管理栄養士が介護職をする
たまには、介護施設の管理栄養士っぽい記事を出します。
管理栄養士が介護職として働いていると、食事や水分の摂取でいろいろな課題や留意しなければいけない点が見えてきます。
介護の現場にいる介護さん、介護の現場にラウンドなどで行く管理栄養士さんは確認しておくとよいかと思います。
介護施設高齢者の食事の課題
まず、摂食嚥下機能の低下を見極めるポイントですが、
これはミールラウンドをしているのであれば、ラウンドチェック項目が入ります。
大きく2点を見てもらえれば良いかと思います。
・食べこぼしが多くみられるようになった
→これは、摂食(咀嚼)が上手にできず、食塊形成ができない、食物をまとめることができないと食べこぼしが多くなってきます。
舌と歯を上手に使えていないところも機能の低下を見極めるポイントですね。
・食事中に咽込みや喘鳴、声の出し方が変わっている
→嚥下というのは、ごっくんをする瞬間のことを言います。
口は呼吸をするための機能がありますが、嚥下の際には0.5秒だけ、飲み込むために役割を変えています。
この0.5秒のタイミングがずれてしまうと食道でなく気管に食物が入る「誤嚥」となります。
誤嚥をすると、多くの人は咽込みで戻そうとしたりします。
また、声だしが変わると、引っかかっているのか、という見極めもできますね。
高齢者の食事による誤嚥性肺炎
介護施設で誤嚥性肺炎で入院する人は良くいます。
食物や水分が誤って気管に入ってしまい、細菌が繁殖→炎症を起こしてしまう疾患ですね。
ただ、肺炎にならないこともあります。
全員が全員誤嚥すれば肺炎になるというわけではないです。
栄養状態がよい(体重やBMI、Alb)
体力や免疫が高い
口腔ケアがしっかりされている
という状態であれば肺炎にはなりにくいという方もいます。確率的な問題ですが。。
大きく分けてこの2点はしっかり見ておいてほしいところですね。
食事はその人にとってとても大事です。楽しみの1つですし、食事が主で生活が回っている人も多くいます。
食事が苦痛でないように環境を整え、食事介助をできるようにしましょう。
介護施設高齢者の水分の課題
最後に水分ですが、やはり嚥下機能が悪い人はサラサラした水分は誤嚥しやすいですよね。
とろみをつけます。
その人の嚥下機能に合わせたとろみ付けはできていますか?
濃いとろみ、中間のとろみを使用している方は要注意です。
とろみは濃くなればなるほど咽頭残留の量が増えていきます。
つまり、嚥下をしたと思っていても、口腔内や咽頭付近にそのとろみ水が残っていることがあります。
飲水の介助や観察していた時には大丈夫でも、咽頭や口腔内の残留によって誤嚥をしてしまったりします。
しっかり口腔内のチェックをすること、咽頭残留は流すことが大事ですね。
濃いとろみの場合は必ず交互嚥下が必要です。
とろみ水の後にゼリーのようなもので交互嚥下をしてあげると咽頭残留もなくなります。
良かれと思い、とろみの粘度を高くしすぎると、
お水がお餅のようになってしまい逆に危険になります。
お餅までいかなくても、やはり咽頭残留が増えるので良いとは言えません。
濃いとろみの人はうちの施設では水分ゼリー、ジュレを提供するようにしています。
ゼリーも固めではダメなので、ジュレに近い物性のものを作るようにしています。
本日はとりあえずここまで。
★はにわ★
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