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13日の金曜日(1980)

マグさんと見た!!好きだ…13日の金曜日が…。

5分で終わってた話

2009年版では冒頭と噂話でしか存在しないのが今回見た1980年版。それだとしてもラストとか違ったので2作目どうなってるのかわからないけど…。

噂話でしか知らなかったので、そもそもクリスタルレイクがこの話より前から人が死に続けてるのは初めて知った。もう呪いの地としてかなり格があるし、ちゃんというなら5年前に子供が溺死したより前は完全に野良の事故なので水辺としてまあまあ危険なんだと思う。やめなよこんなところでキャンプするの。でも確かに綺麗な土地なのでキャンプしたい気持ちもわかる。なんか知らんけど地元の人は遊びに来なくて自分たちだけで遊べるしね。でもなんで地元の人の憩いの場にならないのかちゃんと調べたほうがいいよ。

この辺から13日の金曜日の最高なところが始まってて、死人が出る前に出てくる単語は「呪い」とか「予言」とか「血の」などのダイレクトなオカルト用語であり、クリスタルレイクにまとわりつくのは殺される恐怖ではなく死が近い不穏さなので出てくるとしても「幽霊」ないし「恐ろしいもの」であって本当の犯人からはほど遠いところがめちゃくちゃいい。もちろん復讐を誓った二重人格が怖くなくて幽霊でないかと言われれば完全に違うとは言えないけど連想ゲームとしてかなり遠いのは確か。

あと事前情報と違くない?!?になったのはあたかも「息子を見殺しにした若者に復讐をした」みたいな語られ方をしていたのに対して本当の本当に関係ないボランティアの若者を殺しまわっていた点。怖い。見境がない。あと別に鍛えられた筋肉があるわけでも特殊部隊にいた経歴があるわけでも殺し屋だったわけでもないのに殺し方が洗練されてる。この点に関して、心の中に息子を住まわせている狂気と自分の肉体でできることを見極める正気が同居しているとこが本当に怖い。7キルの映画なのに暴力で解決するターンが一個もない。こんなにも何も見えてないのに殺しに対して正気すぎる。この狂気に陥ってるのに殺害に対してはIQがめちゃくちゃ上がる仕様につられて逃げ惑う女の子も冷静かつ賢い選択を続けることになっているの、本当に最高の映画。争いは同じレベルでしか起こらない…!!!だから逃げる女も賢くします…!!それは、そうですけど…!!!

ラスト15分まで死体が見つからない。

すごすぎる。友人の死体が出てきて残ったメンバーが泣き叫び行動に迷いが出てさらに死体が増えるのって少なくともこの映画からじゃないんだ…。

犯人が中年女性であり、最後のアリスとの戦闘シーンでは負けの方が多いことから明らかだけど基本的に犯人は誰にも見つかってはいけない状況にあるので当然死体は隠す。このめちゃめちゃな殺意のせいでラスト15分どころか最後の1人になるまで何が起こってるのか彼らは分からないままに殺されてるし最後の1人は混乱する間も無く逃げることになる。

でも犯人にとって若者6人が最後まで呑気に「も〜なんのイタズラ〜?」ってテンションでいてくれるのが理想で、最低限でも男は殺し切ってから見つかりたいはずなので「二段ベットの上に死体が…!!」のめちゃくちゃ怖かったシーン、かなりドキドキだったと思う。友人たちがいちゃついてるのをみてた男を釣り出したまだはいいけどそのカップルまで同じ部屋に来ちゃうの、普通にアクシデントだろうし逃げ込んだベットの上でセックス始めたのも殺せるまで運がいいのか悪いのか測りかねたと思う。

「13日の金曜日」で検索した時のサジェストの一番上がなぜか「気まずい」なの、この手のシーンのことを指してると思うんだけど気まずいって感じれるの13日の金曜日シリーズを見るのが初めての時まで。それ以降は「服を着ろ」「靴を脱ぐな」「いつでも逃げれるようにしろ!!!」って言うことになるし、お色気シーンとして認知できずに命掠奪チャンスにしか見えない。殺人をする側から見たらかなりお得な行為なのでこの後殺人がジェイソンに移ってもめちゃくちゃセックスする。まあ仕方ないか…遊びに来た若者が夜な夜な戦略を練るサバゲーオタクの集まりだったら趣旨変わっちゃうしな…。

