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脊髄圧迫の緊急照射チェックリスト

脊髄圧迫の際にステロイドを併用することが放射線腫瘍学会が提案しているQIに盛り込まれました。
https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/palliative/

しかし、ステロイドを使うだけでなく、以下のレビューのように他にも考えることって多いと思うのです。

そこで、以下のような項目を脊髄圧迫に対する緊急照射のチェックリスト(バンドル)として考えてみました。あくまで診断に至ってから治療開始までの確認することとしてまとめてみました。

  • 発症からの経過時間

  • 麻痺の程度と高位

  • 手術適応について検討されているか?

  • 他の病変について検索されているか?

  • 予後予測

  • ステロイド投与の有無

  • NSAIDsも併用されている際のPPI処方の有無

  • リハビリオーダーの有無

  • 安静度指示の確認

  • 頚椎カラー・コルセット装着の必要性の検討

  • 治療前のレスキューの必要性の有無(必要がないと思っていても、お守りがわりに持ってきてもらう)

骨転移診療を日常的に行っている診療科の先生は慣れていらっしゃると思うのですが、あまり慣れていない科の先生からの依頼だと、こちらから追加事項を提案することもあります。

こうしたチェックリストを使うことは絶対に事故が許されない航空機の運営や医療では手術麻酔などで広く使われており、事故を減らしたり現場のコミュニケーションを促進することが研究で報告されています。少し前に読んだこちらの本でハーバード大学の先生が医療事故を防ぐ取り組みをまとめられていました。

医療安全としてもこうしたチェックリストがある方が診療の均てん化されるし、レジデントもある程度自分で対応できる部分が増えるのでいいかもしれません。

他にもこんなものもあるんじゃないか、こうした方がいいんじゃないか、うちではこうしているなど、ご教授いただけますと幸いです。

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