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僕が坊主になる時こう



髪を切りに行った

少しだけ切りに


男性の美容師さんに呼ばれ


席に案内された

席に着くまで10歩有るか無いかを移動している時に


なんとなく不安に思った


席に着き不安は的中した


君が切るんだね


女性が良かったよ


僕はね、女性が良かったんだよ


これを思ってしまうと


君もね、僕じゃなく女性が良かったんだろ


そう思ってしまう


そう思ってしまうと


君がなんとなく態度が悪い気がして来た

いや、態度が出ない様に頑張っているように見えて来た


そう思ってしまうと


僕だって大人なんだから


がっかりした所なんて見せれる訳ないじゃないか


そこで僕がとった行動は


「声のトーンを上げる」だ


僕がトーンを上げると


君は自分の態度をさらに改めてようと


声のトーンをあげて来たね


僕も負けじとさらにトーンを上げたよ


髪を切りはじめるまでには


お互いファルセット(裏声)になってたね



髪を切り始めてからは



モスキート音で喋ってたね


ゴメンね、僕おじさんだから一つも聴こえなかったや


そんな中


右隣に、女性客と男性美容師の2人が席に着いたね


羨ましくてしょうがなかったね


すぐさま盛り上がったような会話が聞こえて来たね


僕らは結託して、隣を妨害したね


君は僕の髪が舞うように切って、ドライヤーで飛ばしてたね


いい感じに奴らに僕の髪を浴びさせていたね


流石にやり過ぎたのか、隣のコンビがメンチきってきたので


こっちも2人で


「なんじゃ?何見とんねん?なんか文句あんのか?」と言った


そしたら隣の女性客が


「何?虫すごいねんけど!」


と慌て出した


我々のモスキート音にビビりだした


そしたら、その女性を担当してる美容師が女性に


「え?ゴメンなさい、大丈夫ですか?」と心配した


はい。お前おじさん。我々はそう思って


勝利と絆を手にした


そしてそのすぐ後、僕はトーンがファルセットくらに戻った


僕もおじさんだった


すると次は左の隣に


男性客と女性美容師が着いた


そして僕は鏡越しに君の目を見て


ミサイル(僕の髪の毛)打ってくれ


みたいな合図をした


そしたら君は首を横に振った


僕は「なぜ⁈」とファルセットで言った


そしたら君は「もう玉が無い」と地声言った


僕は坊主になっていた


僕はデスボイスで「ありがとう」と言った


敵同士でも、他に共通の敵が出てきたら

一丸となれるんだなと思った








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