絶対に殺人を起こしてることを気が付かせてはいけない母親による7キルの映画、死体を隠すことに加えて当然電話線は切るし嵐がさればブレーカーを落とすの周到すぎる。それに、明言はされてないけど警察が「3人の遺体が発見された」って無線で立ち去るシーンも彼女の仕込みのうちだと思う。仮に電話されたとしても今出てる3人の遺体より昼間にみた「うわ…薬やりそう…」って若者の集団からの「仲間が殺されてるんだ!!何人も!犯人はわからない!!」って通報の方が軽いし後回にされそう。何回も言うけど心の中に息子を住まわせながら息子の溺死とはなんら関係ない若者を殺し回る殺人鬼がこれだけしっかり殺害を重ねる正気さが本当に怖い。途中、もう寝るだけの女の子を「たすけて、たすけて」って誘き出すシーンもあるんだけどマグさんが「襲った人間の断末魔を繰り返す化け物?」って言ってたのだいぶ面白かった。しかもこれ「息子を助けなかった」話ともかかるので嫌な学び。その声を頼りに雨の中を助けに来てくれた子は見逃してもいいだろ。

一対一になったラストで正体が割れた後なら逃亡戦はこの執念を映させるために生き残りの女の子にしては本当の本当に賢い行動を重ねていく。この手の映画ってなんかもっとお互いが隙を見せてハラハラする感じになる気がしてたんだけどお互いに最善を選び続けるので見ててめちゃくちゃ楽しい。わけわかんないけど13日の金曜日のラストの楽しさってバトルものに近い。

それはそうと復讐に燃え、絶対に油断しないだけで中年女性である犯人と友達がみんな死んで限界の若者が戦うと毎回若者が勝つの、パワーバランスに対して真面目すぎる。それはそうだよね、友達の死体を2つも見てる子が殴るのに躊躇ったりするわけないしね。2回も昏倒させられて2回起き上がる方がおかしいよね…。「なんでまだ立ち上がるんだ!!」ってホラー映画の逃げ惑う方の定番の状況だけど筋肉ムキムキのジェイソンに対して言うのと中年女性にいうのとでは根本の恐ろしさの種類が違う感じある。

それで自分の非力さを熟知した上で常に狡猾に人を殺してきた殺人犯とハラハラした展開を繰り広げるには逃げる側が「森に飛び出した後に一回撒いて元の小屋に戻る」みたいなとても友達が全員死んだと思えない冷静な判断をするし、追いかける側も当然それを読んで小屋に戻ってきたりする。どかどか人が死ぬ映画なのに??!!!?しかも「ドアの閉まった音を聞かせて安心させた隙を狙う」もやる。この前に「友達の死体を窓から投げ込んで精神を摩耗させる」も「知り合いの車から出てきて安心させる」もやってるしさっきも言ったけど「子供の声で誘き出す」もやるので人の心が分かりすぎている。怖い。

2009年版も思ったけど、13日の金曜日って人を殺す時に殺すために殺しててその結果がエンターテイメントである映画なのでめちゃくちゃいい。かっこいい。

次回、受肉!!!

ジェイソンって存在を当たり前に受け入れてたけど今回の終わりの「きっとあの湖にまだジェイソンはいるんだわ…」みたいなオチを考えるに今回までは少なくとも溺死した息子のジェイソンって幽霊よりの存在っぽいんですよね。

でもジェイソンってかなり筋肉な脅威としてこれからの作品に出てくるはずなので次回作はどうにかジェイソンを受肉させるところから始めるのかもしれない。始めないかも、当たり前に「いるけど??」ってか明日始まるかも。でも幽霊からの受肉じゃないとこの山の奥で育った子供があんなにムキムキなの、湖の辺りにプロテインが自生してないとおかしくなっちゃうからな…。

今回のラストに頭をナタで切り取られた母親の頭部らしきものを2009年版では持っていたので少なくとも同じ時系列でやるとは思うんだけど本当にどうなるんだろう。めちゃくちゃ楽しみ!!!!

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