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ダルシムのネタ選びミス

ヨガフレイムを1本目にやって、ヨガファイアを披露できなかった。

信頼できる先輩、同期、後輩、みんなの言うことを聞けばよかったのかもしれない。

優勝できたかもしれない。

でも、ヨガファイアで優勝したかった。

1本目ヨガファイアはほぼ確実に最終決戦3組に残っただろう。

ただ2本目ヨガフレイムは、ヨガファイアより落ちるし、1本目の貯金で逃げ切る形は嫌だった。

「でもヨガフレイムを見た後にヨガファイアを見ることになるんで、ヨガファイアの初見の衝撃度が下がるんじゃないですか?」

決勝前日、後輩にそう言われたとき、確かにな、と思った。

でももう提出しちゃったし。

きっかけ提出しちゃったし。

竜巻旋風脚とかなら当日でも変えれるかもしれないけど。

体ひとつだからね。

こっちは火だから。

竜巻旋風脚をやるつもりが1組前の組が足を使う技をしたからやっぱり昇竜拳で、みたいなことはできないのだ。

「お前の人生はお前だけのもんじゃないねん。応援してくれてるファン、家族、なんなら俺の人生もちょっとは背負ってんねん。そんなん言われても知らんわって思うかもしれんけど、実際そうやねん。まずは優勝して、世に出て、そこで好きなことやったらええ。いつまでもこのへんでバチャバチャしてても、蒸発して目減りしていくだけや。でっかい海に出な見てもらわれへんねん。お前の才能がマジでもったいない。知らんやつが知らん炎吐いただけ。ミスったな。」

ダルシム。

カナシム。

「はぁ…」

その吐いたため息には、炎のホの字もなかった。

ホの字って言っても別に恋してるわけじゃないんですけど…

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