見出し画像

改正電子帳簿保存法[令和4年1月1日施行]国税関係書類【スキャナ保存】(1)-概要・留意点-

改正電子帳簿保存法における国税関係書類のうち、
スキャナ保存の概略と留意点を書いてみます。

スキャナ保存については、
重要書類、一般書類、過去の重要書類
を混在させて書いています。

上記の該当書類に応じて、以下のように表示しています。
(共通)       ← 重要書類、一般書類、過去の重要書類の事項
《重要》<一般> ← 重要書類、一般書類の事項
《重要》<過去> ← 重要書類、過去の重要書類の事項
《重要》     ← 重要書類の事項


ー 国税関係書類 ー

《重要》<過去>
法律により保存をしなければならない書類(法2条二)


とされています。
まず、留意点から見ていきましょう。


国税関係書類:スキャナ保存の留意点

《重要》<過去>
書類の全部又は一部について、スキャナにより記録する場合、
電磁的記録の保存をもって書類の保存に代えることができる
(法4条③前段)(規2条⑤)(問2)


《重要》<過去>
この書類とは
棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類を除いた書類(規2条④)

<一般>
一般書類は、例えば、次のような書類をいう(問43)
■保険契約申込書、
 電話加入契約申込書、
 クレジットカード発行申込書のように、
 別途定型的な約款があらかじめ定められている契約申込書
■口座振替依頼書
■棚卸資産を購入した者が作成する検収書、商品受取書
注文書注文書の写し見積書見積書の写し
■自己が作成した納品書の写し

《重要》<過去>
スキャナには、
スマートフォンやデジタルカメラ等も、
入力装置に該当すれば含まれる(通4-16)

(共通)
書類の種類ごとに適用でき、
一部の書類のみをスキャナ保存することも可能(問61)

《重要》<過去>
作成の実態に応じて、それぞれの区分ごとに適用できる(通4-2)
■作成又は受領した注文書、領収書、見積書、請求書契約書納品書など
■作成又は受領した注文書、領収書、見積書、請求書などを
 本店のほか事業部若しくは事業所ごとに

(共通)
合理的に区分できる書類の種類の単位ごと等、
一定の継続性をもって保存が行われるから、
スキャナ保存等を開始した日(保存等に代えた日)、
スキャナ保存等を取りやめた日(保存等に代えることをやめた日)
を明確にしておく(通4-2)(問61)

《重要》<過去>
令和4年1月1日以後に実際にスキャナ保存が行われる書類について適用(問60)
 入力(タイムスタンプ要件を満たすまで)が完了した日から

(共通)
課税期間の始めから一貫して記録による保存を行う必要はないので、
要件を満たせば、課税期間の途中からでもスキャナ保存を行うことは可能
(問61)

(共通)
令和4年1月1日以後に保存を行う書類は、事前に税務署長の承認を受ける必要はない(問61)

《重要》
電磁的記録の保存がスキャナ保存の要件に従って行われていないとき、
保存すべき期間その他のの要件を満たして記録を保存しなければならない(法4条③後段

<過去>
電磁的記録の保存が要件に従って行われていないとき、
保存すべき期間その他のの要件を満たして記録を保存しなければならない(法4条③後段

<一般>
「帳簿代用書類」は、一般書類から除かれているから、速やかな入力などが必要(問8)


まずは、先に共通の事項と重要書類の留意点を押さえておくと良いでしょう。
その中で、区分ごとの適用も可能ということですが、その区分で分けられる業務の流れになっているのか自社の状況を把握するのが良いかと思います。
また、期中から開始が可能ということなので、焦らずに流れを考えていけるといいですよね。


関連条文等

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第2条二、第4条3項前段、第4条3項後段

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第2条4項、第2条5項、

電子帳簿保存法取扱通達4-2、4-16
(電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明))

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/030628/pdf/01.pdf

電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問2、問8、問43、問60、問61

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_02.pdf

おわりに

こちらは、「できる」規定になるため書類のスキャナを必ずしなければならない、という事ではないと言えます。

事業年度の途中から開始することができるため、いつからどの書類を電磁的記録をするのか事前に検討をして、実際に開始をしたあとは、書面と電磁的記録の保管時期や種類を把握して、順次保存ができ、煩雑ならないような管理をしておくと良いでしょう。

スキャナ保存は、管理の流れを改めて見直す良い機会と考えられます。スタッフへの周知も含めて、この際にしっかりと体制づくりをしていきたいですよね。

今後、ペーパーレス社会がますます広がっていくことを想定しますと、制度をしっかりと理解して、体制構築をしていくことは社会的にも良い方向と考えています。

随時更新をしていきますので、引き続きご覧頂けますと嬉しいです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

お問い合わせはこちらまで↓


最後まで読んできただき、ありがとうございます!
今後もお役に立てる記事を投稿していきますので、
スキフォローなどをいただけますと
とても喜びまくります。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,651件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?