見出し画像

娘が今朝、家を出ていきました。

妻から「娘が彼氏と同棲をするために家を出る」と聞かされたのは、
4月29日の夜11時頃。
ゴールデンウィーク前半3連休の最終日の夜でした。
私はその連休はイラストを描いたり、神社巡りをしたりして楽しく休日を送っていました。
明日から3日間、仕事に行けばまた4連休だ。
そんな事を思っていた29日の夜でした。

その夜、
娘の部屋で妻と娘が何やら話をしていた。
そのあと妻が神妙な顔をして私たちの部屋にかえって来た。
そして、
「娘が5月12日に同棲をするので、引っ越しをするんですって。」と言ったのです。
妻のその顔を見て私は、冗談ではないことがすぐに分かりました。

娘は介護施設で働いており、休日は交代制なので、毎週日曜日が休日という訳ではありません。
次の日が休日になる日は帰ってこない事が多く、どこかに泊っている様子でした。

私たちは彼氏でもいるのかななんて、そう軽く思っていたのです。
なので、もう27歳なのだから親がとやかく言うことではないと思い、娘に何も聞かずにいました。
私は、もう年頃なんだし早く結婚して孫の顔が見れたらいいな、
なんてことを思ったりもしていたのです。

最近の若い人は結婚式を挙げずに籍だけ入れるという方も多いと聞いていたので、娘の結婚式でバージンロードを一緒に歩くなんて事もないのかな、なんて思っていた。
そもそも私はそんな事、照れくさくて嫌だなとまで思ってましたが、頼まれれば仕方なくやるつもりでもいたのです。

それが、あの夜、誰と付き合っているのかも言わず、また、どこで同棲をするのかも明かさず、ただ引っ越しをすると。
だだそれだけだったのです。
唐突な告白に私は頭が真っ白になりました。
私なりに思い浮かべていた娘の将来、そして別れは全く違ったかたちで訪れたのだと確信しました。

それからというと、
今まで父と娘という関係上あまり頻繁に話すことはなかったが、いつもどうりに娘と正面から向き合う事が出来なくなってしまったのです。

しかし、このままではいけない。
妻に事情を聞いてもらおうかなと思ったのですが、やはりこのことは自分で確かめようと思いました。
今後どのように生活をしていくのかなどを聞かなければと。

娘のLINEは登録してあったのでそのことを送ってみました。
そしたら、相手の事や暮らす場所やどういう経緯で付き合いだしたのか、またこれからの事をどう考えているのかなどを詳しく返信してくれた。

私の心配や不安は少し和らぎました。

しかし、毎晩訪れる娘との小さい時の事を思いだして落ち込み、私は次第に部屋にこもるようになっていったのです。
幸い、ゴールデンウィーク後半4連休は妻が私を励ましてくれた事もあり、私も娘の将来をだんだん応援しようと思えるようになってきたのです。
娘が幸せになってくれれば、
それでいい。
ただそれだけです。

..........

そして、
あの夜から2週間が経ち、娘は荷物を自分の軽四に積み込んで、
今朝、家を出て行きました。

ここ2週間、娘とはほとんど今までのようにあまり話せませんでしたが、最後は見送ってやりたい。
何か声をかけてやりたいと、
そう思っていました。

しかし、私の口からは
「また何かあったらいつでも帰って来いよ。」
それしか言えませんでした。

片づけられて物がなくなった娘の部屋。
寂しくなるなぁ。

.......

この2週間、私はいろんな事を考えさせられました。
人生って、ホントにいろんな事が
急に訪れるものです。

しかし、くよくよしていても何も始まらない。
自分なりに明日を信じて頑張っていれば
時が経てば、きっといい未来がやって来ると信じています。


そして、娘には幸せになってもらいたい。
ただそれだけを望んでいます。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?