時のTweetを探してるのだが見つからない。発見したら、また紹介する)

Trebor Scholzは、Platform Cooperative (プラットホーム協同組合)の提唱者のひとり。そういえば、数年前、来日して東京大学で講演されたとき、聴講した。

Platform Cooperative (プラットホーム協同組合)については、いささか古い記事で恐縮だが、こちらを参照されたい。

要するに、インターネット上で協同組合組織として経済活動を行うことを言う。組合に加盟する組合員は、組合に出資するので、組合員でありながら組合の所有者でもある。ここが株式会社なんかと違う。ちなみに、我々がやってるコワーキング協同組合もそれだ。

Nathan Schneiderも、同じ思想の持ち主で、いまのところ唯一の訳書であるこれがとても参考になる。

協同組合かどうかは別として、「ユーザー自らがサービスを所有し運営する」という考え方は、今後、コワーキングにも通用してくると考えている。

協同組合的運営をするコワーキングは実はすでに存在する。例えば、ニュージーランドのここ。以下を参照あれ。

コワーキングの利用者が、何人かで運営チームを組んで、当番制で毎日コワーキングを回す。スタッフというよりチームメンバー。そのうち、そのメンバーも入れ替わって新陳代謝する。それを継続していきながら、「生物」であるコワーキングは成長していく。

ぼくは「スペースVSコワーカー」、つまり「サービス提供者対サービス利用者」というよりも、「スペースWITHコワーカー」、つまり「サービス利用者が皆、サービス提供者」という関係が、共同体として運営されるコワーキングのひとつの理想型かと思っている。

その環境を維持継続させたいと願う者たちが、役割を分担して、そのコワーキングを運営する。まちづくりにコワーキングが一役買うのも同じ理屈。

ちなみに、先のニュージーランドの例では、共同で仕事をして、そこであげられる収益の一部を、各自がその共同体にプールし、それをまた共同体のメンバーがコトを起こすときに資金投下する。

コワーキングとはハコのことではなくて、新しい価値を生む仕組みのことだとした場合(そうなのだが)、こういうスキームがメンバー間で共有されていることは望ましいと思う。

さて、協同組合として運営されるコワーキングは日本にも現れるのだろうか。

どうか。

ということで、今日はこのへんで。

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