瑞牆山 ダイハード(5.11d R) グランドアップトライ ✖︎
前書き
瑞牆山にある前烏帽子岩のダイハード(5.11d R)をトライしてきました。
狙いはグランドアップでのオンサイト!それ以外は無い!!という意気込みで臨みました。
というのも、こういう形容詞(PD、R、X)が付くルートで、割と危な目なR(落ちると大事故につながる危険性が高い)が付いてて、グランドアップでのオンサイトを狙えるルートは、ほんとに数が限られているので、去年の冬頃PDのルートを初登した時からずっと狙ってはいた。
(初登のブログはこちら)
そんな経緯もあり、いつかやりたいと思っている中で、たまたまパートナーが見つかったので、時期が若干早い気もせんこともなかったですが、トライする事に。
当日は、8月下旬にしては湿気もなく、曇りだったので、まぁイケるだろうという事で準備をしてトライに。
瑞牆本には、出だしのプロテクションは切り株にスリングを巻くとあったが、見るからに腐ってた・・・。到底滑落を止めてくれるプロテクションとは思えないと思い、どうしたもんかと思案していると、突き刺さった岩の右に、2番と0.75番が効きそうだったので、それを最初のプロテクションにした。
オンサイトを狙っている人は、以下は読まないようにお願いいたします。(目次のやってしまった・・・・。まで飛ぶとオンサイトには関係ないはずです。)
ルート内容
ダイハードの構成として、足元プロテクションで5mランナウト➡しっかりプロテクションが効くクラックに、0.75と0.3を決めて足元プロテクションで核心➡最終プロテクションで10mランナウトという構成になっていた。
色々準備をしっかりこなして、トライ開始!
出だしが足元のプロテクションで、落ちると間違いなく身体がはねて頭から落ちるしかないという状態で、ちゃんと悪いムーブを出さないといけない。
そこで、15分くらい行きつ戻りつして、意を決して足を上げる。
何とか次のホールドを手に取って、次のプロテクションを取れる所まで、落ちると絶対怪我をする約5mのランナウトに耐えて進む。そこに、次のプロテクションを決めて、ランナウトに耐えながら核心に突っ込んで行ったのだが、あえなくそこでちゃんと落ちる。プロテクションは、ちゃんと効いていたので、止まりはした。
何回か落ちながら、核心は越えたのだが、ここで問題が!
最後のホリゾンクラックにプロテクションを決めるのだが、まさかのカム切れ・・・。
トポにはカム一式としか書いてなかったので、3番までしか持って来ておらず、効くのは4番だった。
終わった・・・。これも、グランドアップのリスクであり楽しみの一つではあるのだが・・・。
下を見ると遥か足元に最終プロテクション。クラムダウンして飛び降りる事も考えたが、間違いなく怪我する。
上を見上げたら簡単そうなスラブが広がっていたが、落ちたら死んでしまう気しかしないランナウトになりそう。
うん、無理。登るも下るも出来ん。
どうしようかと思案すると、ホリゾンクラックが大きな木の側まで広がっていた。
よし、あの木に移って木でクライムダウンをするしかない。
そうと決めたら慎重にトラバースして、木の側まで移動する。何とか木にしがみついて、ゆっくり降りる。
地面につき、ほっと一安心して、下まで慎重に降りた。
めんどくさがらずに、クラックが見えないならカムは全部持っていきましょう(笑)
さて、相方がトップロープでトライするという事なので、それをビレイしつつ、陽が当たってきたので、夕方まで待つ(トップロープは相方に自分で張って来てもらった。)
やってしまった・・・。
夕方になり、セカンドトライ!
オンサイトで使ったブースティックは、スラブに落ちたときにお亡くなりになったので、予備で持ってきたオタキでトライ。
出だしまでトラバースする。覚悟を決めて、足を上げる。
ブースティックとオタキの踏み感が違って、左足が上手く決まらなかった。何とか足を上げて、次の手を取りに行く。
手を出した時、右足が外れた。
ヤバい!そう思って、背中と後頭部に衝撃が。
気が付くと世界の上下が変わっていた。どうやら、落ちたときに体が跳ねて、頭を下に背中から落ちたらしい。やっちった・・・。
幸いなことに、打ち身と擦り傷だけで済んだポイが、ヘルメットが割れてしまった・・・。
いやーヘルメットしてて良かった!!相方!止めてくれてありがとう!!!!
しばらくその場で茫然としていると、悔しさが込み上げてきた。
しばらく休んでから、もう一度トライ。出だしの足を上げる。
この状態でやるとなんかもう一回落ちる気がすると心がざわめく。
ゆっくりクライムダウンして、今日はやめておくことに。
p.s 出だしから次のプロテクション取るまでと、最後のマントル返すところとそこから終了点までの所で落ちると事故になるので、気をつけてください!
数日たって冷静に考えると、踏み感が違う靴でスラブをトライするという事がそもそも違ってたなと反省しています。
最後に
このルートは、今の自分にとってグランドアップでやってこそのルートだと思うので、湿度と気温が落ちたらちゃんとグランドアップでやりに行こうと思います。
だって、トップロープでムーブをバラシたら、いつまでたってもあの頃の僕と同じな気がするから。
とはいえ、Rのルートは、ちゃんとRなので、あくまで自己責任で!!
個人的に、形容詞が付くルートに関しては、ちょっとでも怖いと思ったら、トップロープでムーブとプロテクションを確認してから登った方が良い思います。
それを良しとするかは、そのクライマーがルートに対して何を感じて、自分自身が何を目指しているかによって違ってくると思いますが。
怪我もほぼしてないし、元気なので秋に向けてトレーニングをしていきます!!
カエル
追記
なんかあった時の為に一応動画を回してたのですが、ちゃんと何かあって、ただの衝撃映像が撮れました。
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