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kindleランキング作家が教える読書感想文の書き方【ネタバレあり】


読書感想文を書いていますか

夏休みの課題と言えば、ずばり「読書感想文」ですよね?皆さんも読書感想文を一度は書いたことがあるかと思います。
多くの子どものみならず大人までが「嫌です。苦手です。」と答えるのが読書感想文と言われています。
私は子どもの頃から勉強はあまりできませんでしたが、なぜか読書感想文だけはさほど苦にならず書けていました。
大事なことは「好きな本を読み、楽しく書くこと」ではないかと思います。
そこで、本日は私なりの読書感想文の書き方をお伝えしたいと思います。小学校低学年の方向けではないかもしれませんので、その点ご了承ください。

①まず本を読む

まず、本を読まないと書けません(笑)。ここでポイントとなるのが「課題図書」なるものの存在です。そして、ここが一つのポイントです。なるべく自分が興味のある内容のものを選びましょう。親御さんが子どもに本を選んであげる場合は、子どもによくヒアリングして、興味を持ちそうな本を選んであげてくださいね。
課題図書がない学校はうらやましいです。自分の好きな本を探して読みましょう。その場合、マンガはダメとかいろいろ規定がある学校も多いようですので、よく確認してくださいね。

今回は例として自分が書いた本をもとに読書感想文を書いてみたいと思います。(ステマではないです。また、一部ネタバレも含みます。)
こんな内容の読書感想文、私も書いたことがないので、今回初の試みです。うまく書けるか微妙ですが、でも頑張ってみますね。

②「なぜその本を選んだか」から書き始めることが多い。

「なぜその本を選んだのか。」この内容から書き出すことが多いようですが、たいていの人はここで詰まると言われています。自分が選んだ本でない場合などは特にそうです。
理由があれば書いた方がいいと思いますが、理由がない場合は、無理に書くこともないと思います。次のあらすじに進みましょう。

ちょっと書いてみますね。
「私がこの本を手に取った理由は、AIという言葉が目にとまったからです。よくニュースなどで見かけるAIについての物語を読んでみたいと思ったことがこの本を読むきっかけになりました。」

③あらすじを書く

次にあらすじですが、本来は簡潔に書くのが良いとされています。でも、ここで文字数を稼ぐという人も多いようですね。気持ちは分かりますので、その手法で書くのも一つの方法だと思います。

ちょっと書いてみます(ネタバレを含みます。)

「この物語は203X年という、未来の日本を舞台に、AIとVR技術を駆使して現実世界と仮想世界が交錯する物語です。主人公の中村美咲は、亡くなった母、加奈恵の意志を継ぎ、新たな挑戦を行う姿が描かれています。それは「仮想世界へ自分の意識を転送する技術」です。もしこの技術が成功すれば、死を超えて愛する人々と再会できる可能性があります。その希望を抱いて、美咲は最後まで必死に戦います。彼女は、過去の戦争のトラウマを抱えつつも、新しい職場で友情を築き、葛藤を乗り越えながら生き抜こうと決意する姿が描かれた物語です。」

④自分が感じたことを具体的に表現する

あらすじを書いた後は、この本を読んで具体的に自分が何を感じたのかを書いてみましょう。「何も感じなかった」となればそれまでです。その場合はあらすじを長めにして文字数を稼ぐという方法もありだと思います。

ちょっと書いてみます(ネタバレを含みます。)

「この本を読んで特に印象的だったのは、美咲が愛した拓也との再会を果たす場面です。拓也は過去の戦争で亡くなっていましたが、仮想世界で彼の意識と再会を果たします。その彼との再会は、美咲にとって大きな喜びでありながらも、それが現実なのか、ただの幻想なのかという葛藤が彼女の心を揺さぶります。意識転送が成功し、技術的には画期的な成果を挙げたにもかかわらず、美咲の心には深い迷いと不安が残ります。彼女の心の葛藤が、私には強く印象に残りました。」

⑤登場人物やテーマに対する自分の意見を書く

ここが結構ポイントになります。自分がその登場人物についてどう思うか、賛成か反対かを率直に書きます。
アンチでもいいのです。なぜそう考えたのかを具体的に書きましょう。

ちょっと書いてみます(ネタバレを含みます。)

「ただ、私は美咲の意見にすべて賛成することはできませんでした。彼女は拓也との再会を望むために、やや強引に自分勝手な実験をしようとします。もっと同僚の京香とよく話をするべきですし、きちんと説明をする必要があると思いました。
また、美咲が「もし命よりも大切なものがあるなら、それを守るために戦う覚悟を持つべきだ」と語るシーンもちょっと違うと思いました。やはり、人の命は一番大切だと思います。その点を間違えると、現実から逃げる手段として、この技術が用いられてしまうのがちょっと怖いと思いました。とはいえ、このシーンは非常に感動的で、技術と人間の関係について深く考えさせられました。」

⑥自分自身との関連性を書く

ここは⑤と一緒に考えてもいいのですが、本から得た学びや気づき、本を読んで自分の考えや感じ方がどう変わったかを書きます。読む前と読んだ後の気持ちを書くのでもよいと思います。

ちょっと書いてみます(ネタバレを含みます。)
「私はこの本を読むまでは「人は必ず死ぬ」と思っていました。しかし、もし遠い未来、人の意識や思いが仮想空間で生きられるとしたら、私は好きな人や、やりたいことに囲まれてずっと生きていけるのだろうかという期待を持ちました。そして、それはいろいろな倫理的問題があるとはいえ、それくらい人を好きになれることは幸せなことだと思いました。」

⑦全体をまとめる

最後に全体を通して感じたことや、本を読んだ後の感想をまとめましょう。このように、序論(あらすじ)→本論(感想や意見)→結論(まとめ)になるように文全体を構成します。

ちょっと書いてみます(ネタバレを含みます。)
「この本を読み、全体としては美咲と拓也の恋の行方が気になりました。また、これからも技術はどんどん進歩していくと思いますが、どれだけ進歩しても、最後に残るのは人間の心と絆であることを、この物語を通して知ることができました。」

人はなぜ読書感想文を書くのか?

いかがでしたでしょうか。皆さんが読書感想文を書く際の参考になれば幸いです。
最後に、なぜ私たちは読書感想文なんて書かなくてはいけないのでしょうか。私なりの解釈をお伝えしたいと思います。
私はあまり記憶力が良いほうではないので、本を読んでも内容を忘れてしまうことが多いです。まあ、忘れる程度の内容だったと言えばそれくらいなのかもしれません。
ただ、ごくまれに人生を変えるような本と出合うこともあります。そのような時、本の内容だったり、自分の心の状態だったりを書いておくことは後々、大きな意味を持つ場合もあります。
「あの時、自分はあの本を読み、決意したんだった。」
「あの作者がああ言っていた。自分もそう生きてみたい。」
と心が動かされた時、その記憶を思い出す方法の一つが「読書感想文」ではないかと思います。

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