近所神社（イメラン）

さあ走ります

今日は重りをもって走ろうかな

でも、鉄アレーみたいなのもってないし、ましてや手首や足首に巻くような重りもない

唯一もってるとすれば、広辞苑

とりあえず広辞苑をもって走ろう

今日は、近所をちょろっと回ってみよう

まずは神社に行って、長い階段を上る

長い階段を上がってる途中に、3体のお地蔵さんがある

そこで広辞苑を置いて手を合わせる

するとお地蔵さんの裏に、夜なので暗くてよく見えないがネコがいるのが分かった

ネコを惹きつけようと、チュチュチュと口で鳴らしてみるが無反応

こうなったら「チュチュチュ」より気をひける、「マタタビ」を使う事にした

なるべく滑らかに艶っぽく「マタァタヴィマタァタヴィマタァタヴィ」と言ってみた

無反応、

それもそのはず、途中から薄々気が付いていたのだが、ネコと思っていたそれは、捨てられたヘルメットだったのだ

いやんなっちゃうわ、と思いながら階段を上がった

上りきった所はひらけていて、このまま石畳を真っ直ぐ行けば神社あり、石畳を挟んで狛犬が睨みを効かしている

余り暗くて見にくいが、丁度狛犬の間で鞠を持っている女の子がいる

こんな夜遅くにどうしたのかな？と思い
遠めから声をかけた

「こんな時間に何してるの？」

返事がない

こうなったら「こんな時間に何してるの？」より気をひける、ロボットダンスで反応を見る事にした

なるべく大らかに優しくそれでいて賑やかに
「ロブォットデーンス」と言ってみた

無反応

それもそのはず、途中から薄々気が付いていたのだが、女の子と思っていたそれはスクーターだったのだ

いやんなっちゃうわと思いながら、強めにガランガランした

パンパン、痩せますように、、

お願いをした

すると少し風が吹いて、暗くてよく見えないが、神社の片隅からゴミ袋がふわふわと転がってきた

拾ってゴミ箱に捨てて気が付いたのだが
神主だった

謝ろうと「マタァタヴィ」と言ったら

キャッキャと反応してくれて、バイクに乗ってノーヘルで階段をガクンガクンと下りていった

やんなっちゃうわと、私もランニングを再開し階段を下りて行った

そしてお地蔵さんの所に来て、衝撃が走った

無い

広辞苑無くなってるやんけ

手を合わせる時に置いたオレの広辞苑

あの神主め

ヘルメット持って帰れよ