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損出しは納税の先送りという考え方は正しいか?

前回は、損出しの本当の効果は節税効果などではないというお話をしました。

読んでくださった無料会員(無料しかありません)の方から、損出しは納税の先送りなのではないかという質問をいただきました。

節税効果が本当の目的ではないと書きましたが、今回は質問の内容に合わせて、節税にフォーカスしてみます。

まず、納税の先送りとはどういう事かと言いますと、損出しで税金の還付を受けても、同値で買い戻してしまえば、いずれ利益が出たときにその分の税金を納税することになるので、結局損出ししても意味ないのではないかと言いたいのだと思います。(違ったらすみません。その場合はまた連絡ください)

これは、半分間違っていません。
しかし、損出しを行う意味が無いことにはなりません。

その最も大きな理由は、前回お話した、損出しの目的は節税のためではないからという事ですが、それはとりあえず置いておいて、節税という観点からも、やはり損出しはすべきです。

理由は2つです。

1つは、その話は、未来の投資で確実に利益を出すことが出来る事が前提のお話です。
確実な投資など、有り得ません。
今後世界の経済がどうなるのか、誰にも分かりません。
経済氷河期が来る可能性もあります。
何年も下落が続く可能性もあります。
常に相場はあらゆる可能性があることを考えておかなくてはいけません。
実際、米国系指数連動型投資信託のブームが一昨年までずっと続いていました。
何も考えずに、それだけ買っておけば爆益だったので、完全にバブルでした。
2ちゃんねるの創始者の方も、投資を始めるなら何も考えずにそれを買えと発言していましたが、去年一年でそのブームは完全に消えました。
彼の言っていたタイミングで言われた通り投資を始めた方は、後悔しているはずです。 (当時の時点では、決してそのアドバイスは間違ってはおらず、他の有識者も皆同じ事を言ってました。なので、彼に落ち度はありません)

そんな感じで、相場は常に異変と隣り合わせで、去年までの常識が今年も常識であるとは限りません。
なので、利益が出てる時に、払いすぎた税金は回収しておくべきです。

2つ目は、例え今後払わないといけなくなる税金であっても、その金額を長く手元に残して置けるのは、それだけで投資家にとっては大きなメリットです。
納税する時までの期間に、そのお金で別の利益を出せるからです。
前回もお話しましたが、投資はお金でお金を稼ぐシステムです。元手が大きければ大きいほど、利益は大きくなります。その元手に先送りした税金分が上乗せできれば、それだけ利益も大きくなるということです。バリュー株などは10年単位で利確しない人も多いので、10年単位で先送りできたら素晴らしい複利ですね。

その年の変動にもよりますが、例えば去年のように、日経平均がマイナスだった年などは、比較的損出しした場合の還付金は多くなりがちです。

ただ、例外として、少額投資の方は、そもそも納税額が少ない可能性がありますので、手数料と相談したほうが良い場合もあります。

結論としては、ある程度まとまった金額を投資していて、配当などの安定収入がある程度まとまってある場合には、未来のリスクという観点でも、複利の観点からも、メリットとなります。

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