【詩】糸
なぜ詩誌に入選しないのだろう
愛が足りないからか
単にろくでもない詩
しか書けない
からだろうか
認められることが
そんなに
大事だろうか――
あの人は詩集を出した
あの人は同人誌をやっている
あの人は賞をもらった
言い出すと
きりがない
でも
ちょうど自分に合ったふさわしいやり方で
詩を書いているじゃないか
前向きに生きよう
とする
態度が
見受けられないのだろうか
言葉が少ないからだろうか
花や小鳥が登場しないからだろうか
認められることが
そんなに
大事だろうか――
ひとりで歌を詠んでいよう
人と競うのは性に合わない
それがふさわしいやり方
(世界がひっくり返るところを見たいものです。自分が自分でなくなる瞬間を。そう願っているから、まずわたしは覚悟せねばなりません。)
わたしにふさわしいやり方で
詩を書いてゆこう
わたしの詩を
糸を紡いでゆこう
わたしの歌を
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