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疫学研究 コホート研究

前回は疫学研究の種類や介入研究 を学びましたね。
今回は観察研究に入ります。まずはコホート研究です。
コホート研究はとても特徴的でポイントさえ押さえれば…
なんとかなります。
コホート研究は「観察」研究と言われているので、
ランダム化比較試験のように対象者に○○をするということはせず、
疾患の原因と仮定しているものに
曝露している群と曝露していない群を前向き(未来)に観察していきます。
10年や20年継続して観察した結果、
暴露が原因で病気にかかった人の割合が出せますね。

曝露群での病気に罹った人÷観察人口=曝露群の罹患率

ということで出せます。
ただ、原因に曝露していない人でも罹ってしまうことはもちろんあります。
そのため、
非曝露群での病気に罹った人÷観察人口=非曝露群の罹患率
で出します。

コホート研究のポイント
→罹患率や死亡率が算出可能!!

寄与危険

この罹患率を使って寄与危険や相対危険というものを算出していきます。
寄与危険は「原因がどれだけ強いか」「原因を排除することでどれだけ集団に対する効果が期待できるか」を示す指標になります。
こちらは公衆衛生対策で最も重要になります。
このような計算方法で寄与危険が算出できるということを覚えておきたいですね。
曝露群の罹患率-非曝露群の罹患率となります。
曝露群と非曝露群の罹患率の差が大きければ大きいほどその原因の強さがとても大きいってことになりますね。
タバコが原因で、寄与危険が高ければ、禁煙は疾患に対する予防効果がとても高いという言い換えができることを押さえておきましょう!

相対危険

さて、続いて相対危険ですね。
相対危険は、原因と結果の関連性がどれだけ強いかを示す指標となっています。寄与危険は引き算で算出できましたが、相対危険は割り算で算出されます。
曝露群の罹患率÷非曝露群の罹患率

画像のように相対危険は4です。
つまり、喫煙者は非喫煙者の相対的に4倍かかりやすい
ということになります。喫煙者は非喫煙者に比べて・・・という意味です。

コホート研究 まとめ

コホート研究の特徴を改めてまとめましょう。
①介入せず、原因に曝露されている群とされていない群を長期間追跡観察していく。
②罹患率が算出できる
③罹患率によって寄与危険、相対危険が算出できる
④寄与危険は原因の強さで引き算
⑤相対危険は原因と結果の関連性で割り算
この5つを覚えておけばイメージしやすいですね。


管理栄養士国家試験としては、症例対照研究と比較して出題されることがあります。

次回の症例対照研究の解説後に合わせて国家試験を読み解いていきましょう。

それでは、今回はここまで。

はにわ

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